円満な退職のコツ(きこ書房退職しました)
8月31日をもって、きこ書房を退職しました(※)。
(※)きこ書房という会社は存在しないので、げんみつには「株式会社エス・エス・アイを退職しました」というほうがただしい
入社したのは、わすれもしない2015年1月の4日か5日。
たしか2014年の12月31日まで前々職の編集プロダクションではたらき、正月やすみをはさんで仕事はじめの日にいきなりやってきたので、「ヘンなやつ」だとおもわれていたようです。
きこ書房での代表作3つ
しかしいま思いかえすと、本当にいろいろといい経験をさせてもらいました。
そんなにたくさんの本はつくれなかったけど、いろいろとアクのある本がつくれたのではないかと思います。
たとえば入社して最初につくった担当作がこれ。
経済評論家の上念さんが、なぜかマイホーム論争に決着をつけるべく熱く語る一冊。「上念節」全開でマイホーム派をボロクソにたたきます。
こっちはマインドフルネスが流行りはじめたころに、思いきってタイトルに「瞑想」をいれたCDつきの本。かなり悩んだけど、コーチングの大家の生音声を売りにしてみました。なかなかすごいCDです。
そしてこれは、世界一読者をカスよばわりしている本。冒頭から読者を「カスだカスだ」と罵倒します。Facebookフォロワー15万人超のカリスマキチガイ医師・内海聡先生が人間の本性にせまりました。
(※)改めて自分が作った本のAmazonレビューを見ると、賛否両論が激しい本が多い
不運の自覚と味方をつくる戦略
さてわたしは自分のことを「ツキがない人間」だとおもっています。裏ドラがのらないタイプです。
あととにかく勝負ごとに弱い。だれかがリーチをかけるとすぐにベタオリします。豆腐メンタルのビビりです。
というわけで、わたしは基本的に「敵をつくらず、味方をつくる」戦略で生きています。売られたケンカは土下座でことわります。
この戦略がなりたつのが社会のありがたいところです。
麻雀は10万点を4人で奪いあうゼロサムゲームなので、相手を勝たせようとするとかならず自分がソンをします。
が、ビジネスでは相手に勝たせて自分も利益をえられる。
もちろん、麻雀でも高度な技術と観察眼、戦略を用いれば、相手を勝たせて自分も損をしない打ち回しもあり得ます。
特に3着と4着が拮抗しているビリ争いの片方に加担することで、安手の相手を見破って差し込みをするなど、方法はあります。
「また帰っておいで」といわれるような退職
いや麻雀の話がしたいわけじゃなくて、要するに今回の転職も平穏ぶじにおわったということです。
「そんなのあたり前じゃないか」という声もありそうだけど、わたしがみてきたかぎり、いがいと円満な退職はすくない。
とくに出版業界は転職の頻度がたかいので、わたしもこれまでいろいろな人が職場を去っていくのをみてきたけれど、部署全体でこころよくお見送りしていただけることはなかなか少ないのではないかと思うわけです。
わたしは前々社でも前社でも、「また帰っておいで~」とあたたかく見送られました。
前々社にいたっては、退職してから1年たって、まったくの部外者として新年会によばれました。
退職の意向は2か月前に
じゃあ、なぜ自分が円満な退職ができてきたのかをかんがえると、単純に
「退職時期を早めに伝えた」
の一点につきると思うわけです。
個人的には「退職する2か月前」がベストタイミングではなかろうかと考えます。(1か月間の有給消化期間がほしいなら3か月前)
会社からすればやめてしまう人間の穴をうめるために新しい人をやとったり、体制を変えたりする必要にせまられるわけなので、そのためのバッファ期間が必要です。
ちなみに、3年間働いた前々職の編プロをやめるときには、1年前に退職宣言をしました。
これはなぜかというと、おそらくわたしの穴を埋める人を獲得するのに1年くらいは必要であろうとかんがえたからです。
べつにこれは自分の能力をたかく評価していたとかそういうわけじゃなくて、その会社の仕事がスーパーハードだったので、新人が1週間とか1か月でやめることが日常茶飯事だったためです。
去る会社のことを考えて
ただ、退職をはやめに伝えることはちょっと勇気が必要なこともじじつ。
わたしも
「きゅうに上司が他人行儀になったらどうしよう」
「経費の申請がいきなりシビアになったりしないだろうか」
「いまやっている仕事をとりあげられたりしないかな」
などという不安がよぎりましたが、わたしはひとに恵まれたこともあり(人運だけはある)、まあ杞憂に終わりました。
もちろん会社によっては、不運にもケツの穴のちいさい上司がいて気まずい思いをすることもあるかもしれないけど、どうせ2-3か月の話なので気にしないほうがよいでしょう。
とにかく転職をする場合は、「どうせやめる会社なんだから」と無礼になったりせず、去る会社のこともちゃんとかんがえて動こうね、ということです。
(送別会でもらったお花)
明日からはもう新しい職場で働きはじめます。
つぎの職場はきずな出版さんです。
あいかわらずビジネス・実用系の書籍づくりにまい進していきますので、どうぞよろしくお願いします。
(了)
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