高木さおり

編集者(ヘルスケアや美容がメイン)、ウェルネスジャーナリスト。 https://san…

高木さおり

編集者(ヘルスケアや美容がメイン)、ウェルネスジャーナリスト。 https://sand.themedia.jp/

記事一覧

自分を投げ出す前に。 『自分疲れ ココロとカラダのあいだ』を読んで

「自分疲れ」。このタイトルを見て「わかる」と思った人は、きっと仲間。 自分の持病に、あるいは性格に、境遇に「もう、疲れたよ」。投げ出したくなる気持ち、自分の身に…

高木さおり
6か月前
2

エイジングケアを始めた。これは自分史の新たな節目だ。

去る11月18日(土)は、私の「エイジングケア記念日」。 はい。大袈裟ですが、今の私の心持ちはこんな感じ。 齢、40歳と9ヶ月。 その日、初めて「エイジングケア」を標榜…

高木さおり
7か月前
6

迷惑かけたくない。その感情の裏側は? 『ケアしケアされ、生きていく』を読んで

「迷惑かけるな憲法」。 著者の竹端さんオリジナルのこの言葉が 本書のキーワードでした。 言わば「迷惑をかけて当たり前」の幼少期に 周囲の「ちゃんとしなさい」「迷惑…

高木さおり
7か月前
3

喪失を知るからこそ、救える人がいるのかも  『エールは消えない』を読んで

本書を買った当初、1章の途中から辛くてつらくて これ以上は、どうしても読み進められなくて いったん本棚に戻しました。 たぶん半年以上は寝かしただろうか、 タイミン…

高木さおり
7か月前
3

イヤイヤ期で、捨てた私の些細な信念

イヤイヤ期である。噂には聞いていたが、もう本当に、容赦ない。 お昼はどうしても焼き芋が良いと言うから炎天下の中買いに出たのに 食卓に出すと「食べない!」と泣く。 …

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目の前の出来事は、すべて仮想現実だと思えばいいんだ

先日、仕事の合間になんとなくTwitterのタイムラインを眺めていると、とあるツイートが拡散されて流れてきた。元のツイートは見つからなかったけど、「生来恵まれた人」の…

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心地よさ重視の仕事の進め方と、その副作用と

キッチンの洗い物を、突如ためなくなった話を以前書いた。 同じことが、自分の仕事のスケジュール管理にも起こったことを思い出した。上の記事のNLP講師の方を取材して、…

2

病気の治療を、止めるとき。そこで選ぶ「心地よさ」

これまでいくつの治療を経験したか、それにいくら払ったか、もうカウントしきれない。子どもの頃から、命に関わらないとはいえ常に疾患とともにあった。そんな私を指して、…

1

魔法を求めるときの自分は、どこか依存的

この病気が、寝て起きたらすっきり完治している…そんな魔法があればどんなにいいだろうと思ったことは一度や二度ではない。 子どもの頃から常に、疾患や不調と共にあった…

2

あの日から突然、シンクに洗い物を溜めない自分になった

心も体も心地よいほうを選びたいと思っている。それを日々に落とし込むきっかけの1つとして今でも覚えているのは、5年ほど前に仕事で取材した、とある経営者の言葉だった…

6

来週の引越しに向けて、荷物の山に埋もれている。まだまだ終わらない、けど引越し8度目の私は知っている。たった1個でも段ボールに入れる、1箱でも詰め終えることが引越し前夜の自分を助けることを。

これ原稿と同じだな。1文字でも、1文でも書くことが締め切り前夜の自分を助ける。ほんとに。

組合せ無限大の「フライパンでオイル蒸し」で、心の安定は保たれる

おいしいごはんを食べるのが大好きだ。人から「ここがオススメ」と聞けば、すぐさまブックマークして、最寄り駅で打ち合わせや取材があるときには必ず立ち寄るよう段取りす…

10

仕事の効率について、深夜の1時間は朝の15分。あらためて実感。わかっているのだ。ただでさえ寝不足だと頭痛になりやすいのに(これもログをとってるからわかってる)。昨日、日付が変わる前に寝るべきだったよ、という戒め的なつぶやき。

お風呂は私の仕事部屋

原稿が差し迫ったり、煮詰まったりしているときほど、お風呂にじっくり浸かる時間を大切にしている。 お風呂に入るまでに終わらせた、取材音声のテープ起こしや、取材内容…

2

頭痛ログを取ってみたらわかった2つの傾向

思い返せば、子どもの頃から頭痛持ちだった。小学校の頃から、月に1度はオレンジ色のパッケージの小児用バファリンを飲んでいたし、母はそんな私のためにいつも小分けした…

1

子育てに「普通」はない、って何度も言い聞かせる

子どもの成長がその月齢の「普通」と比べて、早いのか遅いのか、以前は気にしないようにしよう、気にしたくない、と思いながらも、いやいややっぱり気にしていたような気が…

