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花粉症と衛生仮説


本来ならば認識して反応する必要のない異物に対して、免疫系が過剰 に働いてしまう場合がある。花粉症などのアレルギーがそれにあたる。花粉という本来は害を及ぼさない物質に対して免疫が過剰に反応し、やたらとくしゃみや鼻水が出るのが花粉症と呼ばれるものだ。

花粉症のようなアレルギーが増えた原因を考える上でおもしろいのが「衛生仮説」であると、元大阪大学医学部教授の仲野徹氏は言っている。花粉症は現代病と言われることもあるように、近年になって発症する人がとても増えてきた。それは、現代の生活環境が衛生的になりすぎたからではないかとする説で、いくつもの研究から、おそらく正しいだろうとされている。

世の中が清潔になって、先進国では寄生虫感染は激減。そんな清潔な環境が、アレルギーの発症につながっているのではないかというのが、衛生仮説による説明だ。

だからといって、ずっと昔の汚い環境に戻るわけにはいかない。では、どうしたらいいのか? 

ヒントとなるのは、農家に育った人のアレルギー発生率が低いというデータかもしれません” と仲野徹氏は言っている。太陽と空のもと、子どもに土いじりさせることで、花粉症だけではなくて、情操面でもいい影響が与えられる

さらに最近多いスマホ症候群についても同じことが言える。人の心は遠くの景色を見ることで、静かに整っていくという研究結果もあるそうだ。

ずっと目の前のスマホの画面を見ていては、気持ちが沈むのも無理はない。
遠くの景色を見て、土に帰る。土の上を裸足で歩く。そんな体験を少しでも多く取り入れていくことの方が、免疫についてのネット情報を得るよりも、ずっとずっと大切なことなのだ。




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