サネモト

本の感想、音楽、旅行、展覧会などなど

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記事一覧

『同志少女よ敵を撃て』/ 逢坂冬馬 | 狙撃兵になったロシアの少女

2022年本屋大賞受賞作。知ったきっかけは、バキ童ことぐんぴぃのnoteで、何年か前のベスト10に入ってたんで、なんとなく気になってた。戦争ものっぽいけど、本屋大賞受賞作…

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5日前
6

『想像ラジオ』/ いとうせいこう | 死者と生者をつなぐもの

『いとうせいこう』のイメージは、子どもたちにとってはNHKの教育番組に出てる人で、自分にとっては日本語ラップ黎明期のラッパー。 『東京ブロンクス』はクラシックだよ…

サネモト
2週間前
2

『あの子が考えることは変』 / 本谷有希子 | 邪悪な同居生活会話劇

いやー変な本! 話の内容うんぬんより、設定だけで常人には思いつかないパーツの組み合わせだな〜と思ってたら劇作家だということを思い出して、すげーと思いながら読んで…

サネモト
3週間前
5

『ABURAYAMA FUKUOKA 』に行ってきた | 子連れ日帰り

2024年3月20日に旧モーモーランドこと『ABURAYAMA FUKUOKA』に行ってきた。目的は乳搾り体験。 到着したのは12時40分くらい。祝日だけど駐車場はぜんぜん混んでない。 昔…

サネモト
1か月前
2

2016SS / SUPREME ステッカーコレクションまとめ

世の中にあまりなかったステッカーコレクション。海外にはちらほらコレクターはいるみたいだけど、更新が止まってたりできっちりまとめたものがない。そこで随時更新しつつ…

サネモト
1か月前
1

『長沢芦雪展』に行ってきた。

2025年3月 日に長沢芦雪展に行ってきた。 九州国立博物館に来るのは久しぶり。駐車場からなかなか距離がある。 中にはどデカい山笠の山車が飾ってあった。 中は完全に写…

サネモト
1か月前
2

『そして生活はつづく』 / 星野源 | どんなスターにも生活がある

星野源のことはまず歌手として好きだ。 POP VURISは超名盤だと思うし、素晴らしい曲を作る人だと思う。 そんな星野源の初エッセイ集。今じゃドームツアーをしてる星野源が…

サネモト
1か月前
5

2023年日本語ラップベスト30

もう3月になったけど、今更個人的な2023年の日本語ラップベスト30をまとめました。最初はベスト10で考えてたのに、全然入りきれずベスト30がちょうどよかった…多すぎるし…

サネモト
1か月前
3

『私がオバさんになったよ』 / ジェーン・スー |誰かの話は心に刺さる対談集

いいタイトルの本。 オバさんでなくても刺さる話がどこかにある。 昔からジェーン・スーは頭が良くてフェアな人と思ってる。相手の話の要点を掴んで、膝を打つような返しを…

サネモト
2か月前
5

『わたしを離さないで 』/ カズオ・イシグロ | 冬の曇った日に見るの海沿いの木

読み終わった後に、いろんなイメージが残る本。昔観た映画のイギリスの曇り空とか、観光地じゃない海沿いの景色とか、雨上がりのグラウンドの水が残ってる地面とか… ずっ…

サネモト
2か月前
14

『自由をつくる自由に生きる』/ 森博嗣 | 自由と支配に対する考え方…

『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』などが有名な森博嗣の新書。元理系大学教授の書く自由論に興味があったので読んでみる。 人生の目的は自由という話から始まる。 自…

サネモト
2か月前
4

『風に舞い上がるビニールシート』 / 森絵都 | 贅沢な短編集

まずタイトルがいい。 個人的に、短編集はいいタイトルだと面白い法則を信じてる。 いいタイトルだな、と直木賞受賞の時に思った記憶がある。この本は第135回直木賞受賞…

