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『七十二候』草露白‥くさのつゆしろし



『草露白‥くさのつゆしろし』
            9月8日から13日頃


二十四節季では白露となりました。
朝晩日も短くなり、少し肌寒くなりましたね。

19時過ぎ、走るため外に出ると
もう辺りは真っ暗で‥
夏の明るさが懐かしく思えるほど。


               るんphoto



夜の気温が下がることにより
葉っぱや草花に空気中の水蒸気がつくようになります。そんな霧(朝露)が白く輝くように見えるこの時期を白露といいます。


白露=「はくろ」と二十四節季では
読むのですが
「しらつゆ」と読むことで和歌に使われたり
俳句にも数多く登場します。



朝日さす春日の小野に置く露の
消ぬべきわが身惜しけくもなし

詠み人不明 万葉集


かく恋ひむものと知りせば
夕置きて朝は消ぬる露にならましを

詠み人不明 万葉集

 

どちらの和歌も
朝になれば消えてしまう露のように
自分もいっそ消えてしまいたいと‥。
そう思うほどに切ない恋心。


でも、それだけでしょうか。



わたしには
もしも相手がこの和歌を読んでくれたなら‥と
そんな恋心が見え隠れしているように
思えるのです。



本当に消えてしまいたいわけではなく
振り向かせたい一心の
淡い期待や希望も感じられるような‥
少しばかりの駆け引きのような‥


そんな恋文のようにも思えます。
 



文字に携わる人たちが
儚いもの‥消え入りそうなもの‥に
心惹かれ自分を重ねてしまうのは
今も昔も変わらないのでしょう。





ある人の、月ばかり面白きものはあらじと言ひしに、またひとり、露こそあはれなれとあらそひしこそをかしけれ

徒然草

 


現代語訳

ある人が「月ほど興のあるものはない」と
言ったところ、また別のある人が
「露の方がもっと赴き深い」と言い争った。
その時期に合うのなら
なんであろうと趣深いものだ。


そんな話題に上がるくらい
露の存在は月にも並ぶほどだったのでしょう。


もちろん人によって趣を感じる瞬間は
様々ですが
やはり月も露も風も水も‥


自然がくれた情緒溢れるプレゼントは
遠い昔の人々の心を動かし
文字となり絵となり‥


時を経てまたこうして
わたしたちに届けてくれる。


美しいものはいつの時代にも
五感を刺激し
心を豊かにしてくれますね。



                るんphoto




実はこの数日‥書くことから離れ‥
というよりは離れざる得ない状態に陥って
しまった‥言った方が正しいかもしれません。


何も浮かばなくなり
書けなくなったわけではなく



書きたい気持ちや
書きたいことは溢れるほどあるのに
脳が拒否しているかのようなそんな状態で‥。


「書く」「深く考える」
その部分がパタンとシャットダウン
フリーズしてしまったようです。



                るんphoto



最近の書きたい意欲や創作に向けての
気持ちがわたしの中で
これまでにないほど高ぶり

いつもなら大波小波繰り返す
心の波も凪のように穏やかで



心身元気だから大丈夫と
その気持ちのままに過ごしていたたため
脳の中が熱を持ち
ヒートアップするまで気づかずに。



ある夜いつものように
文字と向き合い書こうとしても
シャットダウンしたまま箱は閉じてしまい
何度試みても‥
その扉は重くそして鈍く。

痛い‥とも違う
脈打つわけでもなく‥

冷やしてみたところで
なんの変化もなく‥。



気になり調べてみたところ
前頭前野には


浅く考える機能
深く考える機能
ぼんやり考える機能

があり状況によって切り替わっています。
脳が疲れると
情報処理機能が全体的に低下することに。


なにかをしながら
別の何かを考えさらに‥他の何かに
意識を向け‥

そんな風にマルチタスクをこなすのは
現代人にはよくあることだと
思います。


性格もかなり影響があると思いますが
一度にあれもこれもと
すべてを進めたいわたし。


ふと気づけば
逆に何ひとつ完結していなかったり。


この「深く考える」機能の部分が鈍り尚更
意識を集中させることが出来なくなっていたのかもしれません。




以前もどこかで書いたかもしれませんが
わたしの場合


詩を書く時に使う部分と


七十二候を書く時や
エッセイを書く時に使う部分と


同じ頭の中でも違う部分を
使っているような‥
そんな気がするのです。


心が導かれるままに書くのが
詩ならば
エッセイなどはやはり
深く考え言葉を置いていく‥。


でも、どちらもやはり
脳が疲れてしまっていては正常に作動は
してくれません。




今後の目標として
やるべきこと
やりたいこと


それぞれのタスクを上手く
管理するには
どのようにしていけばいいのか‥



毎日流れてくる情報
自由にとって必要なもの
必要でないもの‥


溢れるほどの情報社会の中
自分の「直感」というモノサシが
今こそ活躍する時なのかもしれません。







今回の七十二候に使用している写真は
写真AC+るんphotoを使用しています。







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