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2021年11月に観たライブ(Tempalay/D.A.N/ハンブレッダーズ×KALMA)

11.6 Tempalay「続・ゴーストツアー」@Zepp Nagoya

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初めてのZepp Nagoyaで初めてのTempalayワンマン。開演前から有象無象の音声や話し声のカットアップが流れ初めて、なんだかソワソワする空間。幕が開くとステージ全体に広がる巨大スクリーンが出現。ロボットが不気味に動くアニメーションによる導入によって、舞台作品かのようなステージが仕立て上がる。メンバーが登場し演奏が始まるとさらに幻惑的な映像が強化され始める。1曲目「甘蕉」の終わりに出たメンバーとスタッフクレジットがあまりにカッコ良すぎて笑ってしまった。完全に新時代のロックコンサート。

『ゴーストアルバム』の世界観を中心に、楽曲の持つポテンシャルを最大限に引き出すような映像美の数々。「EDEN」の煙と砂塵、キモカワグリーンマンが集合舞踊する「my name is GREENMAN」、「忍者ハッタリくん」での玉置周啓(MONO NO AWARE)作画アニメの素っ頓狂な動き、、そこに一貫性はないが確実にその曲の世界に引き摺り込むような洗練された映像たち。MC中はVJもメンバーのように扱われて紹介されたりもしていて、このチーム力が映像と溶け合った不思議なうごめきを作り出しているのか、と納得した。

もちろん、演奏そのものも抜群である。規模感を問わない全員の軽やかなのにトリッキーなパフォーマンス、特に小原綾斗(Vo/Gt)はロックスター的な不敵さも身に纏っててステージ映え度も爆増していた。映像ありきだと色々と制約がありそうなものの、ところどころでちゃんとはみ出してるし破壊的でもあって奔放な部分は一切薄まっていなかった。大好きな「そなちね」はライブのクライマックスを飾る1曲にまで躍進していたけど、未だにこの曲の未解明な感じで最高だ。どこまでも連れていかれそうになってドキドキした。




11.7 D.A.N. Tour2021 “Antiphase Of The Moon”@名古屋CLUB QUATTRO

D.A.N、初めてのワンマンライブ鑑賞。Tempalayもそうだけど、昨年配信で観たライブがあまりにも良くて、、という流れで行くことにした。その時はVJのオイルアートとの溶け合いで魅せていてそういうサイケ感を求めたいったのだけどいい意味で完全に裏切られた。毎回観るたびに違うことやってるなぁと思ってたけど、今のモードは言うなれば"踊り狂えるD.A.N"。頭っから既存曲のリミックス、リアレンジをばんばん投下し、フィジカルでぐいぐいブチ上げていくような爆裂ダンスミュージックバンドに化け果たしていた。

『NO MOON』もエレクトロな要素が多めだし、ラッパーの客演なども新鮮ではあったのだけど、ライブだとまた別位相の味付けを施してあった。とろける、というよりは突き上げられるような強力なビートにどんどん動きをハックされていくような気分になったし、メロディの酩酊感も相まってずっと意識と無意識の境目を彷徨うような90分間だった。不穏だし、不安な気持ちになる音も山盛りなのに、なぜだか浄化されていく気がするのが不思議だ。解脱、みたいな。宇宙的な、巨大な何かに間違いなく触れていた気がする。

ミニマルなバンドをあまり聞かない僕がなぜD.A.Nに惹かれるのか、と考えてみるとメロディの耽美さに加えて、めちゃくちゃSFの世界観の歌詞をめちゃくちゃSFスペクタクルみたいな音でやってる、という点。単純にワクワクするんだよな、聴いてて、何が迫ってくるんだ?!っていう。このツアーではメンバーに加えて小林うてなもサポートになり、皆が様々な楽器を扱っていて出る音の1つ1つがトリッキーで面白い。そのサウンドの予測不可能さが、宇宙的なモノを想起させるのだろう。野外で観て、トビまくりたい。




11.19 ハンブレッダーズ「秋のグーパンまつり2021」@名古屋BOTTOM LINE(ゲスト:KALMA)

初めてのBOTTOM LINEで1年ぶりのハンブレッダーズと初見のKALMAの対バン。でかい柱が2本立ってる会場で、ステージ全体は観れない位置だったけども、先攻KALMAの音が鳴ってしまえばあまり気にならなくなった。それくらい、でかいギターの音に飢えてたのだ。KALMAはメンバー全員2000年生まれという若さもあって好きな音楽の好きなところを詰め込み、真っ直ぐに3ピースで届ける!という基本形が実に様になっていて良かった。ただボーカル、話長すぎるぞ!楽しかったけど。あの制御できなさも若さゆえ、でしょう。

そして後攻ハンブレッダーズ。バンドセットで見るのは2020年の中止直前の列伝以来だ。もうとにかく、ずっとずっと、思い切りの良い演奏しっぱなしで最高だった。ムツムロアキラ(Vo/Gt)は、曲調にしてはかなりしっかりと聴かせる歌い方だと思うのだけど、それでも今回は溢れんばかりのエナジーが伝わってきた。「常識の範疇」や「ユアペース」といったエイトビートじゃない曲もいい起伏を生んでて1時間セットの良さ!となった。「付き合ってないけどお互いに」とかしっかりとグッときていい時間もあって温かかった。

「ワールドイズマイン」、今年出た四つ打ちの曲の中で1番良いのではないだろうか。聴いててもこりゃなんか決定的なアンセムな気がするぞ、と思っていたらライブだと完全に熱狂を一段階上に引き上げていて、曲のポテンシャルに偽りはなかった。ド派手なエレキギター、耳に残るリフ、そんでこの頼もしい歌詞、素晴らしい。アンコールラストで披露された「ライブハウスで会おうぜ」が、また必ず会うための約束として響いたのも嬉しかった。まためいっぱいシンガロングできる時期になって、絶対に見に行きたいバンド。


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