文化観光高付加価値化リサーチチーム「session」
地域の文化資源の価値を高め広げていくためには、地域の内側の人々の熱量が不可欠だ。文化や産業への愛着と、存続に対する危機感、地域文化を繋げ広めたいという思い、生まれ育った地域を一度出て改めて気づく魅力。情熱に火が付くきっかけはさまざまだ。熱量は共感を呼び、さらに高まり、価値観に共鳴した人々の繋がりは、地域の内外を問わずネットワーク化して広がっていく。 また文化観光における関係性とは観光地と観光客といった主客の関係ではなく、文化を中心とした地域内部と外部の相互交流だ。カテゴリーによらない、地域文化に愛を持って主体的に関わる外部者のことを「関わり人口」と定義する。関わり人口としての地域との関係性は、人や地域によって異なり、多種多様であることが重要だ。
「ランドスケープ・空間」は、自然の営み、人々の暮らしや価値観の集積である。そこでしか体験できない地域ならではの自然や街並み、建物・空間があるからこそ、人々はその地域を訪れる。そして、長い年月をかけて積み重ねられてきた大切な風景は、現代を生きる人々が意志を持って守っていかなければ未来に継いでいくことはできない。街並みや建物をハードとして残すだけなく、活用を促進し文化や営みと共に更新しつづけることが重要だ。
日本の地域それぞれに地域ならではの固有な文化が存在する。地域固有の文化は長い歴史を持つ文化財から、今を生きる人々の日常の生活文化まで幅広くさまざまだ。それらを市場価値に合わせて変えたり付け加えたりするのではなく、そのままで光っている地域に固有な文化の本質を正しく捉え、新し い価値へと転換する多様な “まなざし” が重要だ。
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