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百歳の方🇹🇼🇯🇵とお話して思うこと

投票日に台北ホストCさんの実家へ行った後、彼女の親戚の方の家へ行きました。

台湾の方々、親戚付き合いが濃い方が多いです。
親戚の呼称もかなり複雑で、例えば父方のおじいちゃんか母方のおじいちゃんかで呼び方が違います。

投票所の近くに住んでいらしてるご親戚の方は、Cさんの妹さんの旦那さんのお父様です。
自分の親戚で考えると…
私は兄嫁の親兄妹との付き合いは、全くないです。

日本って近所に一族が住んでいるわけではなけば、そんなものですよね?
私の家が希薄な方なのかもしれませんが。

新年も近い事もあり、Cさんはそれはそれは大きな伴手禮を手に、親戚宅を訪問。
「伴手禮を手に」と日本語で書くと「馬から落馬」のような表現になってしまうのですが…要するに(新年などの挨拶の為の)手土産を持参して、という意味です。

伴手禮(bàn shǒu lǐ)は台湾語から派生した、台湾特有の言い方のようですね。
※もちろんこの習慣は台湾だけでなく、他の中華圏でも見られますが、言い方が微妙に違ったりするようです。

旧正月前の今の時期、お菓子屋さんや飲食系の店だけではなく、ありとあらゆる種類の店で、色々なセットになって売っています。

ネットでも大々的にこの時期、販売してますし↓


セブンイレブンのようなコンビニでも見かけます。
今回、色んなエリアのコンビニに入りましたが、田舎の方が大きな伴手禮セットが多く見受けられました。

そうそう、台北のカルディにも置いてありましたね。

たまたま写真を撮りましたが、左側の赤い箱が山積みになっているのが、その一例です。

日本のさらら柚酒ととろり梅酒のセット 799元

話がそれました。

Cさんのご親戚のお宅には百歳になる方がいらっしゃいました。
大正生まれで、年代的に正に日本統治時代に教育を受けた、元日本人だった方です。


どんな方かしら、と色々想像しながらお目にかかりました。
耳はかなり遠くなっているものの、頭はしっかりなさっていて。
そしてとてもきれいな発音で、ゆっくりと、日本語を話されたのには、びっくりしました。

古き良き日本の言葉遣い。
まるで小津安二郎の映画に出てくる人たちのような。

普段、日本の老歌(古い歌)や映画などを繰り返しご覧になっているそうです。
私がお部屋に入った時も、日本の歌を聴いていらっしゃいました。
お宅にはカラオケルームもあり、その方も歌ったりするそうですが、日本の歌しか歌わないそうです。

何十年も日本人と言葉を交わしたことがなかったようですが、ゆっくりと自分の日本に対する気持ちをお話し下さいました。

私という日本人と会えた事が望外の喜びだったようで

日本の〇〇に行ったが、あなたは行った事があるか。
日本の〇〇は素晴らしい。
日本人は本当に礼儀正しいね。
日本の〇〇にたずさわれた事が本当に嬉しい。
日本は台湾の為に色んな事をしてくれた。

などなど、ゆっくり日本語でお話しされながら、だんだん目がキラキラ輝いていくその方の様子と対象に…

昨今の日本の状態を頭に浮かべ、だんだん恥ずかしくなっていく自分がいました。
昔の思い出を胸に、今の日本を知らないでいるのはある意味、幸せなのかもしれません。

ただ日本人として、自分もそう思ってらっしゃる方に恥じないような行動はとらないといけないな、とは思いました。政治家を罵っても始まりませんものね。

Cさんやご家族は、阿公(おじいちゃん)がこんなに嬉しそうに長い事話すのを見るのは本当に久しぶり、と言って大変喜んで下さいました。
この後、Cさんは人に会う度にこのエピソードを話していましたので、お世辞抜きに本当に嬉しかったんだと思います。
私も今回の目的である日台交流が出来たような気がして、幸せな気持ちでいっぱいになりました。

お別れする前に握手をし、一緒に「汽車」を歌いました。
色んな事を考えさせられた1日でした。


私が日本から持参した伴手禮 
百歳ですが何でも食べられる、という事なのでお渡ししました


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