記事一覧
『スペースロマンサー』第26話 食料危機
物資ロケットの回収ができなかったことで食料の補給ができず、当初積込んだ物資も底を突きつつある中、飢餓の危険が生じていた。
「もっと節約をするべきだった」
今更過ぎたことを言ってもしかたがないことは分かっていた。
だが、それでも空腹により血糖値が低下しており、腹が立ちやすくなっていた。
結果として、ノヴァの発言は暗にジローを責めるような発言になってしまっていた。
「ノヴァさんが食べすぎなん
『スペースロマンサー』第25話 補給地点
「最初のピックアップポイントに到着しました」
ローバーのコンソールから無機質な声色でコンピュータが目的地への到着を告げる。現在もイブとの通信は途切れたままだった。
ローバーを停車させ、順番に降りる二人。
腕のガジェットから映し出される地図を確かめてみる。
「追跡装置が落下場所を知らせてくれるはずなんだが・・・・、信号が送られてきてないみたいだ」
画面に表示されるマップを拡大したり、縮小
『スペースロマンサー』第23話 旅路の途中
二人が出発してから2日ほどが経過した頃、彼らの周囲は変わらぬ荒涼とした地表が広がり続けていた。
地平線の彼方まで何もない荒れ地が広がり、風は冷たく、砂埃が舞う音だけが響いていた。
しかし、地上の過酷な風景とは対照的に、上空には異なる光景が広がっていた。
天空に広がる夜空は鮮やかなルビー色の輝きを放っていたのだ。
この星の大気は地球のそれとは異なり、赤外線を多く含む恒星からの光が、大気中の
『スペースロマンサー』第21話 性分(さが)
倉庫にて水と食料、酸素ボンベの仕分け作業を行った二人。
「よし、これでミッションに必要な分の食料は確保できた。
あとは、水と空気・・・、おい!つまみ食いをするな!」
後ろで作業していたはずのジローを振り返るとその周りには食べ物を包んでいた包装紙がいくつも散乱しており、すでに多くの食料が消費されたことがわかる。
「デェス?」
ジローのすっとぼけ具合に、流砂の穴に戻したくなるノヴァだった。
そん
『スペースロマンサー』第20話 物資問題
ノヴァは船外活動用のスーツを身に着けた後、ジローとともに探索の準備のために倉庫へ向かった。
倉庫は船の最後部エリアに配置されており、最前部に位置するコクピットエリアからだと移動に数分を要する。
「探索はどのくらいの時間がかかる?」
倉庫に向かう道中でノヴァがイブに計算を依頼する。
船の中ではどこにいてもイブとやり取りをすることが可能だった。
「ここから半径2000kmのエリア内の複数のポイ
『スペースロマンサー』第11話 流れ星
〈不時着して2日目の夜〉
「ここの夜空もいいねぇ」
と夜に瞬く星を眺めながらつぶやくノヴァ
「この星は比較的大気が薄いため、空が暗く、星の輝きが強調されています。」
「それぞれの星のそれぞれの夜か。それこそロマンだよ・・、ん?」
その瞬間、空の輝きの中で一つの光が異常な速さで膨張を始めるているのをノヴァは見つけた。
よく見てみると、何かがこの星に向かって落下しているようだった。
その物体は