サネモト

本の感想、音楽、旅行、展覧会などなど

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『あの子が考えることは変』 / 本谷有希子 | 邪悪な同居生活会話劇

いやー変な本! 話の内容うんぬんより、設定だけで常人には思いつかないパーツの組み合わせだな〜と思ってたら劇作家だということを思い出して、すげーと思いながら読んでた。 一言で言うと、いわゆるイタい女2人のワイワイ生活本。そのうちの1人の変な部分として、自分が臭いと思ってることがけっこうあらすじとか帯とかでアピールされてるけど、うーん、そこはあんまりメインじゃない気がする。 この本ですごいと思ったのは、家族の話が全然ないこと。よくあるイタい人の話であるような、家族環境の悪さ

    • 『ABURAYAMA FUKUOKA 』に行ってきた | 子連れ日帰り

      2024年3月20日に旧モーモーランドこと『ABURAYAMA FUKUOKA』に行ってきた。目的は乳搾り体験。 到着したのは12時40分くらい。祝日だけど駐車場はぜんぜん混んでない。 昔はモーモーランドという名前の牧場みたいなイメージの施設だったけど、今は『ABURAYAMA FUKUOKA』という名前のアウトドア施設に変わって、オシャレ度が増すとともに、夜景が見られるキャンプフィールドや、前なかったスタバやスノーピークなんかができていた。 前受付があったところに行く

      • 2016SS / SUPREME ステッカーコレクションまとめ

        世の中にあまりなかったステッカーコレクション。海外にはちらほらコレクターはいるみたいだけど、更新が止まってたりできっちりまとめたものがない。そこで随時更新しつつ、アーカイブ化できればと思っている。まずはコンプした中で1番古かった2016年のSSのものを紹介したい。 2016SS2016SS① メインはメンディーニのボックスロゴステッカーだけど、メンディーニの銃モチーフもけっこう好き。パーカーやTシャツをいつか買いたいと思ってる。メンディーニコラボはトレイもいくつか出してて

        • 『長沢芦雪展』に行ってきた。

          2025年3月 日に長沢芦雪展に行ってきた。 九州国立博物館に来るのは久しぶり。駐車場からなかなか距離がある。 中にはどデカい山笠の山車が飾ってあった。 中は完全に写真禁止…写真OKなパネル的なものもない。なんで印象に残ったものを買ったポストカードで紹介。 まずはやっぱり『龍・虎図襖』の虎。チラシにもデカデカと書いてあるだけのことはある。 この虎の屏風、思ったよりもデカい。そして迫力がすごい。見に行く前は顔がかわいい虎くらいの印象で、全然思ってたものと違った。体が横から

        『あの子が考えることは変』 / 本谷有希子 | 邪悪な同居生活会話劇

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          『そして生活はつづく』 / 星野源 | どんなスターにも生活がある

          星野源のことはまず歌手として好きだ。 POP VURISは超名盤だと思うし、素晴らしい曲を作る人だと思う。 そんな星野源の初エッセイ集。今じゃドームツアーをしてる星野源がまだ庶民的な生活をしていた時代の話を知ることができる。単身赴任のお父さんが住むようなマンションに住んでおり、乾燥機を使いに共有スペースに行ったら、大量の女性用下着が入っていてあせったり、皿洗いがめんどくさいと言いつつ、生活自体が苦手なんで楽しもうとする星野源の姿に共感できる。 クスッと笑える話が多いけど、

          『そして生活はつづく』 / 星野源 | どんなスターにも生活がある

          2023年日本語ラップベスト30

          もう3月になったけど、今更個人的な2023年の日本語ラップベスト30をまとめました。最初はベスト10で考えてたのに、全然入りきれずベスト30がちょうどよかった…多すぎるし長いしで時間がかかっていつのまにか3月に…ただ2023年は豊作だったんだろうな。時間がある人はぜひ。 30位『Expert』/ KREVA そりゃ、今年はオジロとの『Players’ Player』がビッグニュースだけど、この曲も良かった。歌ものクレバで、いい歌詞だし。 29位『Higher Remix

