ささきゆうすけ

映像作家、企画者。取手→赤羽→鳥取。

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    スライドが映画になるとき――SCOOLシネマテークに寄せて①

    8月19日(金)〜8月21日(日)に、佐々木敦さんの運営するスペースSCOOLで、新作と過去作を織り交ぜた特集上映を行うことになりました。このnoteでは、何回かに分けて上映作品の紹介と、作品をより楽しめるかもしれない裏話&制作背景を書いてみようと思います。第1回は、新作『上り終えた梯子は棄て去らねばならない』について。 オンデマンド授業動画映画 2020年の春、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、大学は一ヶ月の準備期間を置き、5月からオンライン中心の授業を展開するこ

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      • 傷つくことや傷つけることに慣れきってしまわないために――『コールヒストリー』上映 於 jig theater

        2019年に制作した映画『コールヒストリー』を、鳥取県湯梨浜町のjig theaterで上映していただくことになりました。作品選択に妥協のない、信頼するお2人に自作を認めてもらえたこと、しかもjig theaterの1周年記念上映に選んでいただいたことを、光栄に思っています。 『コールヒストリー』は、表面上は何も起こらない映画です。おそらく二度と会うこともないであろう誰かと交わした一言・二言に覚えた違和感が、ずっと胸につっかえて、次第に心を侵していく。端から見れば何も起こっ

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        • 信じるに足る言葉のために

          言葉を発することができない、という感覚が生じ始めてから、いつの間にか10年近く経ってしまった。 私を知る人は、嘘をついていると思うだろう。お前は文章を書き、トークイベントに出て、今は大学で講義もしている。映像作家としては饒舌すぎるほど喋り続けてきたじゃないか。今もこうして書き散らかしているじゃないか、と。 もちろんそれはそうなのだけれど、当人としては、肝心なことは何一つ言えてないという実感がある。しかもそれは、どこまでも言語表現を突き詰めようとする向上心がハードルを上げて

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          • 孫大輔『うちげでいきたい』2022年

            町の人と映画を作ること・見ることが健康につながるのではないか、という想いから制作された地域映画『うちげでいきたい』を見た。地域における在宅看取りを題材とし、鳥取大学医学部の教員である孫大輔が監督をつとめている。上映日は2022年4月3日。場所は、なかやま温泉・生活想像館わくわくホール。 「演じること」についての物語だが、映画そのものが演技をしているように感じた。フィクションの映画において、役者が演じることは至極当然と思われるかもしれないが、『うちげでいきたい』では、脚本執筆

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            • 傷つくことや傷つけることに慣れきってしまわないために――『コールヒストリー』上映 於 jig theater

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              • 信じるに足る言葉のために

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                • 孫大輔『うちげでいきたい』2022年

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                  • かんのさゆり「New Standard Landscape」於 石巻のキワマリ荘

                    2022年3月、石巻のキワマリ荘でかんのさゆりの写真展を見た。以下、備忘録として残しておく。いつか機会があれば、前回の西澤諭志展と併せてもう少し丁寧に論じてみたい。 まだ目立った汚れもない、清潔で真新しい外壁材が印象的な住宅地。アスファルトとコンクリートで塗り固められた地面。茫漠とした荒地を覆うブルーシート——。かんのさゆりが「New Standard Landscape」と呼ぶ風景は、彼女が東北芸術工科大学在学時に教員をつとめていた小林のりおの写真集『LANDSCAPES

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                    • 水戸芸術館クリテリオム98 西澤諭志

                      2022年3月、水戸芸術館で西澤諭志の写真展を見た。以下、備忘録として残しておく。  例えば長崎県島原市平成町、島原復興アリーナで撮られた写真。遠くにそびえる雲仙普賢岳を背にして、サッカー日本代表のユニフォームを着た坂本龍馬像が佇んでいる。さらにその手前の広場では、お揃いのユニフォームを着た中学生か高校生の一団が時間を持て余している。島原に龍馬像が設置されていることについては、ここは龍馬ゆかりの地(彼が初めて長崎に足を踏み入れた場所)だからというもっともらしい理由がつけられ

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                      • 「映画による場所論」を再起動する

                        都市の全域的なリアリティを求めて 鳥取であれ茨城であれ、沖縄であれ東京であれ、わたしたちは特定の「都市」あるいは「地域」と呼ばれるものを容易に思い浮かべることができる(と信じている)。が、それを具体的に説明しろと言われれば、途端に言葉に詰まってしまう。わたしの頭の中にある「鳥取」は、都道府県や市区町村の地理区分で表せるものではないし、鳥取砂丘や湖山池などの有名なランドマークで語り尽くせるようなものでもない。人口最小県であるとか、新型コロナ感染者数最小県といった説明も、ある一側

