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カッコつけないことが強みとなる。J1初昇格の町田が初戦から3戦無敗。反転速攻。ロングスロー。派手さはなくても、愚直な戦いぶりが好結果を生む

カッコつけないことが強みとなる。J1に初昇格した町田ゼルビアが絶好調だ。初戦から2勝1分けと無敗の戦いぶり。反転速攻やロングスローなどを駆使して得点を挙げる。派手さはなくても愚直な戦いぶりが好結果を生んでいる。それが自信につながっていく。町田のスタイルに「あっぱれ!」を送りたい。

2月に開幕したJ1。初めて最高峰のリーグに昇格した町田。どんな戦いを見せてくれるのか注目が集まった。

ホームの町田GIONスタジアムで行われた開幕戦。ガンバ大阪を相手に前半にPKで先取点を奪った。追いつかれたもののドロー発進。J1の舞台で初めての勝ち点を挙げた。

2戦目はアウェーでの名古屋戦。前半21分に相手陣内からのロングスローを起点に、こぼれ球をDF鈴木準弥選手がクロスを上げる。これにFW藤尾翔太選手が頭で合わせて先制点。これを守り切って、J1初勝利をつかんだ。

そしてホームに戻ってきての3戦目。前半13分に相手陣内でボールを奪うと、反転速攻。すぐさまボールを縦につないでFW平河悠選手が左足でゴールを決めた。これが決勝点となり、町田が2連勝を挙げた。

3戦を終えて2勝1分けと無敗。J1初昇格クラブがロケットスタートを見せてくれた。しかも対戦相手はいずれもJリーグ発足時から参加する「オリジナル10」と言われるクラブだ。「新参者」の戦いぶりは、あっぱれだ。

昨季から町田の指揮官となった黒田剛監督の戦術が浸透している証しだ。堅守をベースにした戦い。守備から攻撃へといち早く変える「堅守速攻」「反転速攻」を貫いている。それが黒田監督就任1年目でのJ1昇格につながった。

現代サッカーでは、ボールをキープした状態でパスを細かくつなぐスタイルが「最高級」の戦術とされている。

町田の戦いは、それに抗うように思える。しっかり守る。相手の隙を見て一気に攻勢に転じる。それは一見「地味」なスタイルにも思える。

しかし「芸術=結果」となるわけではない。勝利をつかむために、最適解が求められる。町田の戦いぶりは地味に見えても、結果を残している。守備をベースに、愚直にボールを追い、速攻。それが今季のロケットスタートにつながっている。

町田はロングスローを駆使する。日本がアジアカップを戦った際に、相手チームに多用され、失点につながり苦戦した。ロングスローは強者に立ち向かうために、重要な武器となっているのだ。

今季、町田が好調な一方で、同じ首都にホームを置くFC東京は3戦で未勝利。天皇杯とリーグカップで4度のタイトルを手にしているFC東京が苦しんでいると、よりいっそう町田の健闘ぶりが際立って見える。

カッコつけなくてもいい。愚直にボールを追う戦いこそ、強みを発揮できるのだ。自分にふさわしい戦いを続ける町田を注目し続けたい。

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