蝶よ花よの偽・芸妓
扇子をひろげ 日本舞踊の真似事
私は芸妓 三味線だって鳴らせる
酔った貴方の財布をくすね
私は月夜の道に下駄を奏でる
お気をつけて フリーライセンスの芸妓には
欲しいのは蝶よ花よじゃないのよ
懐にある紙のぬくもりだけ…
幼き頃に習った日本舞踊が
こうも役立って 今の私を養う
身形(みなり)じゃ決して気付かないでしょ
人は見た目で判断するから 緩(ぬる)い
頓挫すれば 次はどこで踊ろうかしらね
欲しいのは蝶よ花よじゃないのよ
私が生きるための生き様だけ…
きっと誰かが知れば 虚しいと思うけど
私はそれでしか生きられない憐れな女よ
男はまた 私を導いてくれるから
欲しいのは蝶よ花よじゃないのよ
また私の懐があたたまる
私の代金はお高くつくのよ