父娘の絆が美しい!BSE問題に一石を投じるおバカ映画「悪魔の毒々バーガー ~添加物100%~」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(521日目)
「悪魔の毒々バーガー ~添加物100%~」(2007)
ジョン•カランギス監督
◆あらすじ
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その男からひき肉を仕入れた人気ファーストフード店の店長アレンとスティービーは、いつものように活気あるモーテルの一角で忙しく人気のハンバーガーを作っていた。 そんなモーテルへ遊びにやって来たジェイソン、エイミー、モニカ、ブレイクの4人。
この旅行でお互い打ち解けあい仲良くなろうと一緒に昼食を取ろうとするが、険悪ムードに。なかなか打ち解けないまま夕食となり、そんな食事中、今までハンバーガーを美味しそうにほおばっていた周りの客が、突如、暴れだしモニカを襲い、次々と周りの客と店員を襲い始めた。モーテルは、一瞬にして大量のゾンビが暴れ狂う地獄絵図へとかわる・・・。(gaga.co.jpより引用)
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タイトルからして「悪魔の毒々モンスター」(’84)などでおなじみのトロマ映画のようですが、無関係の作品です。
●トロマ映画とは
「悪魔の毒々モンスター」シリーズや「キラーコンドーム」のようなおバカホラーを多く生み出しているトロマ•エンターテイメント製作の映画です。
本作の原題は「THE MAD」なので、また例によって日本の配給会社がノリと勢いで付けた邦題という感じがしますね。
現在、配信などはないようです。私は五反田のTSUTAYAにてレンタルさせていただきました。
「アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ」のように『何らかの薬の影響で凶暴化したハンバーガーが人を襲う』というような内容を想像していましたが、実際には
◇牛に与える薬に含まれていた成長剤のせいでウイルスが変化してしまい、食肉加工したその牛肉を食べた人間がゾンビ化してしまった…
というようなものでした。
なので人々を襲うのは、肉を食べてゾンビ化した人達と“ハンバーガー用のパティ(焼く前)”です。
あまり多くはありませんがこの生肉パティが人間を襲うシーンがかなり面白いです。
おバカホラーの割にはゾンビもそれなりにクオリティが高いです。欲しかったグッズ(Tシャツや帽子)に気を取られたりとそれぞれ特定のものに執着を見せるなど、人間だったころの記憶が少し残っているようなタイプでした。ちなみにどのゾンビはわかりませんが映画コメンテーターの有村昆さんがゾンビの吹き替えを担当されています。
登場人物は
主人公のジェイソン
演じたのは「タイタニック」や「山猫は眠らない」シリーズでおなじみのビリー・ゼインです。
娘のエミリー
エミリーの彼氏ブレイク
あとは特技は高速尺八で、ジェイソンの再婚相手のモニカがいます。
この4人の関係性が分かりやすくギスギスしており、見ているこっちはかなり面白いです。そんなギスギスした状態で旅行なんてするなよ!と言いたいところですがそれだと話が進みませんね。
しかし途中で訪れた田舎でゾンビパニックに遭遇し、何度もピンチを乗り越える中でジェイソンとエミリーの関係性が修復されていきます。登場人物の関係性や心情を見せる演出が非常にうまいので、この展開も一切薄っぺらくなくて本当に面白いです。
コメディとしてもかなり優秀で、『唐突なモニカの高速尺八』、『凶暴な生肉パティにビビりまくるブレイクに蛙化現象を起こすエミリー』、『ゾンビ化したブレイクの吹っ飛んだ生首が顔ハメパネルにキレイにハマる』、『股間を見てモニカだと気づくジェイソン』など、テンポの良さもありどれも外していません。
そして本作の事の発端となる牛肉ですが、サッターが運営するクリークサイド牧場は過去に“病気に見えるから”という根拠のない謂れで牛を殺処分されていました。そして再び同じ目に遭うことを恐れたサッターは病気の牛にネットで購入した薬を与え、病気は治りました。しかし、その薬に含まれていた成長剤のせいでウイルスが突然変異。その牛を食肉処理したものを飲食店に卸してしまい、その結果、それを食べた人々が凶暴なゾンビになってしまいました。
『謂れのない理由で殺処分される牛』、『そしてそれを免れるために誤魔化して市場に出す業者』、『オーガニックバーガーを謳っておきながら、内情は薬漬けの肉だった』等など2001年あたりに世間を騒がせたBSE問題に対する問題提起をしているようにも感じました。
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