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ライターさとゆみの日記

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こぼれ話とか
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#フリーランス

余命宣告と、ひとつの質問

余命宣告と、ひとつの質問

「ライターになって一番良かったと思ったのはいつでしたか?」と、聞かれたことがある。
これに関しては明確に答えられるのだけれど、2019年9月11日、です。その日、私は札幌のがんセンターにいた。

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母から、「お父さんがスキルス胃がんになった」という電話がかかってきた。
父は「まだ、ゆみには言うな」と言ったらしいけれど、来週詳しい検査結果が出て今後の方針を相談するから、その

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【対談】編集者に萎縮して思考停止したらもったいない。病まずに書き続けるために――『書く仕事がしたい』が生まれるまで(後編)

【対談】編集者に萎縮して思考停止したらもったいない。病まずに書き続けるために――『書く仕事がしたい』が生まれるまで(後編)

10月30日発売の『書く仕事がしたい』。この本について担当編集者の田中里枝さん(通称・りり子さん)とさとゆみが対談しました。前編に引き続き、後編では「書き続けられる人とそうでない人は何が違うのか?」といった質問に二人で答えています。

見つけてもらうのを待つより、すでにある「書く仕事」を取りに行こう――『書く仕事がしたい』には、書くことを仕事にするためにまず何から始めるか、企画の売り込み方など、「

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【対談】「文章が上手くなってから書こう」ではデビューできない!――『書く仕事がしたい』が生まれるまで(前編)

【対談】「文章が上手くなってから書こう」ではデビューできない!――『書く仕事がしたい』が生まれるまで(前編)

病まずに健やかに、ちゃんと生計を立てながら「書く」仕事を続けていくことについて考えた書籍、『書く仕事がしたい』が本日、発売になりました。この本がどのようにして生まれたのか、担当編集者の田中里枝さん(通称・りり子さん)と私、著者の佐藤友美(さとゆみ)が対談しました。聞き手は、一足早く本を読んでくれたライター仲間のちえみです。

大事なのは「てにをは」だけじゃない。「disコメントとどう向き合う?」―

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「ライターさとゆみの深夜のラブレター」 第1話〜第50話

「ライターさとゆみの深夜のラブレター」 第1話〜第50話

ライターのさとゆみです。
書くことや表現することについて、毎晩23時にRadiotalkさんで話をしている『深夜のラブレター』ですが、「音声ではなく、テキストで読みたい」という声をよくいただいていました。
私自身も、ポッドキャストとかラジオとかが全然聴けないタイプで、テキストで読むほうが楽なので、すごくよく、気持ちわかります。

そこで、テープ起こししてもらって整えた内容を、50話ずつnote で

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メタ認知はもうやめる。来年食えてなくても、悔いはない

メタ認知はもうやめる。来年食えてなくても、悔いはない

先日、家に若いライターさんが遊びにきた。

私を含め、多くの業界関係者が彼女のことをライター業界の宝だと思っている。ものすごく精度の高い原稿を書かれる誠実なライターさんだ。
ちょうど、ひとまわり歳下なのだけれど、ときどき会っては「書くこと」や「書いて生きていくこと」について意見を交換しあっている。

その彼女にこんなことを聞かれた。

「さとゆみさんは、自分の強みは何だと考えていますか?」
たとえ

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読むことの方が書くことよりもずっとクリエイティブだと思う。だから。

読むことの方が書くことよりもずっとクリエイティブだと思う。だから。

北海道にいます。寒い。寒いな、寒いなと思っているときに、なんというか、いちばんやわらかいところに、すとんと落ちてきた文章。

友人が『女は、髪と、生きていく』にあるワークを、何日もかけてやってくれて、さらに18日かけてその感想を書いてくれました。 

本を書く時、私たち書き手ができることは、届いてくれますように、できればその方にとってなんらかよい形で、と祈ることだけであって、そこから本を完結してく

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毎日書くことで失われていたもの。1000日チャレンジをやめます。

毎日書くことで失われていたもの。1000日チャレンジをやめます。

前回に引き続き、身体性と文章の話。

先日、100マイルを走る友人のブログを一気に読んで焦がれた話を書いた。

友人のブログはこちら。

共通の友人の間では、最近この文章の話で持ちきりで、「明けましておめでとう」の次は、合言葉のように「読んだ?」「読んだ読んだ、すごかったよね」って言い合っている感じです。

