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勝負強さでリーグ連覇を果たしたヤクルト。開幕戦は大逆転勝利。優勝決定は投手戦の末のサヨナラ勝ち

2年連続でセリーグ優勝を決めたヤクルト。今季はここ一番の勝負強さが際立っていた。開幕戦は阪神相手に敗色濃厚な展開からの大逆転勝利。優勝が決まった試合は投手戦の末に、1-0のサヨナラ勝ち。劇的な勝利で勢いに乗る戦いぶりは、ポストシーズンでの強みとなりそうだ。

25日のDeNA戦。マジック2として臨んだ首位攻防戦。試合は息詰まる投手戦に。ヤクルトの小川泰弘投手とDeNAの今永昇太投手の投げ合い。どちらもノーヒットノーラン経験者。相手にそう簡単に得点を与えない。

緊迫感の漂うゲーム展開。まるでクライマックスシリーズ(CS)のように思えた。両先発がマウンドを下りた後も、リリーフ陣が粘りのピッチング。このまま延長戦に突入しても不思議ではなかった。

しかし、ヤクルトが九回裏に、ルーキー丸山和郁選手のタイムリーで1-0のサヨナラ勝ち。今季55本塁打を放っている村上宗隆選手の活躍が目覚ましいが、「村神様」だけでのチームではない。それを証明するルーキーのチャンピオンタイムリーだった。

今季は開幕から勝負強かった。3月25日の甲子園でのオープニングゲーム。四回までに阪神に1-8と大量リードを許していた。しかしヤクルト投手陣は五回以降、相手打線を無失点に抑える。味方打線も六回以降、毎回得点で八回に1点差に詰め寄り、九回に3点を奪って逆転した。

この試合をものにしたヤクルトが首位をひた走り、負けた阪神は長く最下位でもがいていた。両チームの今季の分かれ目ともいえる試合だった。

スワローズは7月2日に、2リーグ制で最速となる優勝マジックを点灯させた。いったいいつ優勝するのか。まるで「1強5弱」ともいえる状況とも言えた。

マジック自体は、その後、消えたり、再点灯したりの繰り返し。それでもヤクルトが首位を明け渡すことはなかった。

最下位の中日に10勝14敗1分けと負け越したが、2位DeNAには15勝9敗としっかり勝ち越していたのも、勝負強さの要因だったかもしれない。「追いつめられれば、首位攻防戦で叩けばいいんだ」と言わんばかりだ。

ここ一番での勝負強さは、短期決戦のポストシーズンで最大の武器となるだろう。肝心な試合で大逆転勝利も、投手戦の末のサヨナラ勝ちもできるチームは脅威だ。

しかも最速でマジックを点灯させながら、残り7試合で優勝を決めた。なまじ早く優勝を決めると、残り試合は「気の抜けた試合」となりがちだが、最終盤まで優勝争いをしていただけに、CSまでの空白期間を短くできた。

レギュラーシーズンの勝負強さを、CSでも保ち続けられれば「鬼に金棒」だ。「1位抜け」したヤクルト。短期決戦でも無類の強さを見せてそうだ。

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