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創作仮原稿置き場

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一次創作の進捗を投稿したり、仮原稿を投稿します。 メンバーシップの参加者は無料で読むことができます。
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記事一覧

【作業進捗】4_1 鯨日和【ウィズ、ナイトスケープ】

【作業進捗】4_1 鯨日和【ウィズ、ナイトスケープ】

 ラファエルが向かった先は、ショッピングセンターと看板を掲げている、二階建てのスーパーマーケットだった。バイクを駐輪場に停めると、彼女は店内に向かう。部外者が出入りしても目立たず、それでいて違和感のある行動をしても咎められない場所。そこにあるかもしれないと考えれば、探すのは彼女にとって簡単だった。

【作業進捗】嗤うノウゼンカズラ3日目-朝

【作業進捗】嗤うノウゼンカズラ3日目-朝

 朝早くからユウキとベルクに連れられてアランが訪れたのは、第一区域にある巨大な研究所だった。医療施設も併設しているらしく、エントランスまでついてきてくれたベルクが、帰りはふたりそろって迷子になるなよ、と鼻で笑われる。実際、トランペッター・バーナード島に住んでいるユウキも初めて訪れる場所であったために、第一区域に着いたときに少し迷子になったのだ。
 医療施設のほうにむかうベルクに、気をつけます、とア

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【作業進捗】ウィズ、ナイトスケープ4 鯨日和

【作業進捗】ウィズ、ナイトスケープ4 鯨日和

 連日報道がかかるほど、その連続爆発事件は起こっていた。
 空き地にぽつん、と置かれている袋――それも、ぱんぱんに膨らんだビニール袋が放置されているから、と触れた瞬間、猛烈な異臭とともに爆発するのだ。中に釘のような危険物が入っていないだけマシなのだが、その爆発の威力は十二分に人を傷つけることが出来るものだ。
 警察も犯人を特定するために懸命に捜査を続けているのだが、異臭を伴った爆発騒ぎは不定期に、

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【進捗確認】ウィズ、ナイトスケープ4 鯨日和

【進捗確認】ウィズ、ナイトスケープ4 鯨日和

 連日報道がかかるほど、その連続爆発事件は起こっていた。
 空き地にぽつん、と置かれている袋――それも、ぱんぱんに膨らんだビニール袋が放置されているから、と触れた瞬間、猛烈な異臭とともに爆発するのだ。中に釘のような危険物が入っていないだけマシなのだが、その爆発の威力は十二分に人を傷つけることが出来るものだ。

【作業進捗】ウィズ、ナイトスケープ3_2 デビルオブスライミーズ

【作業進捗】ウィズ、ナイトスケープ3_2 デビルオブスライミーズ

「この度は本当にすいませんでした」

 そう言うと、詫びのラーメンです、と瀬田は続ける。そんな彼に、いいねえ、とソフィーは指笛を鳴らし、香奈子はトッピングマシマシにしていいですか、と躊躇う事なく尋ねる。俺の財布は気にして欲しいけど気にしなくていいよ、と苦しそうな顔をする瀬田をよそに、ニクラスはメニュー表を見ては、一番高いものに一番高いトッピングつけますかね、とケロリとして言う。

「いやー、俺が全

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ウィズ、ナイトスケープ 3_2 デビルオブスライミーズ

ウィズ、ナイトスケープ 3_2 デビルオブスライミーズ

「この度は本当にすいませんでした」

 そう言うと、詫びのラーメンです、と瀬田は続ける。そんな彼に、いいねえ、とソフィーは指笛を鳴らし、香奈子はトッピングマシマシにしていいですか、と躊躇う事なく尋ねる。俺の財布は気にして欲しいけど気にしなくていいよ、と苦しそうな顔をする瀬田をよそに、ニクラスはメニュー表を見ては、一番高いものに一番高いトッピングつけますかね、とケロリとして言う。

嗤うノウゼンカズラ 2日目夜(進捗確認)

嗤うノウゼンカズラ 2日目夜(進捗確認)

 深夜。第三区域の奥まった港にある、再開発が予定されている半ば放棄された倉庫街の一角にある、コンテナの中にベルクはいた。
 常と変わらぬ黒地のストライプジャケットに、無地の黒いスラックス。赤地に深い赤色のトライバル模様が目立つシャツ。黒いネクタイと、黄金色のネクタイピンが彼がまだ眠る予定がないことを見せつけている。

ウィズ、ナイトスケープ プロローグ第一稿

ウィズ、ナイトスケープ プロローグ第一稿

「新しく配属された、外山香奈子です! 得意な魔法は転送魔法、自分を転送させるタイプの魔法で、同行者は総合計自分の体重までです!」

 ぱちぱち、とまばらに拍手が上がる。がちがちに緊張していた香奈子は、とりあえず受け入れてもらえたことに安堵し、ふう、と息を吐く。
 ややぽっちゃりとした体型の彼女は、好きで太ったわけではない。無論、脂肪のうちにしっかりと筋肉が潜んでいる。ただ、彼女が得意とする魔法が体

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嗤うノウゼンカズラ1日目-昼02 初稿

「で、気になってる店ってどこなんですか」
「そんなに急かすんじゃねえ。お前、観光客だろ。その辺でもキョロキョロしてたらどうだ」
「いや、まあ、観光客……になるのか……?」
「それともあれか? 死んで保証金狙いか。そいつは悪いことしたな」
「むしろ、生き延びての賞金狙いですね!」
「そいつぁおたくにゃ無理だろ」
「否定が早い!」

嗤うノウゼンカズラ1日目-01 第二稿

たたき台

「カッコイイなこれ……シンプルで……」
 
 アランは手首に巻かれたスマートデバイスを見ていた。手首を捻ったり、あちこちの角度から見ても、それはただのシルバーの飾り気のないブレスレットだ。ブレスレット、というにはいささか男性的で無骨なデザインであるのは否めないのだが。
 旅行者全員に装着されたそれは、現金をチャージして電子決済できるだとか、生命反応の確認のためとかなんとか……あとはなん

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嗤うノウゼンカズラ1日目昼-1 第一稿

仮タイトル。煮詰まってきたので1度吐き出し

「カッコイイなこれ……シンプルで……」
 
 アランは手首に巻かれたスマートデバイスを見ていた。手首を捻ったり、あちこちの角度から見ても、それはただのシルバーの飾り気のないブレスレットだ。ブレスレット、というにはいささか男性的で無骨なデザインであるのは否めないのだが。
 旅行者全員に装着されたそれは、生命反応の確認のためとかなんとか……あとはなんか言っ

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嗤うノウゼンカズラ プロローグ 第二稿

 この世界は総じてわりとクソなところが多いと思う。
 例えば、両親が蒸発するとか。例えば、蒸発した両親がアホみたいな額面の借金の連帯保証人になっていたとか。例えば、残された子どもが、その借金をこつこつ返済しているとか。例えば、子どもの妹が病気で、治療のために多額の金が必要だということとか。
 まあ、世の中にはそんなクソを、全て背負って生きる青年も存在する。哀れにも、可哀想なことに。

嗤うノウゼンカズラ プロローグ 第一稿

 この世界は総じてわりとクソなところが多いと思う。
 例えば、両親が蒸発するとか。例えば、蒸発した両親がアホみたいな額面の借金の連帯保証人になっていたとか。例えば、残された子どもが、その借金をこつこつ返済しているとか。例えば、子どもの妹が病気で、治療のために多額の金が必要だということとか。
 まあ、世の中にはそんなクソを、全て背負って生きる青年も存在する。哀れにも、可哀想なことに。