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メジャーリーグでノーヒットなのに勝つ珍事。筒香選手のいるパイレーツ。粘って粘って1点もぎ取る

海の向こうアメリカでは、メジャーリーグの試合でノーヒットなのに勝つという珍事が起きた。筒香嘉智選手(30)の所属するパイレーツが、珍事の主人公だ。10点取っても負ける時はあるし、1点だけでも勝つときはある。しかし、ノーヒットで勝つのは、パイレーツの選手も驚いたことだろう。

パイレーツのホーム、ピッツバーグで15日(日本時間16日)に行われたレッズ戦。パイレーツ打線は、相手の大物ルーキーに苦しめられた。

相手の先発は、ハンター・グリーン投手(22)。4月15日に160キロ超のストレートを39球投げ、メジャーリーグ新記録を生んだ右腕だ。

この日も、最速162キロ、直球の平均159キロを投げ込んで、パイレーツ打線を翻弄した。筒香選手も3度対戦し、センターフライ、ライトライナー、センターフライと外野まで飛ばしたものの快音とならなかった。

レッズは何度となく、得点圏に走者を進めていたが、あと一本が出ない。そのために、両チームのスコアボードにはゼロが続いた。

試合が動いたのは終盤の八回裏。パイレーツは1死後、連続四球で、六回以来となる得点圏にランナーを置いた。豪腕グリーン投手といえども、今季がルーキーシーズン。球数も118球に達し、疲れも見えてくるころ。ここでマウンドを下りた。

2番手投手も四球を出して、1死満塁。この試合、パイレーツは初めて三塁まで走者が進んだ。ここで2番打者のヘイズ選手がショートゴロ。併殺崩れの間に、三塁ランナーがホームを踏んだ。

粘って、粘って、走者をためて、併殺崩れという地味な方法ながら得点をものにした。「虎の子」の1点だ。

九回表、パイレーツはクローザーのベッドナー投手をマウンドに送る。三者凡退に抑えて、ゲームセット。パイレーツは摩訶不思議な勝利を収めた。ベッドナー投手もチームのノーヒットが続くのに、まさか自分に登板機会があるとは夢にも思っていなかったのではないか。

ノーヒットでの勝利は1901年以降、メジャー史上6度目という。ドジャースが2008年6月28日にエンゼルスに勝って以来14年ぶりの珍事となった。ちなみに、この時はドジャースの最後を締めた投手は斎藤隆さん(現・DeNAコーチ)だった。

パイレーツは豪腕投手に苦しみながらも、粘りに粘った。それだからこそ、118球を放らせて、途中でマウンドを下ろさせるのに成功した。そして、地味な形ながらも待望の得点を奪って勝つことができた。

粘り続けていれば、地味な形であっても好結果を出すこともあるのだ。「どんなに苦境にいても、あきらめるな」と、この試合は伝えてくれた気がする。

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