【短編小説】おそとでてるてる
雨が降ってきた。
突然の雨にくろくまはびっくりした。
早く晴れて欲しいのでてるてる坊主を作る。
ティッシュを丸めて、輪ゴムでとめて。
せっかくなので耳までつけて。
自分とそっくりなくまのてるてる。
素晴らしい出来栄えに我ながらいいものを作ったと得意げになった。
外はまだ小雨なので今のうちに吊るしてしまおう。
くろくまは家の前の木にてるてる坊主を吊るした。
急いで小走りでお家に帰り、窓から様子を眺めることにする。
風に吹かれたてるてる坊主は、可愛らしくひらひらしている。
くろくまは大変嬉しく思った。
ニコニコ眺めていると予報通り、雨がどんどん強くなってきた。
ざあー
ざあー
小雨はだんだん大雨になっていく。
外に吊るされたてるてる坊主は、
そのまま溶けて雨に流されてしまった。
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