同じ画像からそれぞれ小編を作りました。 note・Twitter:椛沢知世
同じ画像からそれぞれ小編を作りました。 落果 中森舞 人口の増える見込みのない街へゆっくり落ちてゆくユニコーン 歌わない小鳥の価値は?と問われたら裏切るため…
3月13日(日)の13時より、第4回笹井宏之賞の授賞式が開催されます。 オンライン開催のため、どなたでも視聴可能です。 ぜひ、ともよさんの大賞受賞をともにお祝いしまし…
換気のため雨でも窓をあけているヨーグルトのにおいは湿ってる 濁流の無邪気さはたぶん望郷よ海に還るの雨という雨 水に石生まれるように投げ込まれ生まれたときから離れ…
浅く残るビニールプールの水が跳ね光よ風よ舌を隠してよ 足だけをひたす 返事が上擦れば二酸化炭素が抜けゆくコーラ 治っていく青あざみたいな朝の空 二酸化炭素が見え…
11月24日、第4回笹井宏之賞(主催:書肆侃侃房)にて、椛沢知世「ノウゼンカズラ」(50首)が大賞を受賞したと発表されました。 近い将来、ともよさんの歌集が出版される…
お祭りの露天のひかりが穴みたいにわたしの記憶に穴を開けたの 鬱屈にペールトーンの流れ星ちいさな胸のひかりを覗く 妹の足の裏ふたつと犬と淡水魚のぬいぐるみ眠ってる…
消したてのテレビさわって静電気だめなわたしでも信じてる 第五話で好きな男が死ぬときも同じテンポでポッキーを齧る 音もなくざくろが割れた目を開けて閉じないでまばた…
トマトトマトパントマイムで持ちたいな したことがないことがたのしい 一粒の青い匂いの春、終わる 種がたくさんある実はこわい タピオカ入りアイスクリームはもうない…
2021年の春から、イメージをしりとりするように短歌を詠みはじめました。 安心よ チューリップに舌を差し入れて花びらがぐるりさわりと触れる 電線に等しく並んでいる鳩…
トモヨさんへ 寒くなりました。雪の季節が訪れようとしています。 しかし、こちらへ引っ越してきてから、雪はほとんど見ていないのです。指が冷えはじめると、そのことを…
マイさんへ こんにちは。 二日前は最高気温が13度と寒かったのに、今日は20度まで上がるらしく、12時になった今、部屋にある窓をすべて開けています。日が差してきて、膝…
トモヨさんへ おはようございます。びっくり、ちょっと寒いの。 昨日まで半袖で寝ていたのに、置いてけぼりにされたような気持ちです。今日の夜から、私は長袖のパジャマ…
マイさんへ ずっと、ではないけれど、継続的に、わたしは何で短歌を詠んでいるんだろう、と思っていて、けれどわからずにいて、だから、マイさんの手紙に、かんたんに言う…
うたのシーソー
2022年11月17日 12:30
同じ画像からそれぞれ小編を作りました。note・Twitter:椛沢知世
2022年9月15日 19:00
同じ画像からそれぞれ小編を作りました。落果 中森舞人口の増える見込みのない街へゆっくり落ちてゆくユニコーン歌わない小鳥の価値は?と問われたら裏切るための羽音を鳴らす間違った宛名を眺めぽつり言う「途中で落ちたみたいなの、私」note・Twitter:椛沢知世
2022年6月15日 17:32
2022年6月15日 17:00
2022年3月7日 18:57
3月13日(日)の13時より、第4回笹井宏之賞の授賞式が開催されます。オンライン開催のため、どなたでも視聴可能です。ぜひ、ともよさんの大賞受賞をともにお祝いしましょう。なお、参加申込の締め切りは、明日、3月8日(火)までとのこと。まだ、申し込みをされていない方はお早めに。申し込みフォームは、以下よりアクセス可能です。受賞作の「ノウゼンカズラ」(50首)および最終選考会の様子は、
2021年12月30日 12:16
換気のため雨でも窓をあけているヨーグルトのにおいは湿ってる濁流の無邪気さはたぶん望郷よ海に還るの雨という雨水に石生まれるように投げ込まれ生まれたときから離れるばかりはじめから嘘であるなら嘘じゃないちいさな石を磨きつづける※1首・3首の作者:椛沢知世※2首・4首の作者:中森舞note:椛沢知世中森舞 第1歌集『Eclectic』発売中
2021年11月27日 16:55
浅く残るビニールプールの水が跳ね光よ風よ舌を隠してよ足だけをひたす 返事が上擦れば二酸化炭素が抜けゆくコーラ治っていく青あざみたいな朝の空 二酸化炭素が見えそうで吐く底のない不安の揺らぎに匙ひたす今朝も不透明なヨーグルト※1首・3首の作者:椛沢知世※2首・4首の作者:中森舞note:椛沢知世中森舞 第1歌集『Eclectic』発売中
