アートが生まれるまで。

今日、障害のある彼(支援学校中等部1年生)が、ここまで絵を描くことが上達したのは、彼が絵を描くことの努力と絵を描くことが好きになったからだと思えます。
少しの時間があれば絵を描きたいと言ってくれます。

当初、鉛筆を持つことも満足にできませんでした。その上、モノを観るという力も乏しかったです。
そんな彼に物凄く単純な「あみだくじ」を行い、目標とするものにたどり着くには、2本の線のどちらを選ぶか?といった具合で観る力を育てました。
その後、絵本を見せて、そこに使われている色を引き出す訓練を何度もしました。
その結果、簡単な絵を描くことを始めました。そしてその描いた絵に対し、周りのスタッフに褒められたことから、絵を上手く描くと褒められ、嬉しい気分になるといった自覚が芽生えました。
また、鉛筆の持ち方も作業療法士委ねることなく、彼自身が気づきフレキシブルに対応ができるようになりました。
そういった繰り返しが今日の絵の反映され、彼自身、アートに対する心の表れだといっても過言ではないです。

アートを通じて育まれる心には、さまざまな側面があります。以下にその主要な点を挙げます。

▫️創造力と想像力
アート活動は子どもに自分のアイデアを自由に表現する場を提供し、創造力や想像力を育みます。これは問題解決能力や新しい視点を持つ力にもつながります。

▫️感情表現と自己理解
アートは感情を表現する手段として機能します。子どもは自分の感じていることや考えていることを絵や工作を通じて表現し、自己理解を深めることができます。

▫️集中力と忍耐力
絵を描いたり、工作をしたりする過程では、細かい作業や長時間の集中が求められます。これにより、集中力や忍耐力が養われます。

▫️自信と達成感
完成した作品を見て満足感や達成感を得ることができます。これが自信を育むと同時に、自己評価や自己肯定感を高める助けとなります。

▫️観察力と注意力
アート活動は対象物をよく観察し、その特徴を捉える力を養います。これは観察力や注意力の向上に寄与します。

▫️問題解決能力と批判的思考
アート活動では、計画を立てて実行する過程や予期せぬ問題に対処する必要があります。これが問題解決能力や批判的思考を鍛えることに繋がります。

▫️社会性とコミュニケーション能力
グループでのアート活動や作品の発表を通じて、他者と協力したり意見交換をする機会が増えます。これにより社会性やコミュニケーション能力が育まれます。

▫️美意識と文化理解
アートを通じて美に対する感覚や多様な文化への理解が深まります。これは豊かな感性や広い視野を持つことに繋がります。

▫️ストレスの解消とリラクゼーション
アート活動はストレス解消やリラクゼーションの手段としても有効です。創作する過程でリラックスし、心の安定を得ることができます。

アート活動は単なる娯楽ではなく、子どもの心の成長や発達に重要な役割を果たします。豊かな創造性や感受性、社会性など、さまざまな能力を総合的に育むことができます。

僕自身の教育は、教え込むことではなく、自らが気づくことを大前提としています。
日常の何でもないことから気づきは、生まれます。そのことを大切にしています。

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