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自分を投げ出す前に。 『自分疲れ ココロとカラダのあいだ』を読んで

「自分疲れ」。このタイトルを見て「わかる」と思った人は、きっと仲間。 自分の持病に、あるいは性格に、境遇に「もう、疲れたよ」。投げ出したくなる気持ち、自分の身にも覚えありです。 本書の著者、頭木弘樹さんは国指定の難病「潰瘍性大腸炎」に罹患しています。13年間の闘病生活を救ったのは、数々の文学作品でした。 本書引用される文学作品の言葉がどれもが身にしみる。例えばこちら、 山田太一さんの作品集からの言葉。 わかるよ! そうやって、いびつな形で自分を鼓舞してみた経験、私にも

エイジングケアを始めた。これは自分史の新たな節目だ。

去る11月18日(土)は、私の「エイジングケア記念日」。 はい。大袈裟ですが、今の私の心持ちはこんな感じ。 齢、40歳と9ヶ月。 その日、初めて「エイジングケア」を標榜する スキンケアアイテムを購入しました。 振り返れば20代の頃は 「アンチ・アンチエイジング」とでも言うべきか 「自然に枯れていくことこそ、善」という考えでした。 だから、 シワ・たるみを改善したいなど そんなのは「自然じゃない」とかなんとか ハリに満ちたシワ一つない肌を光らせながら 語っていたわけですね

迷惑かけたくない。その感情の裏側は? 『ケアしケアされ、生きていく』を読んで

「迷惑かけるな憲法」。 著者の竹端さんオリジナルのこの言葉が 本書のキーワードでした。 言わば「迷惑をかけて当たり前」の幼少期に 周囲の「ちゃんとしなさい」「迷惑かけないで」という声にさらされるうち 冒頭の「憲法」を自分に内面化してしまう人は多い。 「迷惑かけるな憲法」は、 絶対的なものとして社会に君臨してしまっている。 「迷惑かけるな憲法」…これ私自身、 思い当たる節が、ありすぎるのです。 例えば、つい先日もこんなことがありました。 4歳の子どもと公園に行って ボール

喪失を知るからこそ、救える人がいるのかも  『エールは消えない』を読んで

本書を買った当初、1章の途中から辛くてつらくて これ以上は、どうしても読み進められなくて いったん本棚に戻しました。 たぶん半年以上は寝かしただろうか、 タイミングが巡ってきて読み始めたら、 やっぱり涙が溢れて胸が締め付けられて たまらなかったけど、今回は一気に読了しました。 著者の志村季世恵さんは 日本でダイアログ・イン・ザ・ダークなどを開催する ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」の代表理事。 そして、 大切な家族を病や自死、事故死などで失った方々と

イヤイヤ期で、捨てた私の些細な信念

イヤイヤ期である。噂には聞いていたが、もう本当に、容赦ない。 お昼はどうしても焼き芋が良いと言うから炎天下の中買いに出たのに 食卓に出すと「食べない!」と泣く。 朝ごはんに出したキウイの切り方が小さかっただけで「食べない!」 自分の好きな方のスプーンじゃなかっただけで「ちがう!青い方!」 ならば、と青い方を出すと「いらない!」。なら、どれを!? (結局ヨーグルトの景品で付いてきた木のスプーンで手打ち) ここのところ、万事この調子。 理不尽だよ、とかそういう大人の論理は通用

目の前の出来事は、すべて仮想現実だと思えばいいんだ

先日、仕事の合間になんとなくTwitterのタイムラインを眺めていると、とあるツイートが拡散されて流れてきた。元のツイートは見つからなかったけど、「生来恵まれた人」の具体例について語られたもので、それを見つけた私は、うんうん、こういうことってあるよねぇ。と、ぼんやりとした感想を浮かべた。いつもならここで流すのだけど、その日はなぜか、これまたなんとなくこのツイートにぶら下がったリプライ欄まで進んだのだ。 そしたら、この短いリプライが目に飛び込んできて、胸に突き刺さった。 悩

心地よさ重視の仕事の進め方と、その副作用と

キッチンの洗い物を、突如ためなくなった話を以前書いた。 同じことが、自分の仕事のスケジュール管理にも起こったことを思い出した。上の記事のNLP講師の方を取材して、自分の体感にフォーカスするようになったのは前述の通り。 編集者には、著者やライター、デザイナー、イラストレーターなど複数の仕事を管理しながら決められた校了日に向かってみんなを導いていく役割がある。例えば、ライターが原稿に取り掛かること一つとっても、その前にデザイナーにレイアウトのフォーマットをお願いして文字数を出

