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中国深セン教育事情

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イノベーション都市深センの発展は日本人にとって学ぶべきことが非常に多く含まれています。学校教育の教育ではなく、深セン人から学んでいきたいと思います。 また、深セン市が推進するST… もっと読む
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#中国

コロナウイルス感染拡大危機における中国の公教育におけるオンライン授業

コロナウイルス感染拡大危機における中国の公教育におけるオンライン授業

2020年3月2日より中国全土で公教育におけるオンライン授業が始まりました。2月の段階で中国全土でオンライン授業が行われているとの報道もありましたが、実際は市町村によって対応が全く異なっていました。

1月24日から30日までが国の定める春節(旧正月)の連休だったのが、2月9日まで延長され、一般企業が再開可能となったら2月10日からすぐにオンライン授業を全面的にスタートさせたのは上海の隣の江蘇省蘇

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vol.9 深センのSTEM教材「ELECFREAKS社:Smart home Kit」

vol.9 深センのSTEM教材「ELECFREAKS社:Smart home Kit」

 今回は深セン市で主にmicro:bitで使えるモジュールやキット、アクセサリーを開発、販売をしているELECFREAKS社の製品を紹介したいと思います。

 最近では、micro:bitを使ってロボットカーを作るキットや、micro:bitとモジュールを繋ぎやすくするためのコネクターなどの製品は多くの会社によって発売されています。しかし、この会社の「Smart home Kit」はこれまでのロボ

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vol.8 人工智能教育

vol.8 人工智能教育

2018年に高校生向けの人工知能教材の出版と人工知能の学習試験校として、上海の学校を中心に40校が公表され、中国の学校の新年度である9月から高校での人工知能がはじまることに驚いていたのもつかの間、今度は2019年春から小中学校での人工知能教育が始まるとの発表が2019年1月に報じられました。

中国教育部(日本の文科省)の「中小学校人工知能教育」発表会では、北京、広州、深セン、武漢、西安の5都市を

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vol.7 広州市STEM教育事情

vol.7 広州市STEM教育事情

今回は深センのお隣で同じ広東省の省都である広州市のSTEM教育に関する状況についてまとめます。

中国の教育というと中国共産党の意向で、国の決定事項をトップダウンで寸分違わぬ教育が展開されているというイメージを持ってしまうかもしれませんが、実情は全くの反対で、逆に柔軟性のあるシステムを採用しています。

中国では国全体としてのプログラミング教育やSTEM教育の必修化はまだ始まっておらず、 省、市、

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vol.3 STEM教育の背景

vol.3 STEM教育の背景

深セン市(公教育)におけるSTEM教育を理解するには、深セン市の発展を理解する必要があります(高須正和さんの『メイカーズのエコシステム』や関連するWebの記事、ブログが非常に詳しいです)。

もともと世界の工場としてスマートフォンを代表とする電子機器の製造で成長した深セン市ですが、中国独特のコピー商品の製造の温床として暗躍した歴史もあります。そのコピー商品を安価にかつスピーディー(とりあえず使える

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vol.2 マインドセット

vol.2 マインドセット

前回の「中国深セン教育事情vol.1幼児教育」では、深センにおける幼児教育は過熱しており、月5万円もの投資が行われている事実があり、そこに見えてくるのは中国における苛烈な大学受験による強迫観念だけではないということをお伝えしました。今回はそのマインドセットについてプログラミング教育を例にとってまとめたいと思います。

中国深センの状況を理解する前に、日本の現状を改めて見直すことで中国がはっきり見え

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