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お酒シリーズ

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華金をする人間を描いた短編小説集です。
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記事一覧

【短編小説】夕焼けぼっちのレモンサワー

彼女が家を出て行ってから一週間が経った。 特に理由はないと言われたが、それすら言いたくな…

京サリ
1年前
9

【短編小説】千鳥足忍び足

金曜日。 週の仕事を終え、男は陽気に土産を持って千鳥足で家に帰っていた。 大きなプロジェ…

京サリ
2年前
4

【短編小説】さくらんぼカクテルと連休

連休がもうすぐ終わる。 世間はどこも賑わっていたが、ほとんど家から出ることはしなかった。…

京サリ
2年前
3

【短編小説】はじめてのビール

20歳をむかえた。 子供の頃想像してた二十歳とはとてつもなくかけ離れていて、 歳ばかりとっ…

400
京サリ
2年前
3

【短編小説】虹色カクテル

雨が上がった。 傘の縁から見上げる空は、優しい夕日に照らされていた。 傘を閉じてほとんど…

京サリ
2年前
2

【短編小説】氷々と

雨が降っていた。 ニュースを見ると雹も降る可能性があると書いてあった。 思わず、 うひょ…

京サリ
2年前
8

【短編小説】下戸ゲコ

ふひぃー そのカエルは下戸であった。 しかし困ったことに酒が大の好物なのだ。 今日も今日とて酒瓶を空けている。 空けるから強いのかといえばそうではなく、一本飲みきった後は必ずゲロゲロする。 それなら飲まなければいいものを、そのカエルは困ったことに毎日毎日飲み続けた。 ふひぃー 今日も酒がうまい。 ゲロゲロ。 まただ。 ゲコゲコ。 カエルは酔っ払うと決まって独り言を言う。 ゲコゲコ しかしそれはカエル語なので誰にも理解されなかった。 だから酒を飲んで

【短編小説】一年後の私に贈る梅酒

19歳を迎えた。 梅の実が旬の季節に私は生まれた。 こどもの私が思っていたほど19歳は大人で…

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京サリ
2年前
6

【短編小説】夜桜と純米、春の天ぷら。

葉桜が春の夜空を彩っていた。 それはさながらかき揚げのようだった。 かき揚げ食べたい。 …

京サリ
2年前
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【短編小説】モヒートと迎える週末

今週も金曜日がやってきた。 いつもより早く仕事が終わり、週末を迎えられる喜びとともに春の…

京サリ
2年前
4

【短編小説】レモンサワーと金曜日

週末がやってきた。 一週間働き疲れた体が求めているのはもちろん、美味しいごはんだ。 適当…

京サリ
2年前
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