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70:20:10の法則。

企業の人材育成の場面で言及される法則。7:2:1の法則とも言う。ロミンガーの仮説・ロミンガーの法則、とも言われるらしい。

企業の人材育成において、社員が効果的な学びを得るための手段のうち、①実際に業務に携わった経験(OJT = on the job training)、②上司など他人からのフィードバック、③研修などによるインプット、の割合は、70:20:10の割合だというものだ。

時々、勤務先でこの話を聞いていたので、ネットで調べてみた。

まず、経済産業省の『企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的 育成について のガイドライ ン』(2017年3月)に、この話が掲載されていることが分かった。

こちらの20ページの記載を引用する(太字は私が付したものです)。

 アメリカのコンサルティング会社ロミンガー社の調査によると、経営リーダー人材としてリーダーシップを発揮する人たちに「どのような出来事が有益であったか」と尋ねたところ、仕事上の経験に関することが 70%、上司やそれ以外の上位者あるいは取引先の経営者との関係から学んだことが 20%、研修で業務上の問題解決について学んだことが 10%となっている。
 この 70-20-10 という比率は、選抜した経営リーダー人材候補者に対する育成計画を練る上で、多くの企業において賛同されているところである。個々の候補者が、期待されるスキルや能力を伸ばすために、それぞれ個別に育成計画を策定し、実施することになるが、単に研修を提供するだけではなく、経営リーダー人材として成長するために必要な職務経験の機会や、能力の強み・弱みに対するコーチングやフィードバックなど、有機的な育成プログラムが必要である

また、ビジネスブログのような記事も、たくさん見つかった。例えば、次のようなものだ。

英語版Wikipediaにも載っていた。

noteの記事もあった。以下、2つご紹介させていただきます。

人材育成というと、講義形式やe-learningによる研修の受講、ということがまず思い浮かぶ。私の勤務した複数の外資系企業では、リーダーシップ研修、ロジカルシンキング研修、プレゼンテーション研修、英語の研修など、とにかく沢山の研修メニューが用意されていて、毎年、多くの社員が、その年のDevelopment Plan(人材育成計画)として、研修の受講を計画し、1つや2つを受講していた。

研修も確かに役に立つ。しかし、研修は、学びの源としては決して大きな割合ではなく(10%)、それだけでは不十分で、むしろ、困難で厄介な業務を苦労してやり遂げる経験こそ、効果的な学びの大きな部分(70%)を占めるということだ。そのため、日常業務を通じて、高いハードルとなる課題を設定することが有効だ。そして、コーチングやフィードバックを与えて、気づきや学びを得てもらうことも有効だ(20%)。70:20:10の割合を目安にして、3つの要素をすべて取り入れるのが効果的だと理解した。

自分の経験を振り返っても、納得感がある。いままで沢山の研修を受講させてもらった。それらは大変貴重なインプットの機会で、とても有益だった。

しかし、私の仕事人生において、最も強烈に印象に残っているのは、実際の案件において、侃侃諤諤の議論をし、冷や汗や悔し涙にまみれ、悩んで眠れぬ夜を過ごすような修羅場を経験をしたことだ。その過程で得た学びは、忘れたくても忘れられない教訓として脳に刻み込まれ、同じ過ちを繰り返さないよう、あるいは、もっと上手にふるまえるよう、自然と次の改善行動に結びつく。

また、普段の言動に対して上司や同僚からフィードバックをもらったり、メンターやコーチと話したり、いわゆる360度評価を受けたりしたことも、大変貴重だった。ときに辛辣な評価をいただくと、ショックで落ち込んだりもするが、よい評価やお褒めの言葉をいただくと、嬉しさで胸がスッとし、モチベーションが急上昇する。とても強く記憶に残り、内省する機会を与えてくれる。現勤務先では、"Feedback is a gift."とよく言うが、全くそのとおりだと感じる。

この割合やバランスを意識して、今後、自分自身や部下のDevelopment Planを作るのに役立てたいと思った。

ご参考になれば幸いです。

Development Planについては、よろしければ、こちらの記事もご覧ください。

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