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短歌のようなもの

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#夏

短歌のようなもの #17

短歌のようなもの #17

夏を乗り越えるためにある「夏」だ たとえばほろよい冷やしパインとか

水族館のことを「すいぞっかん」と言う君はきっとイルカが好きでしょ

大魔神みたいな入道雲がいる!一瞬立ち漕ぎしてみるOL

足の甲ホットドッグかと思えば 日焼け止め持つ手は意気揚々

好きな人はカブトムシが見向きもしないほどにスイカを下まで食べる

短歌「ザ・ピース・オブ・サマー」②

短歌「ザ・ピース・オブ・サマー」②

続きです。

16.本屋ではそれぞれが好きな場所へ行く 伊坂幸太郎へ行く君

17.読みかけていた本を恥ずかしそうに戻していたとこ、とても良かった

18.カフェでするどうでもいい話こそが大事って知ってる もう24だし

19.アイスカフェオレはすっかり水だけど、水なんだけど、まだ話してたい

20. iPhoneのロゴを鏡にしてるから電車の向かいの人が驚く

21. 隣から音漏れがした 気を利か

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短歌「ザ・ピース・オブ・サマー」①

短歌「ザ・ピース・オブ・サマー」①

もう秋ですね!
夏の間に書き溜めていた短歌34首の前半です。 お手柔らかに…!

1. 2020年の手帳7月8日「蝉が鳴き始めた」と青字で

2. クールビズの定義を決めなきゃ真っ裸で通勤しちゃう人が出てくる

3. 喫茶店のランチ3回目マスターがしきりに「新田くん」の話をする

4. 「新田くん」はふたつ年上で総務部でたまにコーヒーを飲みにくるって

5. 帰り道すこしだけマスクを外す

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短歌のようなもの #16

短歌のようなもの #16

プチプチでもうはしゃがないメルカリで使えるかなって取っておくだけ

夏空をアイスクリームディッシャーで掬って食べたい 雲は多めに

エアコンが寒くて消したら暑くってやっぱりつける 生きるのむずい

どこどこのコンビニが好きとかそういう話をずっと、ずっとしてたい

お茶漬けの最後のひと口かき込めば海でおぼれたときの味がした

コンクリにキズパワーパッド貼ってあり「早く治るといいね」って思う

短歌のようなもの #9

短歌のようなもの #9

真っ青サマー 今でも言えるよ君がよく使ってたシーブリーズはオレンジ

5時間目うたたねをする君の背で木漏れ日が揺れて、鱗みたいで

青春は多分プリズム何気なく過ごした日々はあとで眩しい

ビー玉は夏の防人 溢れ出た炭酸みたいに好きって言ってよ

短歌のようなもの #5

短歌のようなもの #5

汗かくし暑いし焼けるし概念が好きなだけなのかもね、夏って

夏×夜の配合の空気は ぬるくて甘くて少し泣きそう

夏の夜の空気の甘さとぬるさには、レモンサワーの酸味が効くのよ

おはようの声がうわずる さりげなく言おうとしたのに!誕生日の朝

好きな曲聴いて一旦深呼吸、自分の機嫌は自分で取ろうね

とりあえず目だけ瞑ってみてるけど わたしを置いていかないで夜

美容院行く前日に髪のケアするのは1日だ

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