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【ブックカバーチャレンジ】ショートショート集

今回は、ショートショート集。特に短い小説を集めた本たちである。これがよいのは、すぐに短い時間でひとつの話を読めること。そして、どの話からでも読めること。

私は、夜、寝る前にベッドに入って少し読書をするのであるが、難しい本であると、読んでいるうちにいつの間にか寝落ちしてしまい、翌朝目が覚めたときには、前夜どこで中断したかが分からなくなってしまう(そして、本がぐちゃぐちゃに折れてしまっていたり、本によだれがついていたりする)。また、推理小説や冒険小説のような、ドキドキハラハラする長編小説だと、続きが気になって、ついつい読み進めてしまい、眠れなくなってしまう。

でも、ショートショートは、短くてすぐに読み切れるので、そういう心配がない。寝る前のリラックスのための読書にちょうどよいのである。

(※ブックカバーチャレンジとは何かについては、こちらの記事をご参照ください。)

1.『ボッコちゃん』 星新一

もはや説明不要の、SFの神様、星新一先生の有名ショートショート集。一つ一つの話の発想が奇想天外で、どこに連れて行かれるのかわくわくするし、風刺も効いている。昭和46年発行の古い本であるが、この機に久しぶりに再購入してみたら、令和2年3月の第117刷ということであった。ものすごいベストセラーである。50年前のものとは思えないほど易しく読みやすい文章で、内容も、今でも何らの違和感なく楽しめた。

2.『笑うな』 筒井康隆

まだ十代だったころ、筒井先生の『時をかける少女』『家族八景』『七瀬ふたたび』などのSF小説にはまった。超能力という刺激的なストーリーに引き込まれ、女の子や若い女性が主人公であったことから共感が持てたのだと思う。その筒井先生のショートショートというので手に取ってみたのがこの本。昭和55年発行の本で、少々ブラックなところもあるが、今でもピリッとした風刺を楽しめる。

3.『幸福な生活』 百田尚樹

上記2冊から時代が下って、こちらは平成25年の本。百田尚樹先生は、幅広いジャンルの小説を手掛けてこられたベストセラー作家である。『永遠のゼロ』『海賊とよばれた男』などの長編が有名だが、こちらのショートショートもお見事。上記2冊と異なり、SFではなく身近な男女関係などの話。ユニークな構成で、本の帯の宣伝文句に「超技巧 衝撃のラスト1行」と書いてあるが、全くそのとおりである。まだお読みでない方は、是非、その驚きを味わってください。


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