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"教育系" note まとめ

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"教育系" noteのまとめです。
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2020年8月の記事一覧

大学院進学と指導教員

大学院生の最強の味方は指導教員である。しかし,皮肉なことに,指導教員が最大の敵になることも,ままある。「馬鹿な大将,敵より怖い」と言うではないか。 このコラムを読めば,指導教員を選ぶ,という視座が,大学院進学において極めて重要であることがわかるはずである。これから大学院(特に筆者が想定するのはいわゆる人文系と呼ばれる分野の大学院)に進学しようと考えている者にぜひ読んで欲しい。また,自身が誰かの指導教員であるという研究者も,自問自答しながら読んでみて欲しい。 なお,私自身は

思想家はいかなる時代を生きたのか

「思想史を教える・学ぶ」って難しいよなぁ、という備忘録的な話です。 先月、とある学校の教員採用選考を受けました。当然模擬授業もあったのですが、何とそのテーマが「環境倫理」。環境倫理は今まで回避してきたテーマだったので(上手く題材を選んでコーディネートしないと「地球に優しくしましょう」みたいなお仕着せの授業で終わってしまいかねない)、覚悟を決めてこの機会に少し勉強してることにしました。 その過程で知ったのが、ハンス・ヨナス(1903~93)という思想家の「未来倫理」という考え

脳科学・神経科学入門ガイド

(最終更新:2023年5月) こんにちは、東京大学医学部を卒業後、医師かつ脳神経科学の研究をしている紺野大地と申します。 私が脳科学・神経科学に興味を持ったのは2010年頃(大学1,2年生)、真剣に研究を志したのは2016年(初期研修医2年目)のことでした。 本noteでは、過去の私のように「なんとなく脳科学・神経科学に興味がある人」が「しっかり学問として学ぶまで」(そして、その後研究を始めるまで)にどのようなステップを踏めば良いのかについて、当時知っておきたかったなと

オンライン狂騒曲から交響曲へ─学生と安心した学びを確保するために─

長く苦しいオンライン授業の3ヶ月でした。 最後の日は,ほんとうに学生と喝采を上げたいくらいの気持ちで終えました。   5月開始当初,長い休校期間(特に1年生は長かったと思う)から開けて,「オンラインであっても授業が受けられる喜び」のようなものを学生たちからも感じていて,「慣れてないけどなんとかやっていこう」という期待と希望がそこにはありました。 ところが6月に入ったころから,学生の背負う空気に変化が見られるようになりました。数々の授業で「課題がどんどん出される」「急に成績

「#noteフェス」セッションのゲストってどんな人?(4)ヨビノリたくみさん✖️吉村総一郎さん

こんにちは。「#noteフェス」サポーターの猫野サラです。 9月初旬に4日間行われる「noteクリエイターフェスティバル」。料理家、漫画家、経営者など、各界で活躍する人をゲストに招き、オンラインで二人トークをするイベントです。視聴はすべて無料。 noteフェスのサポーターは100人います。そのうちの一人、フクイチさんが、野外音楽フェスみたいなタイムテーブルを作ってくれました。 そう。こんな感じで4日間、19時〜22時の間に、毎日トークセッションが行われます。 (フクイチ

牛乳パックの紙工作

以前よりTwitterで希望があったA4用紙で出来る牛乳パック工作がようやく出来上がったので、データを配布します。 以下の注意事項に同意してご利用ください。 ●個人で楽しむ為のものです。これを使って商品を作ったり、お金のやり取りが発生するものへの利用はご遠慮ください。 ●使われているイラストもお金が発生するなどの利用はご遠慮ください。 ●出来上がった物をSNS等でアップは大歓迎です。ついでにこの記事や「亀山鶴子」作というのも書き加えてもらえたらとっても嬉しいです。ハッシュ

フレネ教育―南フランスの片田舎ヴァンス発祥の教育法-

 南フランスで生まれた、フレネ教育という教育法を御存じでしょうか。 フレネ教育とは、フランスの教育者セレスタン・フレネ氏の、「子供も社会の一員として尊重され、責任を果たしながら自分のなすべきことに向かって生活をつくっていく」という理念に基き、子どもの主体性を伸ばすことに重きを置いた教育法です。  フレネ教育は、日本で行われている伝統的な詰込み教育とは大きく異なり、子供が一人ひとり「考えて行動する」ことを最も大切にしています。そのため、教師による一斉指導、一律の教材や時間割

