好きになれない才能ならば

前回の「友達レーダー」という記事を書いてから本当に30分後ぐらいに、その悩みの矛先である相手から

「自分の気持ちがはっきりしました。ララさんのことがめちゃめちゃ好きです!彼女になってほしいです」

とメッセージが届き
悲しくなってしまった。

そうなんですか??ありがとうございます。嬉しいですが一体私のどこに好きになっていただける要素があるのでしょうか。自分のことが好きになれないことがあるので好きになってもらえるのが不思議です。

私もTさんと話していて楽しいですよ!ただ正直恋愛としての好きの感情はまだ抱けていないかもしれず決断ができません…ごめんなさい。というより私は少しおかしいのか、恋愛がなくても大丈夫なタイプかもしれません。
とはいえもう少しお互いのことを知ってからであれば(恋愛として進むかについて)考えられるかもしれないと思っていましたが、今その話をするのはキープのようでずるいので私のことは気にせず進んでください

的な厨二返信を書いてしまったような気がする。

厨二だとは思うが全く嘘はついておらず正直な気持ちだった。
これがアラフォー女とは自分でも信じがたい。

なんでいつもこうやって、好きになってくれる人を遠ざけてしまうんだか。

35歳過ぎてからは自分から好きになれてその想いが叶った、つまり両想いになれたことは1、2例しかないと思う(なぜ含みがあるのか)。

スペックとかは正直なんでもいいのです。
年収?自分でもある程度の収入はおそらくあるし、
バツイチでも婚姻歴なしでもどちらでも(私が言えることではない)。
仕事も私生活も法に触れそうなことをしていなければ。
身長も特に気にしない(160以下の方と付き合ったこともある。ただどうしても弟のように感じてしまう例はあるかもしれない。恋愛感情を抱けるかそうじゃないかは最終的に身長ではないとは思いますが)。

今回告白してくださった方はおそらく世間的には高スペックの部類だと思う。
身長は180前後、年収も私の倍はゆうにありそうであった。
バツイチではあるが物腰柔らか。
おしゃれで清潔感もあり細身の体型。ちなみに毛量も多く白髪などもなかった(ケアしているのかもしれない)。くしゃっとしたスタイリングと頭のシルエットが素敵だった。
キャリアもあり共通の趣味もあり、話していると楽しかったのも本当。
頭の中では「いいかもしれない」と考えていた。
たぶん同世代の婚活市場では人気が出るであろうタイプ、婚活中の女性ならほとんどの方がOKを出すのではないか。

しかしそれでも好きになれない。

恋愛感情が抱けない。

手を繋ぎたいと、まず思えなかった。
だから繋ぐことも触れることも一度もなかった。

何度も会っても思えないということは、
今後も急に繋ぎたくなる見込みは皆無だろう。

手を繋ぎたくない(ハッキリ言ってしまっている)ということは、その先もない。いろははない。いろはは消滅した。

恋愛ステップのイメージもずっと厨二なわけだが、カマトトぶってんじゃないよという懐かしい言葉がつい出てしまうが 根本がこうなのだから仕方がない。
自分が奥手だとは思っていないし結婚していないから遊んでも咎められることはないでしょうと思っているぐらいには正しくないやつだけど、それでも付き合うとき、その先に行きたいと思う基準っていつも

「まず手を繋ぎたくなるかどうか」

ここ。


恋愛「感情」ではなく「感覚」じゃないかよ、と自分で突っ込んでしまうけどね。
感覚で恋をしていたいのか、私はいくつになっても。


1〜2年前に親しかった素敵な方も、どう考えても高スペックの方だったし性格も素晴らしくビジュアルも全く嫌じゃなかったのに
手を繋ぎたいと思えなかった。
いつしか連絡を返せなくなった。

何度か会ってドライブをして、そのまま本人のマンションに行く流れになりそうだったときも苦しい理由をつけて「エントランスで待ってますからその後ごはんいきましょう」と交わした。
部屋の中に入ることだけは避けなければと思った。
デートらしき誘いには乗るのに
とんでもない女だと思う。


「それ以外」はなんの問題もなかったのに。
触れたいと思えるか。
それだけが。

それを毎回クリアできれば、私はもっと気軽に人と付き合ったり結婚してみようと思ったりしたのだろうか。

いや、何回も出かけていればそういう気持ちになれるかもしれないと期待したから「何度かは会ってみた」んだよね。前回も今回も。

でも無理だった。初回でそう思わないということは、もうその後もないのかな。

悲しい。

好きになれない、触れたいと思えない才能なんて別になくていいのに。

いや、聖人君子ではない。
カマトトでもなく、誰に対しても触れたいと思えないわけではなく。
あくまで「せっかく自分を好きになってくれた稀有な方」が対象ね。

触れたいと思う相手はいたし、いる。
でもたいていその人は「触れてはいけない人」。
好きになってもらえない相手だった。


結婚や出産、育児経験をまずゴールとしている場合は「触れたいとかそういう基準じゃない」のかな。
とにかく進めるために感情はなくても、いや、ある程度のメーターがあればそこで手を打つ(言い方)。
嫌いじゃなければできるでしょうということかもしれない。

