見出し画像

延長12回の大接戦を制したヤクルトが20年ぶりの日本一。代打の切り札川端選手がV打。マクガフ投手の33球も光った

神戸の闇夜に、高津臣吾監督が10回胴上げされた。ヤクルト・スワローズが延長12回の大接戦を制して、日本一に。マウンド付近で歓喜の輪が広がった。

最終回となった延長12回。代打の切り札が残っていたことが、スワローズの日本一へ序曲だったのかもしれない。

総力戦となった試合。2死一塁の場面で、川端慎吾選手が打席に立った。マウンドにはオリックスの吉田凌投手。

「魔球」のスライダーをどう捉えるか。ベテラン川端選手は不用意に手を出さない。その間に、パスボールで走者が二塁に。絶好のチャンスになった。

フルカウントからの7球目。川端選手が詰まりながらもレフト前へ打球を落とした。二塁走者の塩見泰隆選手が滑り込んでホームイン。2-1と勝ち越しに成功した。

そして、その裏の守備。スワローズは、延長10回途中からマウンドに上がった守護神マクガフ投手が執念の続投。

死球の走者を一人抱えたものの、2番打者の宗選手をセカンドゴロに打ち取ると、5時間ゲームを制して、日本一を決めた。

マクガフ投手のクローザーとしての意地を見た。「この試合は最後まで、俺が投げる」。そんな意気込みが伝わるピッチングだった。

このシリーズでは、第1戦で9回に逆転サヨナラ負け。第5戦では代打ジョーンズ選手に勝ち越しの本塁打を浴びた。シリーズ全体で活躍したとはいえない。それでも、最後は、俺が締めるというクローザーのプライドで胴上げ投手となったのだ。

2回3分の1を無失点で33球のピッチング。「マクガフの33球」と後に語り継がれることだろう。

先発の高梨裕稔投手、スアレス投手、清水昇投手、田口麗斗投手とつなぎ、アンカーとしてマウンドに上がったマクガフ投手の意地を記憶に留めたいと思う。

今年のシリーズは、すべての試合が2点差以内。そしてラストは延長戦。両チームの熱戦にしびれた。日本一のスワローズに祝福を。オリックスの健闘もたたえたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?