志葉九歳

しば くとせです。 小説を書きます

志葉九歳

しば くとせです。 小説を書きます

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

憧れのフォロイーと心中オフ会する話

生き損なったまま死んでいく Chapter:0 -アカウントを復活させますか?- 2021年10月某日  その日、消していたアカウントを復活させた。今回、アカウントを消していた期間は5日。持った方だ。  人間関係から逃げて、逃げて、逃げおおせて。そのくせ孤独が嫌いな僕に残された、たった一つの社会との繋がり。それがTwitterだった。そんな僕だけど定期的にアカウントを消している。きっかけは沢山あるけど、はっきりとしたものは無い。でも、そのうちTwitterが出来ない不

    • 神のいない星

      「ここは?」 「『神のいない星』さ」 「神のいない星?」 「ああ。正しくは神から見放された大地とでも言えばいいのかな」 「お前は?」 「この星に残ったたった2人の人間、その1人だよ」 「他の人間はどうした?」 「死んだよ」 「なぜ?」 「少し長くなるけどいいかな」 「ああ。時間ならある」 「この星には昔、神がいたんだ」 「神か」 「君は神を信じるか?」 「私はよく分からない。見たことがない」 「ああ、確かにそうだな。私も見た事がないよ」 「なの

      • 香りからの回顧

         トイレから部屋に戻ると、ふわっとバニラの香りがして、部屋が乾燥していたのもあってか、一人暮らしをしていた時に吸っていたタバコの匂いがして、それで思い出した。  最近喉を痛めていて、療養をしていた。その時に板チョコとポカリだけで生活していた大学休学時代を思い出した。睡眠剤で詰まる鼻、乾く口、そこに広がるチョコの味。バニラの匂い。あのころはどちらも自由だった。今は不自由だ。だけどあの頃よりも健康だ。-×-=+だ。 だからこの生活はきっと間違ってない。

        • 僕は金木犀の香りを知らない

           新年明けましておめでとうございます。  さて、年始の挨拶も早々に、読者諸兄ならば、僕が普段は箸にも棒にもかからない字書きをしていることは存じている次第だと思うが(知らなければここで知っていってもらう)、本を読んでいるとたまに、『金木犀の香りがした。』なんて一文が出てくるのだ。そんな時、知っている人間なら一瞬でどんな匂いが思い出せるのだろう。きっとそれほどまでに印象的な香りだろうから。だが、僕はそれを知らない。それがこんな邦ロックバンドの名前見たいな記事タイトルになった理由だ

        • 固定された記事

        憧れのフォロイーと心中オフ会する話

        マガジン

        • 小説
          8本
        • 日記のようなもの
          35本
        • ネタ
          3本

        記事

          散髪とアイデンティティの喪失

          髪を切った。 それまでツーブロックにして前髪も横髪も顎より下程度まで伸ばしていた髪を切った。 普段は髪を結ぶか下ろすかをしていた。結べば僕の髪は首の辺りを優しく撫でる。下ろせば頬を優しく撫ぜる。そんな髪型だった。例えるならそう、下ろした時は浮浪者やクズバンドマン、結べばおおよそ輩系の人間に見紛うこともあろうかと言うような髪型だった。 髪が長いのがアイデンティティだった。田舎に住む僕にとっては、ただそれだけがこの狭い世界に抗う術だった。それがどうだ。  今となってはそん

          散髪とアイデンティティの喪失

          『生き死に』だとか、『恋愛』だとか

           タイトル通りです。最近小説を書いてて思ったんですけど、私は基本的に人間関係が希薄で、インプットも少ないので、私生活を切り売りしながら小説を書いているんですよね。でも、そうなるとテーマが『生き死に』とか『恋愛』とかそういったものばかりになってしまって。嫌になるのでそろそろそういったものから脱却したいわけですよ。

          『生き死に』だとか、『恋愛』だとか

          希死念慮に至らない自己破滅願望

           最近よく聞くようになりましたよね、『希死念慮』とかいう言葉。蛙化現象とかと同じで前々から知って使ってたので最近流行り始めたのが少し不満な僕がいます。  それはさておき、希死念慮っていうワード、何となく火力が高い気がして、あまり使いたくないんですよね。自殺願望>希死念慮>『 』←この辺の言葉が欲しいなーと感じていて。  希死念慮を僕なりに解釈すると、『自ら死を選ぶほどでは無いけど、死ねることがあるなら死にたい』くらいの感覚です。  Wikipedia曰く、  らしいです。こ

          希死念慮に至らない自己破滅願望

          『未来の私/あたし』

          「生きていれば、必ず良いことがあるから」  目の前にいる、今にも零れそうな程に目に涙を溜めている少女に、今日だけで3回目にもなる台詞を私は言う。すると少女はふるふると首を横に振る。その所為で目からは涙が零れ出る。  私はその少女を力強く抱きしめる。  理由は、いくらでも思いつく。でももしかしたら、その子の顔をもう見ていられなかったからなのかもしれない。 「ヤだよ……もうヤだ……。誰もあたしを助けてくれない。お母さんも、先生も、みなみちゃんも」  “みなみちゃん”。そ