病気の治療を、止めるとき。そこで選ぶ「心地よさ」

これまでいくつの治療を経験したか、それにいくら払ったか、もうカウントしきれない。子どもの頃から、命に関わらないとはいえ常に疾患とともにあった。そんな私を指して、大学の友人は当時の某政治家の言葉をもじって「さおりは疾患の総合商社だね」と表現したものだ。 過去の治療、それぞれに始まりがあって、終わりがあった。風邪や虫歯、骨折のように「治ったので、これで終わりですよ」と終わるものは良い。すがすがしい気持ちで病院を後にできる。それが、原因不明の慢性疾患だとそうはいかない。 治療を

魔法を求めるときの自分は、どこか依存的

この病気が、寝て起きたらすっきり完治している…そんな魔法があればどんなにいいだろうと思ったことは一度や二度ではない。 子どもの頃から常に、疾患や不調と共にあった。「いまは何ひとつ体の不調がない、健康体!」と言えた時期はまったくなかったと思う。アトピーやら脱毛症やら、常に何かしら体に不都合が生じていて、命に関わるわけではないけれど生活に不便なことばかり。それによって日常生活において我慢したり諦めたりする事柄も多い。 風邪ならば完治するけど、それらは体質から来る慢性疾患で、調

あの日から突然、シンクに洗い物を溜めない自分になった

心も体も心地よいほうを選びたいと思っている。それを日々に落とし込むきっかけの1つとして今でも覚えているのは、5年ほど前に仕事で取材した、とある経営者の言葉だった。 なんでも、人間にはそれぞれ「視覚、聴覚、体感覚」の大きく3つの優位な部分があり、なにかの目標を達成する時にはその特性にあった方法を取るのが近道、という話だった。目標といっても、なにも仕事や人生で達成したい「大きな目標」には限らない。「例えば、掃除だって同じです」と彼は言う。当時の私は、一人暮らしだった家の中がお世

来週の引越しに向けて、荷物の山に埋もれている。まだまだ終わらない、けど引越し8度目の私は知っている。たった1個でも段ボールに入れる、1箱でも詰め終えることが引越し前夜の自分を助けることを。 これ原稿と同じだな。1文字でも、1文でも書くことが締め切り前夜の自分を助ける。ほんとに。

組合せ無限大の「フライパンでオイル蒸し」で、心の安定は保たれる

おいしいごはんを食べるのが大好きだ。人から「ここがオススメ」と聞けば、すぐさまブックマークして、最寄り駅で打ち合わせや取材があるときには必ず立ち寄るよう段取りする。ではあるけれど、毎日おいしいお店を食べ歩きたいかと聞かれると、いろんな状況(子どもがいる、そして今はコロナも)は置いておいても答えはノーだ。 だって私は、週に半分は家でごはんを作って食べないと、心も体も安定しないから。といっても、一汁三菜を作るわけでもなく、ハンバーグ、とか唐揚げ、とか立派な名のついた料理でもなく

仕事の効率について、深夜の1時間は朝の15分。あらためて実感。わかっているのだ。ただでさえ寝不足だと頭痛になりやすいのに(これもログをとってるからわかってる)。昨日、日付が変わる前に寝るべきだったよ、という戒め的なつぶやき。

お風呂は私の仕事部屋

原稿が差し迫ったり、煮詰まったりしているときほど、お風呂にじっくり浸かる時間を大切にしている。 お風呂に入るまでに終わらせた、取材音声のテープ起こしや、取材内容の要点を箇条書きしたものを頭に詰められるだけ詰め込んで、ごった煮の状態でお風呂に向かうのだ。 浴室の電気はつけない。脱衣所の電気だけつけて、お湯はぬるめの39度。薄暗いなかで首までどっぷりお湯に浸かって、ぼーっとする。ぼーっとしているようでそこまで意識せずなんとなく考えている。「構成を考えるぞ!」とか意気込む感じは

頭痛ログを取ってみたらわかった2つの傾向

思い返せば、子どもの頃から頭痛持ちだった。小学校の頃から、月に1度はオレンジ色のパッケージの小児用バファリンを飲んでいたし、母はそんな私のためにいつも小分けしたバファリンを常備薬として持ち歩いていた記憶がある。 20代の頃はその頻度も減っていたような気がするが、30代になってまたたびたび頭痛に悩まされるようになった。そして産後、それがさらにひどくなったような気がする。 頭痛が起きるタイミングには、なんとなく共通した条件があるような気がしてここ1年、手帳に頭痛のログを取って

子育てに「普通」はない、って何度も言い聞かせる

子どもの成長がその月齢の「普通」と比べて、早いのか遅いのか、以前は気にしないようにしよう、気にしたくない、と思いながらも、いやいややっぱり気にしていたような気がする。離乳食を始めた最初の1ヶ月、まっったく食べなかったことや、その後、まわりに比べて支え無しで立ったり歩いたりするのがゆっくりめだったこととか。 気にしない、マイペースでいい、なんて思いつつ、やっぱりついついその理由やら対策やらをスマホで検索してしまうし、その合間に開いた同じぐらいの月齢の子どもの成長を綴った子育て