2021年11月27日 16:49
11月24日、第4回笹井宏之賞(主催:書肆侃侃房)にて、椛沢知世「ノウゼンカズラ」(50首)が大賞を受賞したと発表されました。近い将来、ともよさんの歌集が出版されるということです。なお、「ノウゼンカズラ」(50首)および最終選考会の様子は、2022年2月刊行予定の短歌ムック「ねむらない樹」vol.8に掲載されるとのこと。受賞作を拝読するのがとても楽しみです。また、第9回現代短歌社賞
2021年10月30日 19:20
お祭りの露天のひかりが穴みたいにわたしの記憶に穴を開けたの鬱屈にペールトーンの流れ星ちいさな胸のひかりを覗く妹の足の裏ふたつと犬と淡水魚のぬいぐるみ眠ってる途切れ途切れの浅い眠りに映り込む怯えたグザヴィエ・ドランはきれい※1首・3首の作者:椛沢知世※2首・4首の作者:中森舞note:椛沢知世中森舞 第1歌集『Eclectic』発売中
2021年9月14日 09:05
消したてのテレビさわって静電気だめなわたしでも信じてる第五話で好きな男が死ぬときも同じテンポでポッキーを齧る音もなくざくろが割れた目を開けて閉じないでまばたきをかわかす可食部の少ない果実「記憶」とはそういうわれの集まりである※1首・3首の作者:椛沢知世※2首・4首の作者:中森舞note:椛沢知世中森舞 第1歌集『Eclectic』発売中
2021年8月9日 18:30
トマトトマトパントマイムで持ちたいな したことがないことがたのしい一粒の青い匂いの春、終わる 種がたくさんある実はこわいタピオカ入りアイスクリームはもうないね泣いてないのに太いストロー溶け果てたクリームソーダを飲み干した悪いひとにはなれないあなた※1首・3首の作者:椛沢知世※2首・4首の作者:中森舞note:椛沢知世中森舞 第1歌集『Eclectic』発売中
2021年6月25日 22:30
2021年の春から、イメージをしりとりするように短歌を詠みはじめました。安心よ チューリップに舌を差し入れて花びらがぐるりさわりと触れる電線に等しく並んでいる鳩のハナミズキより赤い爪先 石けんと錆びた蛇口のいいにおい鳩の上にも雨が降ってる 大小のしゃぼんのような永遠を生まない日々を繰り返す日々 ※1首・3首の作者:椛沢知世※2首・4首の作者:中森舞note:椛沢知世中
2021年2月5日 19:39
トモヨさんへ寒くなりました。雪の季節が訪れようとしています。しかし、こちらへ引っ越してきてから、雪はほとんど見ていないのです。指が冷えはじめると、そのことをとても寂しく感じます。昨晩は雪がふるえていました。と目を閉じて今を昨晩にする雪の降るさまは確かにふるえているようです。雨のように真っ直ぐには落ちてきませんから。雪が「舞う」と言われるのもそのせいでしょう。この歌はひとりでいるよ
2021年1月22日 22:37
マイさんへこんにちは。二日前は最高気温が13度と寒かったのに、今日は20度まで上がるらしく、12時になった今、部屋にある窓をすべて開けています。日が差してきて、膝の上にのっていた犬が、少し離れたクッションの上へ移動して、眠りはじめました。土曜日でも続いている工事の音も、今はお昼休みで静まっています。あたたかいだけで、縮こまっていた背中や首が緩む感じがしますね。昨日、約十年ぶりにイン
2021年1月8日 13:05
トモヨさんへおはようございます。びっくり、ちょっと寒いの。昨日まで半袖で寝ていたのに、置いてけぼりにされたような気持ちです。今日の夜から、私は長袖のパジャマで寝るのだと思います。ところが、私の太ももにはいつ刺されたのかわからないけれど、明らかに刺されたての虫刺されが3つ並んでいて、ぽっこりと腫れているの。今しがた私を刺した虫も、置いてけぼりにされたのでしょう。実をいうと、私は滅多に
2020年12月25日 16:54
マイさんへずっと、ではないけれど、継続的に、わたしは何で短歌を詠んでいるんだろう、と思っていて、けれどわからずにいて、だから、マイさんの手紙に、かんたんに言うと困ったような気持ちになって、潮のにおいを探しています。今日は朝から風のある曇り空で、少しばかりの潮が混ざっていても不思議ではない生ぬるさがあったから。潮のにおいはしなかったけれど、工事の音とともに土埃のにおいがしています。土