いてもいなくてもよくなることについて:中森弘樹・福尾匠・黒嵜想鼎談

「あなたがいてくれるだけでいい」。 「あなたが」に力点を置けばこの「あなた」の存在がまるごと肯定されているように読めるし、「いてくれるだけで」に力点を置けばそれが誰かに関わらずとにかく誰かがそこに「いる」ことが大切なのだと読めます。いずれにせよ、たんに「いる」だけのことが「くれる/あげる」といった、行為としての価値をもつのは考えてみれば不思議なことです。こうした価値は実際のところ社会のなかでどのように機能しているのでしょうか。あるいは反対に、「いるだけでいい」ということがなお

Peatix創業者が考える、教育を変えるためのアイデア。「学びを変える」を仕事にした竹村詠美さんに聞く。

なかなか変化しない…と言われる教育業界。それは、異業種からの参入が少ないことも要因の1つかもしれません。 全くの異業種から教育業界に飛び込み、これまでになかった新たな風を吹かせているのが、シリアルアントレプレナーの竹村詠美さん。ウェブサービス「Peatix.com」の創業後、現在は「Learn by Creation」など、創造的な学びを日本に広めていくムーブメントづくりを精力的に行っています。 教育業界へと転身したきっかけや、日本の教育現場が抱える課題をどう感じているか

【育児】絵本がゲームより素晴らしい理由を国語科教師が語る

この記事は、 端的に言うと、「読書」を勧める記事です。 ・どうして読書がいいの? ・どのように読書に興味を持たせるの? ・どんな本を選べばいいの? といった疑問・お悩みに答えながら進めていきます。 1.どうして読書がいいの?  読書のメリットは複数あります。  すべて書くと長くなるので、3つに絞ります。  ★★★★読書のメリット①★★★★  頭が良くなる。    東大生の親に行われたあるアンケートでは、どの親も共通して「子どもの頃にさせていた」のは「読み聞かせ」で

先生に「お前に第一志望は無理だから諦めろ」と言われてから、第一志望に現役合格した効率的な勉強法のすべて。

たったの3か月で 正しい勉強法を実践して 第一志望合格をつかみたい 受験生のあなたへ あなたは本当に”正しい” 勉強法ができていますか? もし自信をもって「私が今やってる勉強法は完璧だ!」と答えられないのなら、続きを読んでください。 そして、できれば勉強時間は減らして、合格率はギリギリまで高めて、第一志望校にサクッと合格して、両親や友人に「すごいね!」と称賛の目を向けられたいですか? え? 恋愛、部活との両立もしたい?忙しい学校生活の合間で成績をグングン伸ばしていき

有料
1,480〜
割引あり

この夏最強の一冊!戸田山和久『教養の書』筑摩書房

戸田山和久(2020)『教養の書』筑摩書房は、 私の読書の夏の期間中最強本になるでしょう。なぜ最強かって、それは読んでからのお楽しみなのだが、教養の幅広さを正面から受け止めた本書は、 「知識、知識+α=教養、人間の認知の歪み、学問の歴史、論理学、文章作成術、大学の歴史とあり方など…」をカバーしている。まさに学生のためのバイブルなのだ。 回りくどい感はあれど、それも狙いの上だと思えば素晴らしく良く書けていて、はっきりいって感動的。「高校3年生~大学1年生」の期間にこの本を読むチ

大学で一番力をいれるべきなのは「勉強」である

大学は勉強をする場所である。当たり前すぎるほど当たり前のことだが、私は一に遊び二にバイト、単位なにそれおいしいの?いう調子で大学生活を送った元気な不良大学生であった。そもそも田舎の高校生だった私は受験の時点で「学位」の概念を持ち合わせておらず、偏差値と照らし合わせて入学できるかどうかで大学を選んだと言っても過言ではない。 大学で勉強する意味もよく理解していなかったし、大卒の資格を得ることによって就職の幅が広がることと4年間の自由な時間が買えるくらいにしか思っていなかった。大学

この割れ切った世界の片隅で を読んでくださったすべての方へ

投稿からまだ丸1日もたっていないうちにこんなにたくさんの方に読んでいただけて、本当に嬉しいです。貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。 記事を書こうと思ったきっかけは、本当に些細なことでした。英単語を覚えていると、手元の赤シートの色の鮮烈さにある記憶がよみがえって来たのです。 男の子が赤シートを得意げに小学校に持ってきました。 「なんに使うと?」「赤ペンが消えるとばい!」「へー!すごか!」 「ほかに使えんとかな?」みんなで赤いものを探して教室をぐるぐる。