サネモト
2か月前
5

『セーラームーン展』に行ってきた

この間の冨樫義博展に続き、セーラームーン展が同じ福岡市博物館で開催されてたんで行ってきた。正確には奥さんの付き添いで。 冨樫夫婦は同じ場所で連続で展覧会ってすご…

サネモト
2か月前
2

『もういちど生まれる』/ 朝井リョウ | ウイイレ、サークル、麻雀、大学生…

『桐島、部活やめるってよ』、『何者』、最近だと『正欲』だったり、いい本を書く人とはわかっていた。現代らしい切り口だけど、この人ならではの視点だし、なおかつ共感も…

サネモト
2か月前
4

『現実脱出論』/ 坂口恭平 | 見えないものが見えてくる本

坂口恭平はたしかアフター6ジャンクションで知ったのかな?0円ハウス的な話をしていたような気がするし、面白い人の印象。 なんとなく現実逃避的な印象を持たせるタイトル…

サネモト
2か月前
4

福岡県の『大牟田市』に行ってきた。| 子連れ日帰り観光

2024年1月7日に福岡県の大牟田市に行ってきた。 子供を連れて行くと、好きなところというより、子供をある程度楽しませる場所にも行かないと、とんでもないことになる。 と…

サネモト
3か月前
4
『同志少女よ敵を撃て』/ 逢坂冬馬 | 狙撃兵になったロシアの少女

『同志少女よ敵を撃て』/ 逢坂冬馬 | 狙撃兵になったロシアの少女

2022年本屋大賞受賞作。知ったきっかけは、バキ童ことぐんぴぃのnoteで、何年か前のベスト10に入ってたんで、なんとなく気になってた。戦争ものっぽいけど、本屋大賞受賞作だからあんまりシリアスな感じじゃないかと思ってたけど、思ったよりシリアスだった…

舞台はドイツと戦争中のロシア。家族や村を焼かれた女の子セラフィナが狙撃兵になる話。

ドイツ兵に村を襲われ、セラフィマは狙撃兵に母親を撃たれて殺さ

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『想像ラジオ』/ いとうせいこう | 死者と生者をつなぐもの

『想像ラジオ』/ いとうせいこう | 死者と生者をつなぐもの

『いとうせいこう』のイメージは、子どもたちにとってはNHKの教育番組に出てる人で、自分にとっては日本語ラップ黎明期のラッパー。

『東京ブロンクス』はクラシックだよな〜、みたいなイメージ。久しぶりに聴いたけどやっぱいい曲。センスがいいんだろうな…今でも古びない。ただ、小説となるとどうだろう…という勝手な心配はあった。

とりあえず結論から言うと、素晴らしい小説だった。ただ、同じ東日本大震災を題材に

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『あの子が考えることは変』 / 本谷有希子 | 邪悪な同居生活会話劇

『あの子が考えることは変』 / 本谷有希子 | 邪悪な同居生活会話劇

いやー変な本!

話の内容うんぬんより、設定だけで常人には思いつかないパーツの組み合わせだな〜と思ってたら劇作家だということを思い出して、すげーと思いながら読んでた。

一言で言うと、いわゆるイタい女2人のワイワイ生活本。そのうちの1人の変な部分として、自分が臭いと思ってることがけっこうあらすじとか帯とかでアピールされてるけど、うーん、そこはあんまりメインじゃない気がする。

この本ですごいと思っ

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『ABURAYAMA FUKUOKA 』に行ってきた | 子連れ日帰り

『ABURAYAMA FUKUOKA 』に行ってきた | 子連れ日帰り

2024年3月20日に旧モーモーランドこと『ABURAYAMA FUKUOKA』に行ってきた。目的は乳搾り体験。

到着したのは12時40分くらい。祝日だけど駐車場はぜんぜん混んでない。

昔はモーモーランドという名前の牧場みたいなイメージの施設だったけど、今は『ABURAYAMA FUKUOKA』という名前のアウトドア施設に変わって、オシャレ度が増すとともに、夜景が見られるキャンプフィールドや、

