佐々木友輔

映像作家/鳥取大学地域学部で教員をしている/揺動/風景論映画/ドキュメンタリー/鳥取の地域映画史と公共上映/🦀蟹/鴨🦆/アイコンは品岡トトリさんに描いていただきました。

佐々木友輔

映像作家/鳥取大学地域学部で教員をしている/揺動/風景論映画/ドキュメンタリー/鳥取の地域映画史と公共上映/🦀蟹/鴨🦆/アイコンは品岡トトリさんに描いていただきました。

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      ミュージックビデオの身体論

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      鳥取県中部のミニシアター「jig theater」と、倉吉シネマエポックで行われた企画「〇〇と映画」に関連する記事です。

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    地方映画史研究のための方法論(5)「観客」の発見①——クリスチャン・メッツの精神分析的映画理論

    「Experimental Film Culture vol. 5 in Japan ~ポレポレオルタナティブ~」2023年6月1日(木)から4日(日)にかけて行われる「Experimental Film Culture vol. 5 in Japan ~ポレポレオルタナティブ~」にて、『映画愛の現在』三部作とデビュー作『手紙』の上映が行われる。 『映画愛の現在』は、常設映画館が三館しかない鳥取で、見たい映画を自分たちの手で上映する活動を続ける自主上映団体・個人を訪ねたドキ

      • 芸術と教育をめぐる無数のジレンマを乗り越えるために——「アイアイ」プロジェクト報告フォーラム×トットローグについて

        鳥取県を中心として、美術教育・鑑賞教育を実践する人々にインタビューをするリサーチプロジェクト「アイアイ」のプロジェクト報告会が、2023年5月20日(土)に鳥取大学 アートプラザで行われる。第1部はプロジェクトリーダー蔵多優美さんによる報告。第2部では渡邊太さん(鳥取短期大学 国際文化交流学科)、永江靖幸さん(鳥取県立境高等学校)、佐藤真菜さんと外村文さん(鳥取県立博物館美術振興課)をゲストに迎えてのクロストーク。会場参加だけでなく、オンライン参加も受け付けている。 「アイ

        • 地方映画史研究のための方法論(4)ジェフリー・バッチェンのヴァナキュラー写真論

          鳥取の自主上映活動と地方映画史『映画愛の現在』全三部上映会 於PARA神保町 2023年5月20日(土)にPARA神保町で『映画愛の現在』三部作が上映される。常設映画館が三館しかない鳥取で、見たい映画を自分たちの手で上映する活動を続ける自主上映団体・個人を訪ねたドキュメンタリー。鳥取が舞台ではあるが、どの地域に暮らす映画愛好者にも見てもらえる一般性を持った作品になっていると思う。この機会に、ぜひご覧いただきたい。 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 2

          • 地方映画史研究のための方法論(3)エルキ・フータモのメディア考古学

            見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉さんが加わって、第2弾の展覧会(米子・境港市内編)を開催し

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            地方映画史研究のための方法論(2)ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』

            見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉さんが加わって、第2弾の展覧会(米子・境港市内編)を開催し

            地方映画史研究のための方法論(1)ミシェル・フーコーの考古学的方法

            見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト2023年3月31日に、展覧会記録集『見る場所を見る2——鳥取・米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史』(Clara、佐々木友輔、杵島和泉 著、鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)を刊行した。 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによ

            ミュージックビデオの身体論② 顔とクロースアップ

            2-1. 演奏する身体のクロースアップ楽曲を演奏・歌唱するアーティストの身体は、多くのMVにおいて作品の中心的な役割を占めている。ボーカルの歌う表情やギタリストの弦を爪弾く手元、リズムを刻む足元や演奏中の些細な仕草がクロースアップで切り取られ、画面上に映し出される。1916年にいち早く本格的な映画論『映画劇——その心理学的研究』を著したことで知られる心理学者ヒューゴ・ミュンスターバーグは、映画が舞台芸術を超える力を持つに至ったのは、クロースアップが私たちの知覚世界において「注

            ミュージックビデオの身体論① 多面的で全体的なイメージ

            1-1 MVを通じて「身体」を考える人は何を求めてミュージックビデオ(MV)を見るのか。そこから何を受け取り、何を引き出すことができるか。答えはそれぞれ異なるだろうが、私はこれから、「身体」というキーワードを軸としてMVを見ることを始めてみたいと思う。 動機は個人的なものだ。つい最近、ちょっとしたMVを撮る機会を得て、準備を進めながら「そもそもMVとは何だろう」「自分はMVのどこに惹かれていたのだろう」と考えるようになった。その過程で、MVへの関心と、常日頃から抱いていた「

