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失敗した後の修正が大事。カブスの「投げる哲学者」今永投手。ピッチクロック違反と本塁打献上。その後にしっかり立て直した力は見事だった

誰でも失敗はする。その後が大事だ。修正力があるかどうかが問われる。米国に渡りカブス1年目となる今永昇太投手(30)がメジャーのオープン戦に初登板した。この試合で2つの失敗を犯したが、その後にしっかり立て直したのは見事だった。「投げる哲学者」の異名を持つ今永投手には修正力がある。それを披露できたのは大きな収穫だっただろう。

2日(日本時間3日)に行われたドジャースとのオープン戦。DeNAからカブスへ移籍した今永投手にとって、初の実戦で先発マウンドに立った。

注目の第一球。その前にいきなりの失敗。40秒以内に投げないといけない「ピッチクロック」を違反してしまい、ボールを宣告された。イニング間では2分以内とされるルールと勘違いしていたのだ。

ここで混乱して失敗の連鎖となりかねなかった。しかし今永投手は落ち着いていた。先頭打者をレフトフライに打ち取る。そして2020年にMVP受賞のフリーマン選手をこの日最速となる94マイル(151キロ)で空振り三振に斬って取るなど、三者凡退とした。

二回のマウンド。この回先頭の4番マンシー選手にライト前ヒットを許した。続く打者をセカンドゴロに打ち取ったが、二塁への送球がセーフ。記録は内野安打とされてピンチを迎えた。そして6番打者にレフトへ特大の一発を浴びた。

内よりに甘く入ったストレートを痛打されての3ランを献上。メジャーの洗礼を浴びる形となった。

しかし、ここから今永投手の見事な修正力が光った。7番ワード選手を空振り三振、8番ゴーティエ選手を見逃し三振、9番アバンス選手を空振り三振。三者連続三振を奪って、この回を終えた。

一発を浴びたが、昨季セリーグで奪三振王のタイトルに輝いた投球がよみがえった。ここでもしっかりと修正する力を発揮したのだ。

三回に先頭打者を空振り三振に抑えたところで、投球数が41球となったため、この日の登板を終えた。2回3分の1を投げて、5奪三振。無死四球。3失点。

失敗の後に「奪三振ショー」を披露するなど、今永投手の修正力の高さは見事だった。

試合を終えた後の取材に、今永投手らしさがうかがえた。球速についてのやりとりで、「生き残るためには、その人たちを上回ろうとするんじゃなく、どこか異ならないといけない」と語った。「投げる哲学者」らしさがコメントに表れていた。

投げる哲学者だからこそ、失敗の後に混乱することなく、自らと向き合って修正することができるのだろう。

これから長いシーズンが始まる。良い時もあれば、悪い時もある。厳しい状況になったときに、どう修正していくか。今永投手ならば、状態が下降してきたときも、うまく修正できるはずだ。

失敗した後の修正力。今永投手の投球から学ぶことは、大きい。

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