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見る場所を見る──鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

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#鳥取

イラストで見る、倉吉市内・郡部の映画館&レンタルビデオショップ史(2)

イラストで見る、倉吉市内・郡部の映画館&レンタルビデオショップ史(2)

見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト2021年から実施している「見る場所を見る」の第4弾(8月開催の「見る場所を見る2+」を含む)となる展覧会「見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」をGallery そらで開催中です。このnoteでは、会場で配布している「鑑賞ガイド」に収録の展覧会第1部解説文「イラストで見る、倉吉市内・郡部の

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イラストで見る、倉吉市内・郡部の映画館&レンタルビデオショップ史(1)

イラストで見る、倉吉市内・郡部の映画館&レンタルビデオショップ史(1)

見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト
2021年から実施している「見る場所を見る」の第4弾(8月開催の「見る場所を見る2+」を含む)となる展覧会「見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」が、本日12月21日(木)からGallery そらで始まりました。会期中はあいにく雪が続く見込みで、かつ年末の慌ただしい時期の開催となりますが、

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なぜいま「映画館」を顧みるのか──「娯楽の殿堂・世界館」、そして「初期動画」研究としての地方映画(館)史

なぜいま「映画館」を顧みるのか──「娯楽の殿堂・世界館」、そして「初期動画」研究としての地方映画(館)史

鳥取市歴史博物館で開催中の展覧会「ここが発信地!娯楽の殿堂・世界館──ノンフィルム資料に残された、鳥取の老舗映画館の足跡」を再見した。その際に感じたことや考えたことを備忘録的に残しておきたい。殴り書きのため、思いつきにすぎない箇所や混乱した箇所も多いが、ここ数年目指してきたことの大枠は描けているのではないかと思う。

展覧会「娯楽の殿堂・世界館」展覧会「ここが発信地!娯楽の殿堂・世界館──ノンフィ

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地方映画史研究のための方法論(23)抵抗の技法と日常的実践①——ギー・ドゥボール『スペクタクルの社会』と状況の構築

地方映画史研究のための方法論(23)抵抗の技法と日常的実践①——ギー・ドゥボール『スペクタクルの社会』と状況の構築

見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト
見る場所を見る3——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)

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見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

2021年から実施している「見る場所を見る」の第4弾(8月開催の「2+」を含む)となる展覧会「見る場所を見る3——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」を、2023年12月21日(木)から26日(火)にかけてGallery そらで開催します。三ヵ年計画としてスタートしたこのプロジェクトもいよいよ最終年度。今回、倉吉と郡部のリサーチを行ったことで、当初からの目標だった鳥取県全体の映画

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地方映画史研究のための方法論(4)ジェフリー・バッチェンのヴァナキュラー写真論

地方映画史研究のための方法論(4)ジェフリー・バッチェンのヴァナキュラー写真論

鳥取の自主上映活動と地方映画史『映画愛の現在』全三部上映会 於PARA神保町

2023年5月20日(土)にPARA神保町で『映画愛の現在』三部作が上映される。常設映画館が三館しかない鳥取で、見たい映画を自分たちの手で上映する活動を続ける自主上映団体・個人を訪ねたドキュメンタリー。鳥取が舞台ではあるが、どの地域に暮らす映画愛好者にも見てもらえる一般性を持った作品になっていると思う。この機会に、ぜひ

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地方映画史研究のための方法論(1)ミシェル・フーコーの考古学的方法

地方映画史研究のための方法論(1)ミシェル・フーコーの考古学的方法

見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト2023年3月31日に、展覧会記録集『見る場所を見る2——鳥取・米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史』(Clara、佐々木友輔、杵島和泉 著、鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)を刊行した。

「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもと

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米子市・境港市内のビデオレンタルショップ年表(あるいは風景論としての年表制作)

米子市・境港市内のビデオレンタルショップ年表(あるいは風景論としての年表制作)

展覧会「見る場所を見る2——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」(2023年1月30日〜2月5日)の開催に向けて、米子・境港市内のビデオレンタルショップ年表を作成した。会期までにもう少し手直ししたいが、ひとまずここに暫定版を公開する。(ヘッダー画像は、Googleストリートビューに記録されていた2014年8月の「ビデオハウスアングル」。)

レンタルビデオ店に関する資料は、映画館

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見る場所を見る2——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

見る場所を見る2——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

昨年度に引き続き、今年度も「鳥取の映画文化」をテーマとする展覧会「見る場所を見る」を開催します。

第2弾となる今回は、鳥取県西部の米子市・境港市の映画館とビデオレンタル店を調査し、鳥取で活動するイラストレーターClaraさんによるイラストで、在りし日の姿の再現を試みます。

また今回、鳥取大学地域学部の学生・杵島和泉さんが新たに企画者に加わりました。前回の展覧会で来場者からご提供いただいた資料を

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名作で辿る、鳥取の地方映画史と自主上映史Part1――SCOOLシネマテークに寄せて③

名作で辿る、鳥取の地方映画史と自主上映史Part1――SCOOLシネマテークに寄せて③

8月19日(金)〜8月21日(日)に、佐々木敦さんの運営するスペースSCOOLで、新作と過去作を織り交ぜた特集上映を行うことになりました。このnoteでは、何回かに分けて上映作品の紹介と、作品をより楽しめるかもしれない裏話&制作背景を書いてみようと思います。第3回は、長編ドキュメンタリー『映画愛の現在』三部作について。

鳥取の自主上映活動——『映画愛の現在』三部作2016年に東京から鳥取に移り住

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見る場所を見る——鳥取映画小史④

見る場所を見る——鳥取映画小史④

2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。

第1章「劇場と活動写真(1898〜1936)」
第2章「戦争・災害からの復興(1937〜1958)」
第3章「テレビの登場と自主上映ブーム(1959〜1982)」

(1月24日から始まる展示に向けて

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見る場所を見る——鳥取映画小史③

見る場所を見る——鳥取映画小史③

2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。

第1章「劇場と活動写真(1898〜1936)」

第2章「戦争・災害からの復興(1937〜1958)」

第3章 テレビの登場と自主上映ブーム(1959〜1982) 市内に九館が並立し、戦前を超えるほ

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見る場所を見る——鳥取映画小史②

見る場所を見る——鳥取映画小史②

2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。

 第1回はこちら(見る場所を見る——鳥取映画小史①)

第2章 戦争・災害からの復興(1937〜1958)
四館体制が定着しつつあった映画に「撹乱」をもたらしたのは、戦争と災害でした。1937(昭和1

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見る場所を見る——鳥取映画小史①

見る場所を見る——鳥取映画小史①

映画の生態系を記述する2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。この展覧会は、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタルビデオショップを調査し、Claraによるイラストを通じて当時の記憶を復元する試み。そこに筆者(佐々木友輔)作成の年表と解説文を

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