          2023年日本語ラップベスト30

          『私がオバさんになったよ』 / ジェーン・スー |誰かの話は心に刺さる対談集

          いいタイトルの本。 オバさんでなくても刺さる話がどこかにある。 昔からジェーン・スーは頭が良くてフェアな人と思ってる。相手の話の要点を掴んで、膝を打つような返しをする。ワードセンスもあって、秀逸な例えをする。そんなジェーン・スーの対談集なら、そりゃ面白い。 対談相手の人選もいい。光浦靖子に山内マリコや海野つなみ、宇多丸ときて、最後は能町みね子。 女性が多いので、ジェンダー論、フェミニズムの話になることもある。しかし、田中俊之との対談では、男性の生きづらさの話をしっかりしてく

          『私がオバさんになったよ』 / ジェーン・スー |誰かの話は心に刺さる対談集

          『わたしを離さないで 』/ カズオ・イシグロ | 冬の曇った日に見るの海沿いの木

          読み終わった後に、いろんなイメージが残る本。昔観た映画のイギリスの曇り空とか、観光地じゃない海沿いの景色とか、雨上がりのグラウンドの水が残ってる地面とか… ずっと忘れてた、自分の心の中にある寂しい景色がフラッシュバックして、明るい気持ちにはなれないけど、それでも少し心が温まるような本。 ネタバレが嫌な人は以下を読まない方がいいかも・・・ ストーリーは設定だけ抜き出すと、ファンタジー、というかSFで読んだことがある話。最近でいうと、ジャンプの『約束のネバーランド』か… ただ

          『わたしを離さないで 』/ カズオ・イシグロ | 冬の曇った日に見るの海沿いの木

          『自由をつくる自由に生きる』/ 森博嗣 | 自由と支配に対する考え方…

          『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』などが有名な森博嗣の新書。元理系大学教授の書く自由論に興味があったので読んでみる。 人生の目的は自由という話から始まる。 自由という言葉は確かにいろんな意味があるけど、自由になろう!というよりは、自由の反対、支配に対する自分の在り方を考えることに重きを置いているように感じた。 昔は社会のシステム的に支配されているとわかりやすかったけど、現代は巧妙になっている、という指摘はなるほどその通りとは思う。大きな話ではなく、身近な例として常識による

          『自由をつくる自由に生きる』/ 森博嗣 | 自由と支配に対する考え方…

          『風に舞い上がるビニールシート』 / 森絵都 | 贅沢な短編集

          まずタイトルがいい。 個人的に、短編集はいいタイトルだと面白い法則を信じてる。 いいタイトルだな、と直木賞受賞の時に思った記憶がある。この本は第135回直木賞受賞作らしい。直木賞の本を読むのは久しぶり。 タイトルから、家族のピクニックでビニールシートが飛んでしまった〜的な、ほのぼのエッセイ的短編集みたいなものかと思ってたら、全然違った… 読んだ感想はまず、贅沢な短編集だなと感じた。 というのも、一つ一つの話がしっかりと取材したり、知識がないと書けないような話ばっかり。

          『風に舞い上がるビニールシート』 / 森絵都 | 贅沢な短編集

          『セーラームーン展』に行ってきた

          この間の冨樫義博展に続き、セーラームーン展が同じ福岡市博物館で開催されてたんで行ってきた。正確には奥さんの付き添いで。 冨樫夫婦は同じ場所で連続で展覧会ってすごいな〜 しかしセーラームーン… 奥さんが好きで行くけど、正直全然まともに見たことはない。 ただあの世界的な人気とオリジナリティーは理解しているんで楽しいのかも… 2024年の2月10日に福岡市博物館へ。 相変わらず駐車場無料なのありがたいし、混んでもないんで、車で行ける人は車で行った方がいい。 中は冨樫義博展と違い

