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Superfly “You & Me” 〜 3.11 の歌 〜

今日は、3月11日、東日本大震災のあった日ですね。
今から9年前、地震が起きた時、私は屋久島に向かう飛行機の中でした。

飛行機を降りて、車に乗った後、つけたラジオで地震のことを知りました。くわしくはこちら

それから屋久島で5日間ほど過ごしましたが、
屋久島で行う予定だった会議はほとんどなされず、
テレビをみんなで見たりする日々。

屋久島を出た後は、一緒だった人からのアドバイスも得て、
青春18きっぷで、九州縦断をしました。
鹿児島では図書館に行って、情報を得るなんてこともしましたが笑、
いろんな情報が飛び交う中、今でもよく覚えているのは、
好きだった Superfly さんが配信してくれたこの歌♪

サビの歌詞の英語はこんな風になっています。

Sing a song for the place
Let’s sing a song for you and me

簡単な英語なので、訳すまでもないかもしれませんが、
一行目は、そのまま訳すと「その場所のために歌を歌う」になりますね。

“the place” が一行目の歌詞の最後にありますが、
"the place" を「その場所」という日本語への直訳で覚えていても、
あまり意味はありません。

“the” という定冠詞が “place” に付くことで、
どういう意味になっているか、
そのことを理解するほうが大切です。

定冠詞 “the” は、特定されるものに付く、と教えられがちですが、
分かりやすく言うと、 “the” は大体において、
「あなた」も「私」も「ああ、あのことね」と分かるものに付きます。

例えば、

Did you read the book?

と突然言ったとすると、その “the book” が指すものは、
「私」と「あなた」が「ああ、あの本ね」と分かるもの、
例えば、先週、課題として出された本だとか、
「私」が「あなた」に貸した本だとか、
そういう二人ともが共通して分かる「あの、例の本」のことになります。

だから、なんの文脈もないところで、突然 “the” を使うのは、とても限定的な状況なのです。

それを理解すれば、この曲のサビで、突然 “the place” というフレーズが出てきているのが普通ではないことが分かるでしょう。

この歌詞の中の “the place” が指している場所はどこか?

それは「あなた」と「私」が、その場所だと分かっている「あの場所」のこと。

つまりは、「被災地」のこと。

そういう奥行きのある意味が “the” を付けるだけで生まれるのです。

それを理解すると、次の歌詞、

Let’s sing a song for you and me

の “you and me(あなたと私)”が、より深みを持って、聞こえてくるのではないでしょうか。

「福島」という単語が一切出てこなくても、
どの場所に向かって歌っているのか、が分かる、
被災地が背景として浮かび上がる歌になっているところが、
この歌の感動的なところなのでした。

2018年のバージョンもこちら↓に上がっています。

こちらの方が、より「洗練されている」感じはしますが、
私が何度聞いても、はらはらと涙がこぼれてしまうのは、
やっぱり2011年バージョンです。

2011年バージョンは、あの時の気持ち、空気、そういったもの全てが、声を通して伝わってくる感じがします。

この9年の間、様々な変化があって、2020年の今、世間を賑わせているものもいろいろありますが、この歌が1人でも多くの人に届きますように。


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