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整形と幸せと孤独

わたしの人生は破天荒だ。


こんなに落ち着かない人生を送っている人はそんなに多くないのでは?と思うことが多い。


2月に骨切りの大掛かりな手術をすることを決めた昨年末から一転、手術日を予約し仮押さえした状態だったが、今年に入ってキャンセルした。


そのきっかけとなったのが、あるクリニックのカウンセリングだった。


骨切り界隈では超有名医師のトップ層を争う先生のカウンセリングを昨年から予約しており、今年に入りやっと見て貰えたのである。


わたしは、そのカウンセリング30分の中で、大きな自己認知の歪みに気付かされた。というか、今まで気づかないフリをしていたことを全て見破られたという表現のほうが近い。

骨切り希望で、予算は問わないから最大限に良くしたい、顔の印象を変えたい、と伝えた上でのカウンセリング。

先生の第一声は、「あなたは骨を切る必要はない」だった。わたしは衝撃的すぎて正直気が動転しそうになった。脳内パニックになり、暫く思考が停止した。

それから、先生はズバズバとした鋭い指摘と、わかりやすい説明でわたしの考えを変えていった。

今までのわたしは、とにかく骨を切りたい、骨を切ることで整形のスタートラインに立てる、骨からだめだから軟部組織を変えても意味が無いと思っていた。

だから、下顔面の骨切りはマストで、たるんだ皮膚を治すために切開リフトも眉下切開もやらなければならないと決めきってカウンセリングに臨んでいた。

しかし、先生は、わたしの顔を見て、可愛いから治す必要がない。骨が小さいから治しても差程変化を出せない。正直、軟部組織の施術のほうが効果が出やすいと言った。

今まで受けてきた多くのカウンセリングで、そんなことを言われたことがなかったので、言われたことをその場でなかなか受け入れられなかった。
でも、先生の例え話や断言口調から、嘘偽りのない内容であることはわかった。患者に対する真摯な向き合い方って、本当に大切だなぁと改めて感じた。


わたしが整形依存なことも見抜かれたし、そこまで自己評価が低い訳もきっと先生にはバレていた気がする。高額な費用のかかる整形を本気でやろうと決意している人しか行かないようなクリニックなだけあって、その手術が適応かどうかの判断はとても早かった。

きっと、あなたは骨切りしてもそんなに変わらないし、術後の顔に満足できない。次はたるみがもっと気になる。今はあなたが、思っているほどたるんでないから大丈夫と、不安な点についてもしっかり説明してもらえた。

1度決めた大掛かりな手術はキャンセルしたが、骨切り自体はする。それは揺らがない。でも、もう一度考え直した上で、納得のいく手術をしようと決めた。

そんなことを考えながら、わたしはなぜそこまで整形にこだわるのか、顔への執着が手放せないのか、自問した。

それはきっと孤独だから。


わたしは毎日連絡を取るような相手はいないし、休みの日に遊ぶ友達もいない、定期的にやり取りする人もいなければ、暇な時に誘える人も、一緒に何かしたい人もいない。


ずっと自分1人だから、自分のことしか気にできない。他人について考える余地もないくらい、自分の人生で手一杯。とにかく、顔が気持ち悪い、変えたい、この顔で生きたくない、という気持ちが先行するから、心に誰かを入れる隙がないのだ。

今年は25歳になる年で、大学の同級生や同世代の知人がどんどんと結婚していく中、嫌でも結婚や出産を意識させられる年齢となってしまった。

25年も生きてきて、わたしにはまともな彼氏1人すらいない。推し以外の誰かをしっかり好きになれたこともない。推し以外の誰かと共に生きたいと思ったことがない。

そんな自分が異常で、おかしくて、欠落しているような気がしてならなかった。かといって、彼氏が欲しいわけでも、結婚したいわけでも、家族が欲しいとも思わない。むしろ、ずっと1人で自由に生きていたい。何にも縛られず、自分の好きなことをしていたい。

ただ、異端な存在として世間から阻まれるような人間になってしまったことが悲しいだけで、自分の破天荒な人生は最高に面白い。

25歳になる年だが、今年の春から大きく環境を変えてみることを決めた。

今回は占いに頼らず、自分がやりたいと思うことに本気で向き合う決断をした。

おそらく、これが初めての占い以外で決めた大きな決断で、昨年末から動き出し漸く今日、次の道が決まった。


今1番欲しいものは何か、そう聞かれたらわたしは迷わず、「社会的地位」と答える。


この「社会的地位」を得るために、起業して法人化するという長年の目標を達成したい。そのために、春から厳しい場所に身を置き目標達成に向けて事業に取り組んでいく。


ここまで、整形と仕事に関する決断をしてきたわたしだが、その中で自分にとって何が幸せなのかも考えた。


・顔を変えること
・事業を成功させること

この2つは10代の頃から意識していた目標だったので、これらを叶えることは自分の幸せに大きく近づくはず。でも、まだ足りない。


顔を変えて、起業して、何をしたいのか?

そう問われると答えられない。

異性にモテたいとか、豊かな暮らしをしたいとか、そういうわかりやすい願望ではないからだ。


でも、きっとわたしは認められたいんだと思う。

ふわっとした回答にはなるが、人から認められ、最終的に自分を受け入れたい。

自己否定ばかりの人生で、自己肯定感皆無の超絶根暗陰キャで世間から浮きまくりな自分だからこそ、こんな人間でも社会的地位を得られる、必要とされる、認めてもらえる、と自分に示したい。

そうすることでしか、自分を受け入れられないような気がするからだ。自分が過去にしてきたことや、失敗した経験を浄化して、綺麗にしたい。


誰も予測できない破天荒人生をゲーム感覚で楽しめるようになったので、わたしは孤独も怖くない。寂しいから彼氏や友達が欲しいなんて思わない。孤独こそ自由であり、自由こそ孤独だから。

自分らしく自由に生きられたらそれでいい。
それを邪魔してくる人間は、わたしに必要ない。
むしろ、関わらないでほしい。

少しずつだけど、自分の破天荒人生を認めていけそうな気がする。