ウィズ、ナイトスケープ 1_4 レインボーローズの蕾
可燃性の液体特有の鼻につく臭いに眉を顰めながら、ソフィーはとん、とコンクリートの床に足をつける。どてん、とソフィーの後ろで音がしたから後ろに目線を向けると、そこには香奈子が着地に失敗していた。慌てて立ち上がった彼女と、ほとんど同時に、部屋にいた男が慌てたように二人に向けてライターを向ける。それは百円ショップでも取り扱っている、使い捨ての、簡易的な火炎魔法が込められたものだ。普通であれば、ごくごく小さな炎を生み出すしかできないそれでも、これだけ可燃性の気体や液体で塗れている場