          『未来の私/あたし』

          23歳になって思うこと

           さて。今日という日は私、志葉九歳の誕生日というわけなのだが、もしかしたら人生で最も惨めな誕生日をすごしているかもしれないという懸念が私の脳裏を駆け巡る。何を隠そう、私は今、精神を病んで療養施設にいるのだ。ケーキもなければプレゼントもない。朝起きてLINEが2件来ていると思えば片方はサントリーという有様だ。そんなわけで私は暗い部屋で涙を流しながらこの記事を書いている。  何より、23歳にもなれば誕生日は嬉しい楽しいと言ったものではなく、去年より何も成長していない自分と向き合い

          23歳になって思うこと

          伊坂幸太郎、『逆ソクラテス』を読んで

           突然だが、読者諸兄らは『小学校の頃周りにいた、他の子より少し大人びた子』のことは覚えているだろうか。  大なり小なり、そんな子がいた記憶はあるだろう。僕はどちらかと言うとその『大人びた子』側だったかもしれない。それはさておき、この小説はそんな『少し大人びた子』と、その子と仲のいい語り手、そして『大人』である先生という構図を取った短編集である。と言ってもただの短編集ではなく、(伊坂幸太郎作品にはありがちなのだが)それぞれの短編が、オムニバスとも言えない程度に繋がりを持ってい

          伊坂幸太郎、『逆ソクラテス』を読んで

          モノクローム・ブルー・スカイ

           バシャリ。と、シャッターが閉じる。  レンズが世界を捕まえる。  その瞬間だけ、フラッシュが瞬くよりも短いそんな一瞬だけ、思い出の中の君が手を振る。  写真にも、データにも残らない。思い出の中だけの君が。  君と出会った8月のあの日も、こんな薄暗い、灰汁でも零したのかと言うほどの曇り空だった。  砂浜の上を、靡く髪を右手で押さえながら歩く君の姿は、まるでそこだけ光が差し込んでいるかのようだった。或いは、本当にそうだったのかもしれない。“僕”は思わず持っていたフィルムカメ

          モノクローム・ブルー・スカイ

          過去の自分を見つめて

           今日、6年ほど前に投稿したオリジナルの処女作をふいに思い出して調べて見たらまだネット上に残っていました。  その当時はオリジナル、しかも1万字を超える文章を書いたのが初めてで、調子に乗って投稿してしまったようです。  今みると痛くて稚拙で見るに堪えない作品ですが、文体などは今の僕に通ずるものがあって、芯はぶれていないけどしっかりと成長しているのを実感しました。  出来れば消したいですがもうログイン方法すら忘れたので叶わぬ話です。戒めとして残しておくことにします。  それ

          過去の自分を見つめて

          なにかに縋らないと生きていけない

           最近、通話アプリを引退した。誰かと話していなくても眠れるようになった。  そうすると今度は、酒が辞められなくなった。常にほろ酔いで生きていた。  酒をある程度辞められるようになったら、タバコが辞められなくなった。  何かに縋っている時は、幸せだ。しかし失うものもある。時間であったり、金であったり。  好きな言葉がある。  あちらが立てばこちらが立たずって感じだ。  それはそれとして、大学に通っていた頃、めちゃくちゃ左側の教授がいた。毎授業、事ある毎に福沢諭吉を批判し

          なにかに縋らないと生きていけない

          子供の場所、大人の時間。

           深夜徘徊にハマっている。夜の散歩と言えば聞こえはいいが(そうかな?)、ポケモンGOをしながら練り歩いて、落ち着くと近所の公園で煙草を吸っているだけ。  夜の公園、エモくて好き。子供の頃公園で遊んだ記憶なんてほとんどないけど。  小中の頃は、学区が違うところから通っていた(学校から家がめちゃくちゃ遠い)ので、友達はいても友達の家で遊ぶことすら少なかった。  思えば、今の友達いないの土壌はその頃から出来ていたのかも。クラスではムードメイカー、というかムードブレイカーだったし。

          子供の場所、大人の時間。

          本を買った。積まないようにしておきたいと考える。

           金がないのに本を買った。本を読み始めると本を読みたくなる。分からない人は分からなくてもいい感覚。まだ読んでない本があるにはあるけど、引越しのダンボールから出すのが億劫で結局読んでいない。買ったのも1,2年だ。今日、本屋に行ったらどちらも文庫版が出てた。買ってもらった本とは言え、文庫化するまで読まないなら少しもったいない気になる。『オルタネート』と『逆ソクラテス』だ。  今日買ったのはこれ

          本を買った。積まないようにしておきたいと考える。

          舌が老いていく感覚

           今年で23歳なります。酒も煙草も21歳くらいから始めました。初めはお酒も不味いし煙草もただの煙でした。でも最近は舌が老いてきて、酒も不味くないし、煙草も悪くは無いし、なんなら両方体調が良ければ美味しいくらいになってしまいました。  でも、ブラックコーヒーはまだ美味しく感じませんでした。  こういうふうに味蕾が死んでいくんだろうなと感じました。

          舌が老いていく感覚