ドリブルの一歩一歩にゴールのにおいがする。新天地で鮮やかなスタート。サッカー久保建英

細かく刻むドリブル。その一歩一歩に、ゴールのにおいが漂っている。スペインリーグのヘタフェは、彼の加入を想像以上に喜んでいるだろう。

久保建英選手のことだ。リーグ上位に位置するビジャレアルから移籍してきた。チームが活躍しても、久保の出番は少なかった。だから、ヘタフェに移籍して良かったと思う。

ピッチで駆けていかねば、彼の柔らかいドリブルも重くなっていく。それじゃあ、ダメだ。

彼の移籍先は、降格争いに巻き込まれている状況。それでも、このドリブラーが救世主となるかもしれない。

彼のプレーがチームに活気を生む。日本ではFC東京で、彼の活躍が首位争いの原動力となっていた。リーグ途中で彼がスペインに立つと、東京の勢いは一気にしぼみ、悲願の初優勝を逃した。

だからこそ、新天地でのデビューとなるエルチェ戦で、チームの2得点に絡み、3-1の逆転勝ちに貢献した。

ベンチスタート。まだ入団会見自体も行われていないほどの急な新天地での第一歩。1-1の同点で迎えた後半19分に、「久保劇場」の幕が上がる。

その、わずか5分後に、「俺は久保建英だ」と名刺代わりの鮮やかなドリブル。右サイドから中央へ切れ込む。

細かいステップ。相手の守備をほんろうして、一歩一歩、中央へ。

そして相手の隙を狙って、左足でシュート。ゴール左へ飛んだボールをキーパーは、はじくことしかできない。そこに詰めた味方FWが押し込んで逆転ゴール。

「彼のドリブルは、ゴールへ通ず」。そう言いたくなる逆転劇だった。

ゴールへ導いた久保に、味方選手は頭をポンポンと叩く。これこそ、「ようこそ、ヘタフエに」という歓迎のアクションだろう。お前は俺たちの仲間だぜ!

リーグ上位のチームを去るのは悔しい思いもあっただろう。でも、新天地で活躍を続けてほしい。去ったチーム相手に、ドリブルの必殺技で、手荒い「恩返し」をしてやればいい。

まだまだ成長できる。ドリブルで、これからもゴールのにおいを発しながら、前へ前へと進んでいけばいい。

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