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会社を辞める


もし今働いている会社であまり学ぶことがないなら、辞めるという選択肢を検証してみよう。辞めて何をするのか? その答えは「しばらくはなんにもしない」だ。

何もしない時間は、ひたすら休息する。休息といったって、それが散歩やハイキングだったり、公園で鳩を見る、一日中どこかの海を見る、でもいい

次のステップまで、まずは心とカラダをリセットする。

トルストイも同じようなことを言っている。人生の旅路を急ぐ時、吾々はどうしたら一番よいか、という問いに、 トルストイは次のように答えている。『何もしないことです』。

疲れた心は治るまで時間をかけて待つ


疲れた心は、「治す」のではなく「治る」まで待つものだ。
謙虚に生命の流れに沿うこと
が賢明だ。

その後のステップは、とにかく書き出すこと。何を書いていいかわからないなら、古い映画をみたり、昔聴いていた音楽や、昔読んだ本を読んで思うことをどんどん書いていく。

そうすると意外に忘れてた小さな感情や考えが浮かび上がってくる。そんなものたちがふわふわと宙に舞い出すと、ある瞬間、突然、何かがパチンと弾ける

筆者が公務員を辞めたときの経験から言うとこのリセット期間がほどよく大切だ。

ちなみに会社員を辞めた宇宙飛行士、野口聡一さんの言葉には含蓄のあるものが多い。「終身雇用は死ぬまでではないので、どこかで糸を切られる」。「自分の価値観を会社に決めさせてはいけない」。「一人でアイデンティティを築けるようにしておかないと」などなど。

宇宙旅行についての野口さんのお話しによると、「打ち上がりの瞬間よりも6-7分後が一番加速度が上がる。9分後には宇宙にいることがわかる」そうだ。「すべてが無重力になり床のホコリが舞い上がる」というのが宇宙に入ったことを実感する瞬間とのこと。

会社を辞めて人生の宇宙に入ってみる

会社に働いている自分は、そこに繋がりがあり、会社の名刺があり、会社のメールアドレスがあり、役職がある。

それらを全て断ち切ることで、どこにも頼らない、自分だけの素のままのアイデンティテイを作ることになる。そうすることで、しがみつかない自分が見えてくる。体験できる。

そんな野口さんの決心は、彼の長い宇宙飛行の経験から来るものではないだろうか。会社を辞めて、そこでの繋がりから離れ、「すべてが無重力になり床のホコリが舞い上がる」場所。そしてそこで自分の新たなアイデンティティを創りあげる。

生と死のギリギリの体験をしてきた野口さんにはそれがもっとも必要なことだったのだろう。


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