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2016SS / SUPREME ステッカーコレクションまとめ

2016SS / SUPREME ステッカーコレクションまとめ

世の中にあまりなかったステッカーコレクション。海外にはちらほらコレクターはいるみたいだけど、更新が止まってたりできっちりまとめたものがない。そこで随時更新しつつ、アーカイブ化できればと思っている。まずはコンプした中で1番古かった2016年のSSのものを紹介したい。

2016SS2016SS①

メインはメンディーニのボックスロゴステッカーだけど、メンディーニの銃モチーフもけっこう好き。パーカーや

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『長沢芦雪展』に行ってきた。

『長沢芦雪展』に行ってきた。

2025年3月 日に長沢芦雪展に行ってきた。
九州国立博物館に来るのは久しぶり。駐車場からなかなか距離がある。

中にはどデカい山笠の山車が飾ってあった。

中は完全に写真禁止…写真OKなパネル的なものもない。なんで印象に残ったものを買ったポストカードで紹介。

まずはやっぱり『龍・虎図襖』の虎。チラシにもデカデカと書いてあるだけのことはある。
この虎の屏風、思ったよりもデカい。そして迫力がすごい

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『そして生活はつづく』 / 星野源 | どんなスターにも生活がある

『そして生活はつづく』 / 星野源 | どんなスターにも生活がある

星野源のことはまず歌手として好きだ。
POP VURISは超名盤だと思うし、素晴らしい曲を作る人だと思う。

そんな星野源の初エッセイ集。今じゃドームツアーをしてる星野源がまだ庶民的な生活をしていた時代の話を知ることができる。単身赴任のお父さんが住むようなマンションに住んでおり、乾燥機を使いに共有スペースに行ったら、大量の女性用下着が入っていてあせったり、皿洗いがめんどくさいと言いつつ、生活自体が

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2023年日本語ラップベスト30

2023年日本語ラップベスト30

もう3月になったけど、今更個人的な2023年の日本語ラップベスト30をまとめました。最初はベスト10で考えてたのに、全然入りきれずベスト30がちょうどよかった…多すぎるし長いしで時間がかかっていつのまにか3月に…ただ2023年は豊作だったんだろうな。時間がある人はぜひ。

30位『Expert』/ KREVA

そりゃ、今年はオジロとの『Players’ Player』がビッグニュースだけど、この

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『私がオバさんになったよ』 / ジェーン・スー |誰かの話は心に刺さる対談集

『私がオバさんになったよ』 / ジェーン・スー |誰かの話は心に刺さる対談集

いいタイトルの本。
オバさんでなくても刺さる話がどこかにある。
昔からジェーン・スーは頭が良くてフェアな人と思ってる。相手の話の要点を掴んで、膝を打つような返しをする。ワードセンスもあって、秀逸な例えをする。そんなジェーン・スーの対談集なら、そりゃ面白い。

対談相手の人選もいい。光浦靖子に山内マリコや海野つなみ、宇多丸ときて、最後は能町みね子。
女性が多いので、ジェンダー論、フェミニズムの話にな

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『わたしを離さないで 』/ カズオ・イシグロ | 冬の曇った日に見るの海沿いの木

『わたしを離さないで 』/ カズオ・イシグロ | 冬の曇った日に見るの海沿いの木

読み終わった後に、いろんなイメージが残る本。昔観た映画のイギリスの曇り空とか、観光地じゃない海沿いの景色とか、雨上がりのグラウンドの水が残ってる地面とか…
ずっと忘れてた、自分の心の中にある寂しい景色がフラッシュバックして、明るい気持ちにはなれないけど、それでも少し心が温まるような本。

ネタバレが嫌な人は以下を読まない方がいいかも・・・
ストーリーは設定だけ抜き出すと、ファンタジー、というかSF

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『自由をつくる自由に生きる』/ 森博嗣 | 自由と支配に対する考え方…

