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2021年12月の記事一覧
『フーコーの風向き: 近代国家の系譜学』 重田 園江 (著) タイトルと装丁はエッセイ集みたいだけれど中身は弩級の論文集です。フーコー思想の全体像、テーマのつながりがえらく、分かりやすい。しかも、コロナのことも入管や学校のいじめや校則や、維新や大阪のことも、失われた三十年も、中国のテニス選手のことまで、くっきりと理解できてくる。すごい本でした。
『フーコーの風向き: 近代国家の系譜学』 2020/8/27 重田 園江 (著) Amazon内容紹介「生命、健康、安全などを理由として立ち現れ、その相貌を自在に変えてきた近代国家。人びとの生や死に巧みに介入し、私たちの思考を知らぬ間に取り囲む権力の所作を、フーコーはいかに描き出したのか。知と権力、認識と実践、法と規律、リスク、戦争の政治言説、統治性、新自由主義。主要な諸概念を手がかりに、歴史や論理に深く分け入り、時代の逆風に立ち向かった思想家の軌跡を追う。」 ここから