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AIを使って、半導体業界をざっくり理解し、投資先の候補企業をみつけよう

「そもそも、どうしたら自分が興味のある産業をざっくり理解して、投資先の候補となり得る企業を見つけられるのかを知りたい。」という意見をいただきました。

そこで、今日はAIのサポートを得ながら、「特定の産業の理解の仕方、および投資先候補となり得る企業の見つけ方」についてお話しします。

特定のがあった方がわかりやすいと思いますので、今話題の「半導体産業」を取り上げます。NVIDIAやAMD、インテルといった世界的な大企業ではなく、投資対象となり得る、日本の半導体関連企業を見つけ出す方法をご紹介します。

目次
1.半導体産業の大枠を理解する
2.大枠を細分化し、それぞれが関連する企業を見つける
3.まとめ

1.半導体産業の大枠を理解する

半導体産業といっても、毎日ネット上の記事で多くの企業が取り上げられています。また、多くの企業が関わるため、産業の構造も複雑であることが推察されます。

そこで、まずは半導体産業の「大枠」を理解します。細かいことは気にしないで、だいたいで良く、産業の全体感を掴むのが目的です。この「大枠」を掴む場合、いくつかの「切り口」があります。切り口は視点とも言いかえられます。

ここでAIに半導体業界の大枠を理解するための切り口の候補をいくつか提案してもらいましょう。すでに自身で業界理解のための「切り口」を持っている場合でも、気が付いていない視点を理解するためにも、AIの客観的な「切り口」は視野を広げてくれる可能性があります。

なお、AIはChat GPT4を使っています。

AIへのプロンプト
半導体業界を理解するための切り口を5つ教えてください。例:製造工程

AIへのプロンプト

AIからの回答
半導体業界を理解するための切り口として、製造工程に加えて、以下の4つの観点が重要です。これらの観点は業界の理解を深めるために役立ちます。

i. 市場と応用分野:
半導体デバイスは、コンピューター、スマートフォン、自動車、医療機器、家電など幅広い製品に使用されています。市場の需要はこれらの応用分野の成長と密接に関連しており、特にスマートデバイスやIoT(モノのインターネット)、自動運転車、データセンターの拡大が市場を牽引しています。市場の需要動向を理解することで、半導体業界の将来の方向性や成長の機会を把握することができます。

ii. サプライチェーンとパートナーシップ:
半導体業界は複雑なグローバルサプライチェーンに依存しています。原材料の調達、製造装置の開発、ファブ(半導体工場)の運営、パッケージングとテストなど、多くのステップが含まれています。また、設計と製造を分離するファブレス(無工場生産)モデルの企業も増えています。このようなサプライチェーンの複雑さとパートナーシップの重要性を理解することは、業界の動向を把握する上で欠かせません。

iii. 技術革新と研究開発:
半導体技術は常に進化しており、トランジスタのサイズを小さくする(ムーアの法則に従って)、エネルギー効率を向上させる、そして新しい材料や製造技術の開発が進んでいます。このような技術革新は、性能の向上、コスト削減、新しいアプリケーションの可能性を開くことに寄与しています。業界の主要なプレーヤーは研究開発に大きな投資を行っており、その成果が競争力の源泉となっています。

iv. 地政学的要因と規制:
半導体業界は、米中貿易戦争や各国の規制政策など、地政学的な要因に大きく影響されます。特に重要な半導体の供給網は、国家安全保障の観点からも注目されています。また、環境規制も半導体製造において重要な要素であり、エネルギー消費や廃棄物処理に関する規制が業界に影響を与えています。

これらの切り口を通じて半導体業界を理解することで、業界の動向、技術の進歩、市場の機会、そして直面する課題についての洞察を深めることができます。

AIからの回答

解説

どれも興味深い切り口ですね。しかも、自分だったら考えつかなったであろう視点も含まれています。

最も一般的というか、わかりやすい切り口は一つ目の「市場と応用分野」でしょう。「半導体の用途別」とも言いかえられるかと思います。具体的には以下のようなイメージです。

  • PCやサーバー向け 

  • スマホなどモバイル向け 

  • 自動車向け

  • データセンターやクラウド向け

このように「用途別」の切り口から半導体業界全体の大枠を理解する手があります。

ただ、今回の目的は産業の大枠を理解した上で、投資先候補となり得る企業を探すことが目的なので、二つ目の「サプライチェーンとパートナーシップ」という切り口がぴったりかと思います。

理由は「サプライチェーン」、すなわち半導体の設計、材料調達、製造、テストなどの一連の工程を包括的に理解できるからです。また、同時に「パートナーシップ」という言葉から、サプライチェーン上の各工程において複数の企業の関わりと連携が想起されるため、投資対象となり得る企業を多く知れる可能性が高いからです。

(なお、残りの二つの切り口である「技術革新」「地政学的要因」についても、自分ひとりだったら見過ごしていたであろう視点なので、AIからの提案は非常に助かります。)

では、次のセクションで、最も有力な切り口、「サプライチェーンとパートナーシップ」の観点から半導体産業を深掘りしてみましょう。

2. サプライチェーン(工程)の理解と関連企業

早速、AIに半導体のサプライチェーンについて質問してみましょう。

AIへのプロンプト
半導体のサプライチェーンを工程ごとに説明してください

AIへのプロンプト

AIからの回答
半導体のサプライチェーンは、複雑で多岐にわたる一連の工程から成り立っており、原材料の調達から最終製品の製造に至るまで多くのステップが含まれます。以下に、主要な工程を順を追って説明します:

設計と開発:
半導体デバイスの機能と性能を決定する設計工程です。この段階では、電子設計自動化(EDA)ツールを使用して回路設計が行われ、シミュレーションを通じて設計が最適化されます。

原材料の調達:
シリコンウェハを始めとする基本的な原材料の調達が行われます。シリコンウェハは半導体デバイスの製造における基板となります。

ウェーハ製造:
シリコンウェハ上に多数の半導体デバイスが製造されます。この工程には、光リソグラフィ、エッチング、イオン注入、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)などのプロセスが含まれます。

ウェーハ検査:
製造されたウェーハは、欠陥がないか検査されます。この段階では、微細な欠陥を検出するために高度な検査装置が使用されます。

ダイの切断:
検査を経たウェーハは、個々の半導体チップ(ダイ)に切断されます。このプロセスはダイシングと呼ばれます。

パッケージング:
個々のチップは、物理的な保護と電気的な接続を提供するパッケージに封入されます。パッケージングプロセスには、ダイの取り付け、ワイヤーボンディング、エンカプシュレーションが含まれます。

最終検査とテスト:
パッケージングされた半導体デバイスは、機能性と性能が仕様に適合しているかを検証するための最終検査とテストを受けます。

組み立てと最終製品の製造:
検査をパスした半導体デバイスは、最終製品(例えば、スマートフォンやコンピューターなど)に組み込まれます。

AIからの回答

解説

非常に簡潔にまとまっていて、流れも各工程の内容もざっくりとですが、理解しやすい回答内容です。もしも不明な点があれば、追加でAIに確認することもできるので、AIを使うことで容易に半導体のサプライチェーンをざっくりと理解できます。

では次に上のサプライチェーン上における、具体的な日本企業名と役割をAIに聞いてみます。中小規模の会社であっても専門領域では、高いシェアを誇る優良企業が日本にも存在すると思われるので、その旨をAIのプロンプトにも反映して質問します。

AIへのプロンプト
半導体のサプライチェーンにおける日本企業の役割を各工程別に、おしえてください。時価総額が数兆円規模の大企業だけでなく、中小規模の日本企業も対象にしてください。

AIへプロンプト

AIからの回答
中小規模の日本企業で、半導体のサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしている企業はいくつかあります。これらの企業は特定のニッチな技術やサービスで業界に貢献しており、その役割は以下のように分類されます:

原材料供給:
「信越化学工業」: 高純度ポリシリコンやフォトレジストなど、半導体製造に必要な基本材料を供給しています。

製造装置:
「東京エレクトロン」: 半導体製造装置の大手であり、エッチング、薄膜堆積装置などを提供しています。

「アドバンテスト」: 半導体テスト装置のリーディングカンパニーであり、製品の性能と信頼性を検証するための装置を提供しています。

ウェーハ製造(ファウンドリー):
直接ファウンドリーを運営する大手日本企業は限られていますが、「SUMCO」などのウェーハ供給企業がファウンドリー業務を支えています。

パッケージングとテスト:
「京セラ」: 高信頼性のセラミックパッケージなど、半導体デバイスのパッケージング用材料を提供しています。

「DISCO」: 精密加工装置や関連ツールを提供し、ウェーハのダイシング(切断)プロセスに寄与しています。

精密測定機器:
「東京精密」: 半導体ウェーハの表面検査やメトロロジー装置を提供し、製品品質の向上に貢献しています。

水処理技術:
「オルガノ」: 半導体製造に必要な超純水の生成システムや廃水処理技術を提供し、製造プロセスの持続可能性に貢献しています。

これらの企業は、半導体サプライチェーンの様々な段階で業界を支えており、それぞれが特化した技術や製品で市場に貢献しています。日本企業の高い技術力と品質は世界中で評価されており、グローバルな半導体産業の発展に不可欠な役割を担っています。

AIからの回答

解説

中小規模の日本企業を質問したのですが、信越科学や東京エレクトロン、京セラといった時価総額数兆円規模の大企業も含まれていますね。。。。。でも時価総額が百兆円を超えるNVIDIAを要するアメリカのAIからすると、日本の大企業は中小規模という理解なのかもしれません😅

とはいうものの、東京精密オルガノといった、時価総額数千億円規模の日本基準で言うところの中規模企業も含まれているところは、参考になります。

もしもより多くの日本の半導体関連企業を知りたければ、AIに追加の質問をすれば、さらに投資対象になり得る企業を紹介してくれます。

まとめ

以上になります。いかがでしたでしょうか。

今話題の産業、自分の理解したい業界について、大枠を理解する方法、そして、関連する投資対象や転職先候補となり得る企業の見つけ方についてお話ししました。

たとえ自分が知りたい産業に対して、「何がわからないのかもわからない状態」であっても、最初のステップとなる「切り口」を、AIは複数の提案をしてくれます。その中から、自分の目的にあった「切り口」を見つけ、AIに質問を重ねることにより、産業の大枠を理解し始め、最終的には大枠を理解し、具体的な企業をしることができます。

月額20ドルほどかかりますが、ご興味があれば、ぜひAIを活用してみてください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

免責事項:
当記事は特定の銘柄の投資を奨励するものではありません。また、内容の正確性を保証するものでもありません。投資はご自身の判断で自己責任でお願いします。

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