『自由をつくる自由に生きる』/ 森博嗣 | 自由と支配に対する考え方…

『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』などが有名な森博嗣の新書。元理系大学教授の書く自由論に興味があったので読んでみる。
人生の目的は自由という話から始まる。
自由という言葉は確かにいろんな意味があるけど、自由になろう!というよりは、自由の反対、支配に対する自分の在り方を考えることに重きを置いているように感じた。
昔は社会のシステム的に支配されているとわかりやすかったけど、現代は巧妙になっている、

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『風に舞い上がるビニールシート』 / 森絵都 | 贅沢な短編集

『風に舞い上がるビニールシート』 / 森絵都 | 贅沢な短編集

まずタイトルがいい。

個人的に、短編集はいいタイトルだと面白い法則を信じてる。

いいタイトルだな、と直木賞受賞の時に思った記憶がある。この本は第135回直木賞受賞作らしい。直木賞の本を読むのは久しぶり。

タイトルから、家族のピクニックでビニールシートが飛んでしまった〜的な、ほのぼのエッセイ的短編集みたいなものかと思ってたら、全然違った…

読んだ感想はまず、贅沢な短編集だなと感じた。
という

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『セーラームーン展』に行ってきた

『セーラームーン展』に行ってきた

この間の冨樫義博展に続き、セーラームーン展が同じ福岡市博物館で開催されてたんで行ってきた。正確には奥さんの付き添いで。
冨樫夫婦は同じ場所で連続で展覧会ってすごいな〜
しかしセーラームーン…
奥さんが好きで行くけど、正直全然まともに見たことはない。
ただあの世界的な人気とオリジナリティーは理解しているんで楽しいのかも…

2024年の2月10日に福岡市博物館へ。
相変わらず駐車場無料なのありがたい

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『もういちど生まれる』/ 朝井リョウ | ウイイレ、サークル、麻雀、大学生…

『もういちど生まれる』/ 朝井リョウ | ウイイレ、サークル、麻雀、大学生…

『桐島、部活やめるってよ』、『何者』、最近だと『正欲』だったり、いい本を書く人とはわかっていた。現代らしい切り口だけど、この人ならではの視点だし、なおかつ共感もできる、みたいなとにかく信頼がおける作家。

重すぎず軽すぎずで、何かの待ち時間にはよくお世話になってきた。

今回のこの本も待ち時間に読もうと思って買っていた。短編集で、恋愛っぽい始まり方だったんで、ちょっとそんな気分じゃないかも…と思い

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『現実脱出論』/ 坂口恭平 | 見えないものが見えてくる本

『現実脱出論』/ 坂口恭平 | 見えないものが見えてくる本

坂口恭平はたしかアフター6ジャンクションで知ったのかな?0円ハウス的な話をしていたような気がするし、面白い人の印象。

なんとなく現実逃避的な印象を持たせるタイトルだけど、内容は全然違う。現実逃避しても現実はより存在感を強化してしまうという考えなので、逃避をまったく肯定していない。『現実脱出』は、存在は体感しているけど、現実的でないと切り捨てていたものを直視することらしい。

居酒屋の話が例に出さ

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福岡県の『大牟田市』に行ってきた。| 子連れ日帰り観光

福岡県の『大牟田市』に行ってきた。| 子連れ日帰り観光

2024年1月7日に福岡県の大牟田市に行ってきた。
子供を連れて行くと、好きなところというより、子供をある程度楽しませる場所にも行かないと、とんでもないことになる。
とりあえず道中『ニコパン』で軽くパンを食べつつ、大牟田市へ向かう。

大牟田はゲソタルタル弁当が有名と聞き、まずは弁当を買おうとカントリーキッチンさんへ。
残念なことに日曜は休み。確かに弁当屋さんだから日曜休みなこと多いよな、と後で気

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