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青春を完全燃焼。密度の濃い60分。高校ラグビー。守りから波に乗った東海大大阪仰星がV。国学院栃木も健闘

実に密度の濃い60分だった。全国高校ラグビーの決勝戦。東海大大阪仰星が守りからリズムをつかんで4大会ぶり6度目の優勝を決めた。国学院栃木を36-5で下した。相手に流れが行きそうな場面で、堅い守りから流れを奪い返した。両校ともに良い戦いぶりだった。

戦前は攻撃の東海大と守備の国学院という展開が予想された。実際、前半12分までに東海大が2つのトライを奪って、12-0とリードし、波に乗るかと思われた。

しかし、国学院も負けていない。前半23分に相手陣深くまで攻め込み、ラインアウトを起点にモールで押し込み、トライを1本返す。5-12。まだまだ勝負の行方は分からない。

ここから東海大の守りが光った。相手陣まで攻め込んだ後、国学院に自陣深くからカウンターを狙われる。そこで、東海大の選手が、相手のボール保持者にうまく絡んで、ボールを奪おうとする。

国学院はボールを離せない。ノット・リリース・ザ・ボールの反則を取られた。東海大が守りからリズムを奪った形だ。中央からのペナルティーゴールを決めて、15-5とリードを広げた。このまま前半を折り返した。

後半も一進一退の攻防が続いた。15分ごろには国学院がペースを握る。相手陣深くまで前進。モールで押し込み、そこからサイドアタックを続ける。

しかし、東海大はインゴールへ進ませない。相手の突破に、東海大の選手がからんでいく。ボールの争奪戦。国学院は、絶好のチャンスだったが、またしても、ボールを離せず、反則を取られてしまった。

危機を乗り越えた東海大が反撃。19分にモールで押し込んで、トライを奪った。後半初の得点。これで、東海大が一気に流れに乗った。

前後半ともに、大事な時間帯を迎えてはボール争奪戦で優位に立った東海大。相手のボールにからむ。そして相手の反則を誘った。東海大は守りからリズムをつかんで、頂点に駆け上がった。

国学院も最後まで粘ったプレーが光った。高校日本代表候補がいない中でも、決勝にふさわしい戦いぶりだった。

30分ハーフの試合。実に密度の濃い試合だった。通常ラグビーは40分ハーフだが、高校生のゲームは短めに行われる。

ラグビーに限らず、ほかのスポーツでも、高校生の試合は、通常よりも短めに行って良いのではないか。野球を高校生は7イニング制にしても良い。

密度の濃い試合。実に良い試合だった。優勝した東海大大阪仰星、準Vの国学院栃木。ともに青春を完全燃焼していた。

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