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何かすごいことが起きている!でもそれが何かは分からない…「パラダイム」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(487日目)

「パラダイム」(1987)
ジョン・カーペンター監督

◆あらすじ
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廃墟と化した教会で、不思議な緑色の液体が入った透明な柩が見つかる。老司教とバイラック教授、学生たちが分析を進めた結果、柩には悪魔の呪いが封じ込められていることが判明。そんななか、学生の1人であるスーザンが悪魔の下僕と化してしまう。(公式より引用)
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「ハロウィン」等でおなじみのジョン・カーペンター監督が手掛ける後味悪めの終末ホラーです。

ちなみに同監督の「遊星からの物体X」(82)、「パラダイム」(87)、「マウス・オブ・マッドネス」(94)は黙示録三部作と呼ばれています。

☆黙示録•••破滅的な状況や世界の終末などを示したもののこと。(コトバンクより抜粋)

◇廃墟となった教会の地下にある謎の円柱。その円柱の内部では緑色の謎の液体が渦を巻いている。ルーミス司祭はこの円柱の調査をバイラック教授と彼が受け持つ大学院生たちに依頼する。物理学や原子理論、量子力学など様々な観点で調査を進める学生たち。そして古文書の解読によってその緑色の液体が何千年もの間封印されていた邪悪な存在であることを知る…

という感じでストーリーが展開していきます。

この真ん中のが例の緑色の謎の液体です。

『様々な学問によって“悪”の存在を立証する』

というアプローチは今見ても非常に斬新です。正直なことを言うとそれらの専門用語に加えて宗教や哲学などの要素も入ってくるため内容は半分も理解できませんでした。なんでもこの作品の製作当時、カーペンター監督は物理学や原子理論を研究していたそうです。

なもんで解説や考察が必須となってくる作品です。

ちなみに脚本のマーティン•クォーターマス氏はカーペンター監督自身のペンネームです。本人は別人であることを主張しており、「仲の良い友人だったけど、アルコール中毒で業界を去った」と発言しています。

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そんなこんなで調査を続ける院生たちでしたが、悪夢ばかり見るわ、外からは大勢のホームレスがこちらを眺めてるわで徐々に精神的にも参ってきます。そしてついには邪悪な存在によって操られたホームレスが学生の一人を殺害、更には他の院生に乗り移り、一人また一人と体を乗っ取られていきます。

おそらく解説などを読まなければ上記ぐらいの理解になると思います。

ちなみにこのホームレスの一人をロックミュージシャンのアリス・クーパーが演じており、半分になった自転車で学生を串刺しにするという重要なファーストキルのシーンを担っています。

蟻、蛆、ミミズ、コガネムシなどの大量の虫や吹っ飛ぶ生首、そして痛々しく赤らんだボロボロの皮膚などひとつひとつシーンのインパクトが凄まじいです。
更には、操られた院生たちが兎にも角にも恐ろしくて、吐き出した液体を相手に飲ませることでその数を増やし、自ら首を掻っ切ったり、“何か”を受胎したりと想像を超える行動を連発します。

バイラック教授とルーミス司祭

そんな激ヤバな奴らがうろつく教会内で院生たちが戦ったり、逃げたり、時に籠城したりと予想だにしない出来事の連続を乗り越えていくというスリリングな展開は常に緊張感があり、見ているこちら側が呼吸するのを忘れてしまうほどで胃がキリキリしてしまいます。

クライマックスにおけるキャサリンの葛藤する表情からのあの行動はスピード感も相まって美しさすら覚えました。見終わった後に思わず「面白かったなぁ」と呟いていました。

この一連のくだりが本当に素晴らしいです。

『具体的に何が起こっているのかは分からないけど面白い』という薄っぺらい感想になってしまい大変恐縮ではありますが見応えは抜群ですし良作だと思います。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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