          『セーラームーン展』に行ってきた

          『もういちど生まれる』/ 朝井リョウ | ウイイレ、サークル、麻雀、大学生…

          『桐島、部活やめるってよ』、『何者』、最近だと『正欲』だったり、いい本を書く人とはわかっていた。現代らしい切り口だけど、この人ならではの視点だし、なおかつ共感もできる、みたいなとにかく信頼がおける作家。 重すぎず軽すぎずで、何かの待ち時間にはよくお世話になってきた。 今回のこの本も待ち時間に読もうと思って買っていた。短編集で、恋愛っぽい始まり方だったんで、ちょっとそんな気分じゃないかも…と思いつつ読んでたら、やっぱり止まらない。面白い! 30代の大卒男が読むと、なんとい

          『もういちど生まれる』/ 朝井リョウ | ウイイレ、サークル、麻雀、大学生…

          『現実脱出論』/ 坂口恭平 | 見えないものが見えてくる本

          坂口恭平はたしかアフター6ジャンクションで知ったのかな?0円ハウス的な話をしていたような気がするし、面白い人の印象。 なんとなく現実逃避的な印象を持たせるタイトルだけど、内容は全然違う。現実逃避しても現実はより存在感を強化してしまうという考えなので、逃避をまったく肯定していない。『現実脱出』は、存在は体感しているけど、現実的でないと切り捨てていたものを直視することらしい。 居酒屋の話が例に出される。お客がいない時の居酒屋は狭く感じるが、わいわいして人が多い時は逆に広く感じ

          『現実脱出論』/ 坂口恭平 | 見えないものが見えてくる本

          福岡県の『大牟田市』に行ってきた。| 子連れ日帰り観光

          2024年1月7日に福岡県の大牟田市に行ってきた。 子供を連れて行くと、好きなところというより、子供をある程度楽しませる場所にも行かないと、とんでもないことになる。 とりあえず道中『ニコパン』で軽くパンを食べつつ、大牟田市へ向かう。 大牟田はゲソタルタル弁当が有名と聞き、まずは弁当を買おうとカントリーキッチンさんへ。 残念なことに日曜は休み。確かに弁当屋さんだから日曜休みなこと多いよな、と後で気づく。 近くなのでそのままtaramuさんへ。 駐車場は少し離れたところにあ

          福岡県の『大牟田市』に行ってきた。| 子連れ日帰り観光

          『地球人間』 / 村田沙耶香| サウンドノベルゲームのバッドエンド

          村田沙耶香作品を読んだのは『コンビニ人間』に続き2作目。 どっちもテーマとしては似ている作品だと感じたけど、他の本はどうだろう・・・ ストーリーは相変わらず世の中に対して生きづらさを感じている人がたくさん出てくる。社会を「工場」と言ったり、タイトル通りみんなは「地球星人」で自分は違う星の人間と言ったり・・・ただ別にファンタジーではなくとことんシリアスな話だったし、ラストは読み始めた時の感覚と全く違う感覚を味わわされる展開だった。 『コンビニ人間』はあくまでサイコパスの女性が

          『地球人間』 / 村田沙耶香| サウンドノベルゲームのバッドエンド

          『映画を早送りで観る人たち: ファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形』/稲田豊史 | まぁそんな人達も多いだろう…っていう…

          映画を早送りで見たことはないけど、見る人もいるだろうな〜とは思ってた。 というのも、最近は面白いエンタメが多すぎる。サブスクに電子書籍、SNSで大量にいろんな人からオススメされる時代なんで、映画なんて長尺のコンテンツ、ゆっくり見てられないんだろうな〜とは思う。 自分では早送りしない理由は、若者でもないし、長年の慣習として、映画はじっくり見るべし、と単に癖になってるだけで、深い理由はない。いい映画はじっくり見たいけど、邦画のスローモーション演出とか正直飛ばしたくなるような映画

          『映画を早送りで観る人たち: ファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形』/稲田豊史 | まぁそんな人達も多いだろう…っていう…