【短編小説】雲の上で飲むビール
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男は気がつくと雲の上にいた。
会社をクビになり、信じられないほどのやけ酒をしていたが、酒に溺れたおかげか雲の上に来たおかげかは定かではないが、幸いなことにそんな記憶は彼の頭からは消え去っていた。
雲に乗っているというのにその水蒸気の塊は器用に男の体を支えていた。
子供の頃夢見たようにふわふわしているわけでもなく、かと言って水蒸気ほどサラサラもしていない。
そこは涼しい風の吹く暖かな場所だった。
雲の端に行ってみると足元には砂粒ほどの大きさの町があった。
上から見下