長老も感銘を受けてらっしゃる。

巻を措く能わず。まさに。

私もトルデジアンのエントリー

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正しい強度で弱音を吐くこと。SOSを出すこと。フリーランスの命綱。

正しい強度で弱音を吐くこと。SOSを出すこと。フリーランスの命綱。

今年最後の原稿を納品し、先ほど校了の連絡をもらい仕事おさめ。
最後のメールを送ったら、入れ替わりに、著者さんからメッセージが届いた。今年最後に脱稿した書籍の原稿をとても気に入った。発売が待ち通しいとのこと。ちょっとほっとする。

しみじみ、きつい一年だったけど、なんとか生き延びたと、思った。

2019年は走りたい場面で怪我したり転んだりしてばかりで、いろんな大切なものを目の前で獲り逃してきた。こ

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上阪塾と、さとなおラボと、本気ゼミ。

上阪塾と、さとなおラボと、本気ゼミ。

大人になってから友達を作るのは難しい。
そんな言葉をよく聞く。

というか私の場合、子どもの頃も、友達を作るのはじゅうぶん難しかった。
運動部だったから、先輩はいる。後輩もいる。ライバルもいる。
あと、運動部以外だと、彼氏とか彼氏っぽいのとか。
でも、友達って、なかなかうまくつくれなかった。

なんだけど、この6年ほど。ものすっごく友達が増えた。それは、

上阪塾(上阪徹さんのブックライター塾)と

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「編集ライター養成講座」の皆さんに聞かれた81の質問に答えました

「編集ライター養成講座」の皆さんに聞かれた81の質問に答えました

2週間前に宣伝会議さんの「編集ライター養成講座」に登壇させていただきました。こちらに登壇させていただくのは3回目ですが、毎回、いろんな質問をいただき、講義中にお答えできなかった回答を、受講生の皆さんに後日お送りさせていただいています。

今回は、半年前(前回分)の質問への回答をアップしたいと思います。

↑今回の講義中にいただいた質問の数々

ちなみに、質問は全部で81個ありまして、その回答は1万

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くよくよする人はフリーランスに向いてる

くよくよする人はフリーランスに向いてる

以前、「フリーランスが向く人向かない人」というnoteを書いたことがあります。

この時は、「収入の不安定さ(一定しない)」と「自由」をバーターして、「自由」が勝つ人は、フリーに向いていると書いたのですが。

これに加えて最近思うのは、「すぐ落ち込んじゃう人」や「悩み事を引きずりやすい人」は、フリーランスに向く気がしている。
つまり
くよくよする人は、全般的に、フリーランスに向いていると思うんです

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早く大人になって自由になりたいと彼はいう。だけど。

早く大人になって自由になりたいと彼はいう。だけど。

最後の晩餐になってもいいくらい美味しい会食ののちダッシュで帰宅して21時15分に息子氏を受け取ったシッターさんと話し込んでいたら、22時15分になってた。
この1時間分のお支払いすべきだ、ごめんなさい。

息子が今日シッターさんにふざけて後ろからぶつかって、シッターさんは転んでしまい、危なかったので、ちょっと強く叱ってしまいましたという話を聞いた。

私は、「そうでしたか、すみません、そういうよう

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持病(脊柱側彎症からくる?胸部・背部痛)について情報を探しています

持病(脊柱側彎症からくる?胸部・背部痛)について情報を探しています

本日は、とてもプライベートなことについて投稿します(と、書いてから思ったけど、noteはいつもプライベート100パーセントだった)。

私の病気というか症状について。

18年前から原因がわからない背部痛と胸痛があります。 うまく説明しにくいのですが、背中というか、胸というか、その辺りを強く圧迫されるような痛みがあり、痛みが強いとまれに意識を失ってしまうこともあります。
呼吸もちゃんとできています

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書くことのほとんどは「視る」ことなんじゃないかと思う

書くことのほとんどは「視る」ことなんじゃないかと思う

先日あるライターさんと話をした。

その人は
「どんなに身近な人でも、私はその人の100パーセントを知っているわけじゃないと思うことが重要だなって。だから、わかったつもりになって、『あの人って○○な人だよね』と、自分の目線で評価をしないようにするのが大事だと思う」
と、言っていた。

確かに、その通りだと思う。

でも、と、一方で思う。

100パーセントその人のことを分かるなんてことはありえ

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