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魔法にかけられたい大人のディズニーランド
大型バスから一歩出て、足を地に着けた瞬間、ぴりぴりとした不思議な感覚が身を包む。
緊張のような、ワクワクのような、夢の世界ならではの刺激が足先から頭のてっぺんまでスッと通り抜けて、わたしは思わず息を吐いた。
一歩踏み入れた瞬間、今日が楽しい1日になることを確信させてくれる。
"魔法にかかる"とは、まさに、このことだ。
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今年で40周年を迎えるという人生の大先輩であり、幼少期の頃から幾度もお世話になっている東京ディズニーランド。
キラキラした世界に足を踏み入れたのは、たぶん4年ぶり。学生の頃なんかは、1年間のうちに10回以上もランドとシーを交互に行くような、年パスを買ったほうが確実にお得な日々を過ごしていたというのに、社会に出てからはめっきり行く機会が減ってしまっていた。
いつの間に4年という月日が経っていたことに驚きつつも、いつ行っても、そして年齢をいくつ重ねようとも、変わらず"そこ"でキラキラと輝き続けてくれている安心感に「感謝」の感情が溢れ出てくる。
進化しながらも、当たり前のように"そこ"に居続けてくれるとは、本当に素敵なことだ。
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スパンコールめらめらのカチューシャをつけて、本日も調子に乗りながらランド中を練り歩く。
値段も見ずに食欲をかき立てられたフードにかぶりついたり、行きゆく知らない人と手を振りあっちゃったり、完全にお調子者。
だけれど、ある意味で、日頃押さえていたじぶんの欲望が解放されたような自由さもある。これもまた、ディズニーがかける魔法の片鱗なのだろうか。
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写真に撮っていないけれど、さらにポテトフライもいただいた。
なんでもない普通のポテトであるはずなのに、ディズニーという特別な空間で食べるだけで、なんだかとてつもない贅沢をしている気分になるから不思議だ。
むしろ"ディズニーに来ているくせに、どこでも食べられるポテトを食べる"という状況がすでにもう贅沢。
ディズニーという「特別感」と、ポテトという「チープさ」のギャップが、わたしのなかの優越感をすこぶるくすぐるのだ。
だからこそ、「ポテトにくわえてチキンナゲットも食べてさらなる優越感の境地へ身を委ねたい……!」と、期待に身を揺らしていたのだけれど、一緒に行った友だちがメニュー表を眺めながら「お腹いっぱいでもう食べられないね🥺」なんて言うものだから、優越感の境地は一瞬にして"食いしん坊の境地"に成り果てて、「だよねー」と忖度して注文できなかったことが悔やまれる。
ディズニーの魔法にかけられて自由を手にしたはずなのに、とつぜん忖度してしまったじぶんの小ささを感じて、なぜかチキンナゲットを前に少し落ち込んだ。
しかし、そんな気持ちも、アトラクションに乗れば吹っ飛ぶもの。なかでも、ちっぽけなじぶんを愛そうと心を動かしてくれるイッツ・ア・スモールワールドは格別だ。
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しかも順番待ちしている間、うしろにいた小さな女の子が「このアトラクションって、せ〜かい〜はぁ、せ〜かい〜ってやつだよね!」と話していて、足から崩れ落ちそうなほど癒やされた。正解、もう大正解。
ーーと、ディズニーランドは、結局わたしたちを楽しませてくれるからスゴイ。
これまで両手では足りないほどディズニーに遊びには来ているけれど、大人になった今でも、何度だって、魔法にかけられたいと思ってしまう。
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また、魔法をかけてね。
by セカイハルカ
画像:shinsukesugieさん(可愛い!)
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