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お風呂は私の仕事部屋
原稿が差し迫ったり、煮詰まったりしているときほど、お風呂にじっくり浸かる時間を大切にしている。
お風呂に入るまでに終わらせた、取材音声のテープ起こしや、取材内容の要点を箇条書きしたものを頭に詰められるだけ詰め込んで、ごった煮の状態でお風呂に向かうのだ。
浴室の電気はつけない。脱衣所の電気だけつけて、お湯はぬるめの39度。薄暗いなかで首までどっぷりお湯に浸かって、ぼーっとする。ぼーっとしているようでそこまで意識せずなんとなく考えている。「構成を考えるぞ!」とか意気込む感じは全くなくて、あくまでゆるく。たぶん、そのときの自分は、瞑想やマインドフルネスな感じというよりは、デフォルトモードネットワークが働いている状態だろう。
ちなみに、デフォルトモードネットワークについては以前書きました。
「じっくり浸かる」といっても、家族も待っているので何時間も浴槽に留まるわけじゃなく、時間にしてたぶん10分程度。決まって「そろそろあがろうかな〜」と思う頃に、頭のなかで無秩序に混在していた要点が「あっ」と突然繋がって「これで書いてみよう」と、ラフな流れが降りてくる。
お風呂のなかじゃメモもとれないから、その後は記憶力との戦いだ。頭のなかで反芻しながらバスタオルで体を拭くのもそこそこに、仕事部屋に急いで、スマホにメモをとる。
このやり方は、全体の構成を組み立てる段階にも、書き始めて煮詰まったときにも使える。もちろん仕事以外にも、人間関係やら何やらでいろいろモヤモヤしたりクヨクヨしたり、ざわざわしたりしたときにもお風呂は万能だ。ただ銭湯や温泉じゃ難しくて、1人っきりになれる狭い空間であることが私の場合は大事。
もうすぐ引っ越すので、次のお風呂との相性はどうだろうか。うまいこと仲良く馴染めたらいいのだけど。
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