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                        • あなたに映画を愛しているとは言わせないなんて言わせない

                          2022年2月12日(土)に恵比寿映像祭で『映画愛の現在』三部作が上映される。「映画愛」と銘打ってはいるが、特定の「愛」のかたちを鑑賞者に押し付けることを意図したわけではない。むしろこの映画が訴えかけるのは次の一言だ。 「あなたに映画を愛しているとは言わせない」なんて、絶対に言わせない。 いびつな愛高校時代から個人制作の映画を撮り、作品論や作家論も書いてきたわたしにとって、映画を見ることはいつしか、楽しみというより義務のような行為になっていた。「日々、浴びるように映画を見

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                          • 見る場所を見る——鳥取映画小史⑤

                            2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。 第1章「劇場と活動写真(1898〜1936)」 第2章「戦争・災害からの復興(1937〜1958)」 第3章「テレビの登場と自主上映ブーム(1959〜1982)」 第4章「映画とビデオ(1983〜2000)」 第5章 映画とインターネット(2001〜2022)  1990年代後

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                            • 見る場所を見る——鳥取映画小史④

                              2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。 第1章「劇場と活動写真(1898〜1936)」 第2章「戦争・災害からの復興(1937〜1958)」 第3章「テレビの登場と自主上映ブーム(1959〜1982)」 (1月24日から始まる展示に向けて年表を作成中です。) 第4章 映画とビデオ(1983〜2000)  テレビとの

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                              • 見る場所を見る——鳥取映画小史③

                                2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。 第1章「劇場と活動写真(1898〜1936)」 第2章「戦争・災害からの復興(1937〜1958)」 第3章 テレビの登場と自主上映ブーム(1959〜1982) 市内に九館が並立し、戦前を超えるほどの活況を呈していた鳥取映画界に、テレビが新たな「撹乱」をもたらしました。195

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                                • アーティストにとってリサーチとは何か

                                  アーティストにとって「リサーチ」とは、いかなる制作においても「原則としてやるべきこと」である。だから本来、他と区別して「リサーチ型アート」などと名乗る必要もないはずだ。そのような認識を前提として、アートとリサーチの関係について考えてみる。 アーティストがリサーチを前面に押し出す時、そこには「これはリサーチである」=「学術的な裏付けがある」という印象を付与しつつ、同時に「これはアートである」=「学術的な手続きをスキップしても良い」という逃げ道も確保しておくという、二重の甘えが

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                                  • 見る場所を見る——鳥取映画小史②

                                    2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。  第1回はこちら(見る場所を見る——鳥取映画小史①) 第2章 戦争・災害からの復興(1937〜1958) 四館体制が定着しつつあった映画に「撹乱」をもたらしたのは、戦争と災害でした。1937(昭和12)年7月に日中戦争が勃発し、洋画の輸入禁止や興業時間の短縮など、映画館も国家に

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                                    • 見る場所を見る——鳥取映画小史①

                                      映画の生態系を記述する2022年1月24日(月)〜1月30日(日)にかけて、ギャラリーそらで行う展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。この展覧会は、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタルビデオショップを調査し、Claraによるイラストを通じて当時の記憶を復元する試み。そこに筆者(佐々木友輔)作成の年表と解説文を付し、鳥取市内の映画史が概観できるようにする予定です。会場に来られない方にも、ぜ

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                                      • 『劇場版 呪術廻戦 0』と存在しない記憶

                                        公開が待ち遠しくてたまらなかった。 原作の『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』は、週刊少年ジャンプで連載中の本編の前日譚。全4話、単行本では一巻で完結するコンパクトさと、その中で過不足ない見事な構成を見せつけてくれる名作で、アニメ映画化に最適な条件を揃えた作品だと前々から思っていたからだ。2020年に放送された本編のテレビアニメ版が、原作をしっかり読み込んだことが伝わる丁寧な作りだったことへの信頼感もあった。原作ファンとして、あのキャラクターたちがあの場面で動いている姿

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                                        • 地方映画史から、ただの日本映画史へ

                                           2022年になった。下記の文章を、新年の抱負の代わりとする。  2016年に鳥取に来て、映画の自主上映活動を行う人々にインタビューした『映画愛の現在』三部作を制作する中で、いわゆる「地方映画史」への関心が高まっていった。例えば鳥取コミュニティシネマの清水増夫さんは、鳥取に見たい映画がほとんど来ないことへの不満から、1970年に自ら鳥取ATG準備会(アートシアターギルドの配給映画を鳥取で上映することを目的とした団体)を立ち上げ、自主上映活動を始めたわけだが、その動機の切実さ

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