            境港と大篠津の映画館&レンタルビデオショップ史

            2023年1月30日(月)〜2月5日(日)にかけて、Gallery そらで行う展覧会「見る場所を見る2」の第1部「イラストで見る、米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を5回に分けて掲載します。今回ご紹介するのは、境港と大篠津の映画館とレンタルビデオ店。 バックナンバーは以下のリンクから読めます。 境港と大篠津の映画館とレンタルビデオ店最後に、境港市と大篠津町(1954(昭和29)年に米子市に合併)の映画館とレンタルビデオ店を紹介しま

            米子市内の映画館&レンタルビデオショップ史④ オルタナティブな上映の場

            2023年1月30日(月)〜2月5日(日)にかけて、Gallery そらで行う展覧会「見る場所を見る2」の第1部「イラストで見る、米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を5回に分けて掲載します。 バックナンバーは以下のリンクから読めます。 オルタナティブな上映の場(1996〜2023)1997年(平成9)年、米子松竹1・2が閉館しました。建物の老朽化が進み、駐車場もなかったために、若い観客が倉吉のシネマエポックや島根県松江市のシネコン

            米子市内の映画館&レンタルビデオショップ史③ 映画館の減少、スクリーン数の維持

            2023年1月30日(月)〜2月5日(日)にかけて、Gallery そらで行う展覧会「見る場所を見る2」の第1部「イラストで見る、米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を5回に分けて掲載します。 バックナンバーは以下のリンクから読めます。 映画館の減少、スクリーン数の維持(1970〜1995)70年代には、戦前から米子の映画文化を支えた映画館が相次いで閉館します。ひとつは米子グランド映画劇場。長らく同館を支えてきた支配人・内田誠さんの

            米子市内の映画館&レンタルビデオショップ史② 最盛期の7館体制

            2023年1月30日(月)〜2月5日(日)にかけて、Gallery そらで行う展覧会「見る場所を見る2」の第1部「イラストで見る、米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を5回に分けて掲載します。 前回(第1回)の記事は以下からお読みください。 また、展覧会の第2部「紙の上のスクリーンーー鳥取の映画館と「読む」メディア」(企画:杵島和泉)の解説文も以下から読むことができます。 最盛期の7館体制(1945〜1969)第二次世界大戦が終結

            米子市内の映画館&レンタルビデオショップ史① 密集する劇場、度重なる火災

            2023年1月30日(月)〜2月5日(日)にかけて、Gallery そらで行う展覧会「見る場所を見る2」の第1部「イラストで見る、米子・境港市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。この展覧会は、米子・境港市内にかつてあった映画館およびレンタルビデオショップを調査し、Claraによるイラストを通じて当時の記憶を復元する試み。そこに筆者(佐々木友輔)作成の年表と解説文を付し、米子・境港市内の映画史が概観できるようにする予定です

            津村喬「鏡の国のゴダール——イタリアへの旅あるいは〈黒画面〉試論」を読む

            前回に引き続き、次は津村喬「鏡の国のゴダール——イタリアへの旅あるいは〈黒画面〉試論」(『映画批評』1970年3月号、新泉社)を読んでみることにしたい。特集上映「ゴダールマニフェスト」に関連して、主に『イタリアにおける論争』について書かれた論考で、足立正生や蓮實重彥らとの間で議論された「黒画面」論争の発端となったことでも知られている。 三つの次元における旅 津村喬は1970年10月から始まった特集上映「ゴダールマニフェスト」を取り上げ、同特集によって、1960年代から70年

            原将人『世界‐内‐存在の風景論的眺望』を読む

             原将人の論考「世界‐内‐存在の風景論的眺望」は、第二次『映画批評』創刊号(新泉社、1970年10月)に掲載され、後に単著『見たい映画のことだけを……』(有文社、1977年)にも「風景論的眺望」と改題して収録された。同論は、原将人の映画制作の方法を知る上でも、また松田政男や足立正生、中平卓馬らによって議論された風景論争を読み解く上でも、欠かすことのできない重要な位置を占めている。だが、私も含めて当時を知らない世代にとっては、原将人という映画作家を取り巻いていたコンテクストを正

            2022年の活動

            2022年の活動をまとめた。予定通りに進まなかったことがたくさんあるが、今年はいろいろ厳しい問題に直面したので、ひとまず活動を続けられただけでも及第点と言えるかもしれない。とりあえず手だけは動かしている。 1月「見る場所を見る——アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」 2月『映画愛の現在』三部作上映/第14回恵比寿映像祭「スペクタクル後」 3月NHK Eテレ「手話で楽しむみんなのテレビ」怪談・奇談編(脚本執筆) 「水戸芸術館クリテリオム98 西澤諭志」