より過激に!不謹慎に!毒々モンスターは歩みを止めない!!「悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(536日目)
「悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル」(2000)
ロイド・カウフマン監督
◆あらすじ
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トロマヴィルの養護学校を突如として悪名高いおむつマフィアが襲撃。人質を救出し悪を始末するために毒々モンスターとその相棒ラーダスが参上し、おむつマフィアをなぎ倒して行くのだが、マフィアのセットしていた時限爆弾が作動して学校は爆発。相棒ラーダスを失ったが生徒のスウィーティーハニーとテイトを助けた毒々。しかし、町の様子がどうもおかしい。実は爆発の影響で毒々モンスター達は、トロマヴィルの平行世界であるアモートヴィルに転移してしまっていたのだった。一方でトロマヴィルには平行世界で悪の代表者として君臨していた悪毒モンスターが入れ替わる形で送られてくる、悪毒の殺戮で町は大混乱。果たして、毒々モンスター達は平行世界から脱出して、悪毒を倒せるのだろうか。(Wikipediaより引用)
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数々の悪名高きZ級映画を生み出しているトロマ・エンターテインメントの作品です。
「悪魔の毒々モンスター」シリーズでは4作目にあたりますが、1作目の正当な続編として位置づけられており、監督はもちろんZ級映画の帝王ロイド・カウフマン氏です。
3作目となる「悪魔の毒々モンスター3/毒々最後の誘惑」(1989)はまだ未視聴なので近い内に見ておきたいところです。
1.2作目はこちらから↓
この手のおバカ映画って回を重ねる毎にインパクトが薄れたり、やることがなくなってきて、結局は1作目を超えられずに飽きられてしまうことが多いです。
しかしです!
このシリーズはその真逆で
より過激に、不謹慎にブラッシュアップされます。
それが果たして良いことなのか悪いことなのかは定かではありませんが、長きに渡り世界中で愛され続けているのが何よりの答えでしょう。もちろん私も大好きです。
現在U-NEXTで配信中の他、私は浜田山のTSUTAYAにてレンタルさせていただきました。
今作はシリーズ四作目ということで内容もかなりスケールアップしております。
◇主人公メルヴィン(毒々モンスター)が暮らすトロマヴィルの養護学校を凶悪なおむつマフィアが占拠。相棒のラードアス(めちゃくちゃ肥満体のおじさん)と共に壮絶な戦いを繰り広げるメルヴィンでしたが、マフィアの仕掛けた時限爆弾の爆発に巻き込まれてしまう。
生徒数名と共に脱出したメルヴィン。しかし爆発の影響で平行世界のアモートヴィルという町に転移してしまう。それと同時にアモートヴィルで悪行三昧だった悪毒モンスター(メルヴィンと瓜二つ)はトロマヴィルに転移され、トロマで殺戮を繰り広げる。
メルヴィンは無事にトロマヴィルに戻ることができるのか…
という内容となっており
いよいよおバカ映画のクセに平行世界への転移というSF要素を追加しています。
そもそも赤ちゃんの格好をしたおむつマフィアの存在も意味分からないですし、リアルビキニTVのレポーター(水着姿の美女)に変装したメルヴィンが校内に潜入するというのも無理があり過ぎます。
さっきまでセクシーなお姉さんだったのにいきなり白い煙に包まれたと思ったらメルヴィンになるわけですから意味がわかりません。身長から骨格まで全て違いますし、そんな変身能力持ってなかっただろ!?っとツッコみたくなります。
さらには5秒後に爆発する時限爆弾が作動しているのに、悠長にモップを探しに行ったり、一度家に帰って恋人のサラと子づくりしたりと開始早々バカ全開でいちいちツッコんでいたらきりがありません。
なもんで、始まって数分後には感覚が麻痺するので、今更爆発で別の世界に転移されようがなんとも思わなくなっています。
同時にトロマヴィルに転移された凶悪な悪毒モンスターは見た目がほとんどメルヴィンであるため、彼が行う残虐な振る舞いの数々は全てメルヴィンが行ったことになり、ゴールドバーグ市長は一流のヒーローを派遣して捕獲を試みます。
ヴァイブレーター(片手バイブのおばちゃん)、ドルフィンマン(イルカ人間)、マッドカウボーイ(牛人間、股間は牛の乳で度々ミルクが出る)、マスターベイター、そしてカブキマン巡査部長は悪毒モンスターに手も足も出ず、カブキマン以外は葬られてしまいお手上げ状態。
更にはメルヴィンの婚約者サラを寝取り、孕ませてしまいます。そしてサラのお腹の中にはメルヴィンと悪毒モンスターそれぞれの子供がいることが発覚します。
ちなみにこのシーンに登場する産婦人科医の役は「グーニーズ」のマウス役や「スタンド・バイ・ミー」のテディ役でおなじみのコリー・フェルドマン氏です。
一方、アモートヴィルに転移したメルヴィンは悪のカブキマンたちと戦いを繰り広げながら、チェスター博士(転移先のラードアス)の助けもあり、トロマヴィルに帰還を果たします。
この転移の仕方も、2つの世界で同レベルの爆発が起きたことで平行世界へ繋がっただの、次元間移動がどうの、素粒子がどうのと散々のたまっておきながら
『トロマヴィルほど良いところはない』と3回唱えて靴を鳴らすというオズの魔法使いリスペクトのファンタジー過ぎる方法で帰還に成功します。
本当にバカですね。
だから好きです。
戻った後は裏で手を引いていたカジンスキーが築き上げたナチスを模した軍団が警備する病院にて、悪毒モンスターと壮絶な戦いを繰り広げます。
この時、出産間近のサラの真横で戦うんですけども、二人の戦いに呼応するかのようにサラのお腹の中でも巨大な二人の赤ん坊がモップを持って殴り合います。そしてメルヴィンの勝利と共に、サラのお腹の中でもメルヴィンJrが勝利します。
この後、悪毒モンスターの中からなぜか人間の頃のメルヴィンが登場したり、実はもう一人のお腹の子がカブキマンの子だったりとバカ全開のまま幕を閉じます。
エンディングに入る前には、平行世界に行ったらこうなっちゃうよという例をロイド・カウフマン自らが演じており、ファンにとっては堪らない仕様となっております。
特典映像にはNG集、特殊メイクを作る様子や施す様子、更には各地で行われた試写会の様子などが収録されており、ファンにサインをするカウフマン監督やオフの俳優陣、更には「バタリアン リターンズ」のブライアン•ユズナ監督の姿も見られます。
ちなみに怯えるトロマヴィル市民役で「ホステル」シリーズや「サンクスギビング」でおなじみのイーライ・ロス監督がカメオ出演しています。探してみるのも楽しいかもしれません。(私はわかりませんでした…)
最後の最後までバカを貫き通し、時々エグいくらいのグロ描写を見せたと思ったら、超絶手抜きのアクションシーンを見せたり、不謹慎な差別ネタに偏見ネタ、某カルト宗教を茶化したりとやりたい放題で作り手側の映画愛が伝わってくる一作となっております。
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もしよかったら覗いてやってください。
渋谷裕輝 公式HP↓