「東洋の魔女」復活は、彼女たちが担うのかもしれない。試合ができるありがたみを知った選手たち。春高バレーを見て思うこと。

春高バレーの女子決勝を見た。大阪国際滝井-就実(岡山)の優勝経験校同士のカード。互いの持ち味を出し、見応えがあった。その中で、女王の座に君臨した就実をたたえたい。

バレーボールの日本女子はかつて「東洋の魔女」と言われ、世界から尊敬の念をもって見られていた。1964年東京五輪で金メダルに輝き、76年のモントリオール五輪でも頂点に立った。

もしかしたら、今回の春高バレーに出た選手たちが中心となって、「東洋の魔女」復権が実現するかもしれない。

春高バレー決勝の舞台。無観客で行われ、コートサイドには「春は、来る」と書かれた巨大横断幕が掲げられていた。

今年度は、インターハイ、国体と試合をする機会が失われ、春高バレーが試合のできる貴重な場面となった。

その中で、より高く、より強いスパイクが放たれ、泥臭く、それをレシーブで追う選手の姿がまばゆかった。

これまで、ワールドカップ、ワールドグランドチャンプオンズカップといった国際大会が毎回日本で行われ、地元開催という地の利を得て、日本代表は試合を行っていた。

しかし、「当たり前」に試合が国内で行われている環境によって、日本は五輪の金メダルから長く遠ざかっていたようにも思える。外国のチームは、恵まれた体格と共に、試合に向かうハングリー精神で、日本を上回っていたのではないだろうか。

今年度の高校生たちは、試合ができるというありがたさを、身を以て経験した。その意識が今回の熱戦につながったと思うし、これからのバレーボール人生でも、その思いを持ち続ければ、外国に負けないハングリー精神で挑むことになると思う。

優勝した就実、あと一歩で頂点の座を逃した滝井、そして最高峰を決める舞台に立てなかった他のチーム。その彼女たちが、これからのバレーボールシーンで中心になれば、バレー女子の未来は明るいように思えた。

未来の「東洋の魔女」たちよ、これからもガンバレ!

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