『この素晴らしき世界』 / 東野幸治 | 悪意に満ちた芸人の面白エピソード集
東野幸治による芸人の奇人変人エピソード集。
いや〜全部面白い。特に引用したキングコング西野は悪意がありすぎる。褒めてるかと思ったら結局イジリまくってる。
西川きよしや坂田師匠なんかの大御所から、南海キャンディーズの山里やピース綾部なんかの中堅芸人なんかの面白エピソードが満載。しかも東野幸治が書いていることもあって、笑えないような話も笑い話として書いてあって二重に面白い。
わかりやすいものでいうと次長課長の井上の回。
最後の晩餐には何が食べたい?と東野が井上に聞くと、井上は「自分を食べてみたいです。必ずどこかに美味しい部位があると信じてます」と回答…純粋に怖い。
陣内智則の回のタイトルは「今度こそ幸せに!陣内智則君」悪意があるな…
よく自分はラジオを聴くんだけど、ゲストで気になった芸人のエピソードを調べることがある。例えば、ぱーてぃーちゃんの「すがちゃん最高NO.1」が中学生から一人暮らしとか、なぜ?みたいやつを調べると、面白エピソードが満載で、ついついいろんなまとめたサイトを読んでしまうことがあったりする。
そんな面白エピソードをコンパクトにまとめてくれてるんで、どこから読んでも面白い。
大西ライオンがゴルフに遅刻しないよう、トランプ元大統領が来日するとき、警察に電話してスケジュールを聞こうとした話とか、ノブコブ吉村が身の丈に合わない高級車を買って、27時間テレビで壊す企画が笑いにならず、ただ自分の車を芸人仲間と破壊するだけになってしまったとか…
あとそれぞれの回で最後に「最近こんなことしてます」という本人からのコメントが載っている。ほとんどの人は最近の仕事内容を書くけど、ピース綾部は「週末はハーレーでアメリカ人の友達とハンバーガーを食べに行くんです」とか、極楽とんぼの加藤は「もう、乱はこりごりです」といいコメントを残してる。
忙しい人は東野幸治が好きそうな芸人「品川庄司の品川」、「キングコング西野」、「極楽とんぼ加藤」あたりだけでも読むといいかも…
最後には東野ではなく、キングコング西野による東野幸治のエピソードが語られる。だいたい売れてる芸人は人格者だけど、東野幸治はそうではないから、実力のみで売れてるという、貶しつつ褒めるいい文章を書いている。
重めの小説なんかを読む合間に読むにはベストな本。ほぼ笑える話ばっかりだけど、「宮川大助・花子」の話は急にグッとくるものがあったり、ちょっとずつ読もうと思ってたけど、意外にあっという間に読み終えました。オススメです!
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