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ハマチのサヤ
2021年9月3日 17:50
鳩は悲しんでいる。癒えない夜の真中の隙間に、挟まって、留まってるあなたが邪魔で。尋問して絡まってく価値観。巻貝の渦巻。鯨の目頭。伊勢エビの殻。鮪の叩き丼。重低音。望まれないまま暮らすクラスタ。トビウオの世界一周旅行達成目前に巻き込まれた竜巻。その時死んだ最古の微生物が4年後最新のテクノロジーの結集により蘇る。青函トンネルを彷徨い続ける白い魚の亡霊。シンプソン砂漠から果てなくサラサラ飛んで
2021年7月27日 22:48
雨 降り始めた夜の11時曇りガラスを開けずに見た月は僕に今残った全部の歴史を今さら摘み直させるんだ暗闇に飽き飽きした僕は外の声にただじっと耳をすまして聞いてみたんだ神様がいた窓越しの大きな光は地平線の彼方から伸びる銀河鉄道の線路を大きな楕円の螺旋状に連ねていた汽笛を鳴らして何処かへ 連れられて行く君を追いかけずにただ僕はじっと寝転ぶ夜だ昔 願った僕の幸福主義を 踏みにじる
2021年7月16日 11:03
池袋駅に止まって開いたドアをじっっと見つめて、ただ見つめて、動かないで、ただじっと見つめる。それが何を意味するでも、その先に待つ何があるでもない。ただその行為思考から、意味を引き剥がしてそれから完全なフラットになるんだ。いいかいそのまま、そのままにしておくんだ。上板橋〜!上板橋〜!朧気な視界に何とも言えぬ浮遊感。再び産まれ落ちた現実は、生暖かいプラットホームに流れるサイボーグの鳴き声と少し効き
2021年5月30日 13:03
チッ チッ チッ チッ ブー ブー ブー チーン(繰り返されるアラーム)午前 8時 00分午前 8時 1分 白午前 8時 2分 アメリカでは午後7時2分午前 8時 3分 黒 見えないお空の彼方の雷雲午前 8時 4分 白午前 8時 5分 黒白黒空 決して混じり合いはしない 執着執着(アラームが止まる)1.あれ、まだあの子今日は帰ってきてない
2021年5月9日 03:19
また繰り返してる 繰り返してる30分ごとに私は休憩 僕は仕事を悲観して終生頭の中の空白を探して30分 30分の労働どこからか どこからだ どこからか砂が流れ込む砂が流れ込むどこかを追いかけ30分 30分空白は 最早空白ではない30分 30分(間奏)
2021年4月6日 12:08
うんと両腕を天に伸ばして、腰を落として、身体をくの字に押し曲げる。ゆっくりと時間をかけて、全身がはち切れんばかりの痛みと心地良さを抱えた限界の体勢。ここでキープ。ずっとキープ。風が止みやがて虚無が訪れるまで、ずっとキープ。新宿駅、山手線14.15番線の間。ずっとキープ。じわじわと痛みに比べ心地良さの比率が増していく。風と日差しが肉体を浄化させていく。きょうは日曜。
2021年3月2日 19:59
圧迫されています。ひどく、ひどく圧迫されています。身も心ももう押しつぶされて消えてしまいそうです。圧迫されています。ひどく、ひどく頭を蝕むように、じわじわと脳細胞を圧迫していきます。聞き飽きました。最初は良かったです。ですがもう聞き飽きました。機械音声の敬語ほど気持ちの悪いものはありません。ミームと化したこの情景も、そろそろみんな聞き飽きた頃じゃないか。気持ちの悪い。気持ちの
2021年1月4日 04:04
仄暗い、じっと仄暗い、月ももう嫌になる季節です。忙しない、ちと忙しない、じぃっとしてればいいものを。どっちかにしておくれよ町よ、重い静寂に滲み出る生活。そこがダメなんだよこの町は。もっと、そうさ、このまま、もっと、沈んでおくれ、いっそ底まで。チカチカ信号機もご苦労様々、お前のことなんかもう今じゃ誰も見ちゃいないよ。あれまどうしちまったんだよお前、頭は動いちゃいないが手と足はまだ