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2017年12月の記事一覧

蝶よ花よの偽・芸妓

扇子をひろげ 日本舞踊の真似事
私は芸妓 三味線だって鳴らせる
酔った貴方の財布をくすね
私は月夜の道に下駄を奏でる

お気をつけて フリーライセンスの芸妓には
欲しいのは蝶よ花よじゃないのよ
懐にある紙のぬくもりだけ…

幼き頃に習った日本舞踊が
こうも役立って 今の私を養う
身形(みなり)じゃ決して気付かないでしょ
人は見た目で判断するから 緩(ぬる)い

頓挫すれば 次はどこで踊

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浄光院

綺麗な華も此処じゃ御飾り
隣に並んでも案の定
下段の側室に目が行くのを
しっかりと華は追いかけてる

呼ばれた挙句の政略結婚
花瓶に入れられて御粗末に隅に置かれ
時々 気安めの小物を送れば

良いと思ってんのかい あんた
どんなに御偉いさんでも気に触れば
あたくしが地獄を見せてあげましょう
恋しい気持ちを毒に含めて

どんなに着飾って無意味の
政(まつりごと)の手土産なんかい?
お寝ん

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うらめしや

あんたのこった おふざけだろうが
身に染みたのさ 陽炎の在り方
知らぬ存ぜぬを通せば終るが
あたしの恋は それで終れない

典型的な不倫よ わかっちゃいるけどさ
あんたから聞く女房の悪口を
信じていたから 一緒になれると思い
殺したんじゃないか あんたの頼みで
うらめしやは私のセリフだよ

泪の良心 あったんならいい
あんた欲しさに 指咥えてられない
泪の良心 忘れてしまえば
愛のかたちは

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紅葉の花屋敷

『愛し合った月の夜』
奇(あやし)き火をかいくぐり
手のひらを裏返さず
あたしは謀(はか)りの片棒を担ぐ

この火の手は荒々し
あたしの何かを表すように
紅葉が大空舞うような江戸の花びらさ

あたしはこの手で咲かせてみせた
愛を知ってしまったからこそ 裏のこころ
THE SAD FLAME IS MY LOVE
MY JEALOUSY TO ENVIABLE LOVE
燃え上がれ もっと

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