私はそうじゃなかったみたい。手を繋ぎたくないと思う相手であっても「もう今後チャンスはないかもしれないから」とその先の未来を得るために付き合ってプロポーズされるように努力をしてなんとか結婚をしたら妊活もして妻として夫のご両親への気遣いを忘れずご近所付き合いもしっかりして貯金もして投資もしつつ家を買いエトセトラエトセトラ

無理ーーーーッ

無理なのはこんな冷たい思考の自分なんだけど、とにかく相手に対しても申し訳なさすぎるしそんな関係は歪んでいる。
いろいろ書き連ねて、たとえ今は手を繋ぎたくなくても「いつかは大丈夫かもしれない」とお付き合いをして奇跡的に結婚出産という体験をした場合、自分の多くの時間と愛情を子どもと夫であるその方に注ぐのだろうなとはぼんやりと確かに想像できたから根っからの極悪ではないかもしれない。一度家族になればその絆は特別ということが、なんとなく見えた。いやただのやばい未経験者の妄想だけれども。


そのうえ今は多様性ってやつもあるでしょ?
自分は昔から「こう」なのに世の中が追いついてくださり、このような有様でも割と生きやすいのもね。

「あいつはおかしい」「どう考えてもアラフォー独身なら告白されたら受けるべき。もう次のチャンスなんてないかもしれないのにいつまで自分が選べる立場でいると調子に乗っているんだか…やれやれ…」などと全然言われずそっとしておいていただける過ごしやすい世界だから、好きになってくれる人を好きになれなくてもまあいいし当然だよねと落ち込むこともなく普通の暮らしに戻ってしまう。

よくないのかなあ。あほみたいかなあ。
でも自分に全く嘘はついていない。
悲しいことかもしれないけれど私は私に対してクリーンでいたいのだと思う。
自分を俯瞰している正直者の自分がいて、その人を裏切ることが嫌いなのだろう。
その正直者の自分との付き合いと対話が人生において高いプライオリティを占めて、維持し続けているのだろう。

ここで言うクリーンとは正直という意味なのがまたやっかいだ。
たとえ横道に逸れそうになったり邪な感情を抱いても「自分に嘘はついていない」
この基準が守れていればクリーンであるということでもある。多分。
だから私に完全な正しさを期待してはいけないが、かと言って不毛な恋愛をエンジョイできる自信はないので劇的に何かが変わることはないだろう。

正直ついでに記すと、触れたいかどうかの基準は当たり前だけどスペックも年収も全く意味をなさない。
私の付き合う基準がそもそも「手を繋ぎたいと思えるか(思えなければどんなに他の要素が素晴らしくても発展しない)」なので、
世間の恋活婚活基準とは本当に本当にかけ離れていることを思い知った。

見た目の雰囲気や声やにおい、温度(想像でも)、
その人の持っている空気が好きかどうかだと思う。
纏っている空気がいやじゃなければ触れたいと思う。
世間的にはそれはワンナイトやら遊びやらに換算されるレーダーかもしれないが、私はまじめなので大丈夫(?)。

私が仮に今後誰かと付き合ったり結婚したりその先があったりした場合も
やはりこの基準だけは崩さずにいたい。

会いたいってことは触れたいってこと、でしょ。
「今後発展するかもしれないから、告白してくれるかもしれないから、私さえその気になれれば解決するからなるべく会おう」と頭で考えて誰かと会うのはもうやめるわ。
相手の方の時間も奪ってしまわないように。


これが今のリアルで正直な気持ち。
ドン引きされるかもしれないけれど、悲しい悲しい言ってはいるが私自身はとても元気だし大切な存在(動物や家族や友人)がいてくれるし、仕事も楽しいし今が現時点での最高だと思っています。

これ以上何かを望むことも正直おこがましいとすら思うけど、かといって恋や人が嫌いなわけではない。
人を好きになりたい好きになってほしい気持ちは消えていない。欲張りなのだろうな。

いま自分は恋愛や結婚に対してどんなことを思っているのか、どうなっていきたいのか、何を大事にしたいのか。
現状を客観視したくてノープランでnoteに書き綴ってみた。
推敲もせず投稿することにする。
後から見返したら呆れてしまうかも。
まあそれも自分か。

恋愛や人を想える才能がない代わりに何か他の分野で驚くほどの才能を発揮したりしないのかな。
それならそれで誰かの役に立てるから嬉しいと、少し思った。





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