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心地よさ重視の仕事の進め方と、その副作用と

キッチンの洗い物を、突如ためなくなった話を以前書いた。

同じことが、自分の仕事のスケジュール管理にも起こったことを思い出した。上の記事のNLP講師の方を取材して、自分の体感にフォーカスするようになったのは前述の通り。

編集者には、著者やライター、デザイナー、イラストレーターなど複数の仕事を管理しながら決められた校了日に向かってみんなを導いていく役割がある。例えば、ライターが原稿に取り掛かること一つとっても、その前にデザイナーにレイアウトのフォーマットをお願いして文字数を出さないといけないし、その前にはフォーマットを作るためのラフが必要だし、そもそもラフは完成物のコンセプトが固まらないと書けないし。あらゆる仕事が交錯しながら同時進行で進んでいく。これは多くの「仕事」がそうだと思うが、前段階の工程で滞ると、どんどん先に影響が生じる。

以前の私は、上流の工程でなかなか自分の仕事を完成させられず、流れを堰き止めがちだった。ゴールの校了日は決まっているので、その後のスケジュールが激流となる(つまり、タイトに)のはお察しの通り。方々に頭を下げて調整をして、なんとか校了に漕ぎ着ける、ということがたびたび起こった(当時、ご迷惑をかけた方々には本当にお詫びをしたいです…)。

スケジュール進行への焦りや周囲への申し訳なさ、自分の不甲斐なさ。自分の体では、胸がざわざわし、肩や首の後ろが硬くこわばり、喉の奥が熱く締めつけられるような感覚として表出していた。そのことをあらためて意識したときから、少しづつ仕事の進め方が変わっていったのだ。という気持ちに至ったのだ。

上流工程でつまづくたびにこの体感を思い出す。「もうこの体感を繰り返し味わいたくない!」。そうやって、なんとか形にして次に渡そうと前に進めることができるようになってきたと思う。

ただし副作用もある。それはスケジュールに固執しすぎること。瞬発力で仕事を片付けて次に渡すことも素晴らしいが、とにかく「仕上げること」に重きを置きすぎていないか、と。自分の手元で寝かしてみる勇気も大切だと感じる今日この頃だ。

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